皇風(左)がきめ倒しで時天空を破る=本間光太郎撮影
新入幕の皇風(きみかぜ)が、歴史的な勝ち星を挙げた。
大学の大先輩である元関脇笠置山が最後に勝ったのは、終戦間近の1945年夏場所のこと。「思い切り取れてよかった」。早大出身力士としては、実に67年ぶりの幕内白星となった。
初日から3連敗と苦しい土俵が続き、この日はベテラン時天空との対戦。相手の張り手にひるむことなく左から抱え込むと、右からハズ押し。真っ向勝負できめ倒した。
発奮材料がある。師匠の尾車親方(元大関琴風)は4月の巡業先で転倒し、首を痛めて入院。現在もリハビリ中だ。その師匠から再三、戒められていたのが立ち合いの変化だった。相手が格上だと変化したい気持ちにもなるが、今場所はその誘惑を封印。「前に出られているから、このままの相撲でいい」。連日、師匠が電話で激励してくれるのがうれしい。
部屋の関取衆は十両の政風、幕内の豪風と嘉風の3人が、いずれも初日から4連敗。兄弟子たちを勇気づける勝利にもなった。「前に出る相撲を心掛け、明日からも一番一番、胸を借りるつもりで頑張りたい」と皇風。理論派で知られた笠置山とはタイプが違うが、ひたむきな25歳は愚直に前に突き進む。(浜畑知之)
(2012年5月9日21時43分
読売新聞)
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