DayDreamNote by星玉

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flake28.海幻灯

2019年01月18日 | 星玉帳-Star Flakes-
【海幻灯】


どこまで進んでも海の見える星だった。


風は強く波は高く。


高波の中に小さな影が一つ泳いでいた。


あれはもしやいつか冬の惑星で別れたきりの魚ではないか。


荒れた海を往く「それ」は今にも波間に消えそうな頼りない影だった。


一瞬こちらに向かい笑っているように見えたのは海の見せる幻灯なのだろうか。






flake28『海幻灯』