マイナーリーガーでは異例の本拠地球場での記者会見だった。
実績を評価した球団の配慮だったが、松井は落ち着いた表情で「プレーするチャンスをいただいて感謝している。
マイナー契約が僕の現状だと思う」と立場を自覚していた。
米国１０年目のシーズンへの感慨を「ない」と言い切った。
大リーグの舞台は用意されておらず、この先そこに立てる保証もない。
ヤンキースの中軸を担い、ワールドシリーズで最優秀選手に輝いたスラッガーは過去の栄光にすがらず、前を見据える。
日本からの誘いに応じず、米球界にこだわり「ただ野球がしたい」と孤独な練習に励んだ。
５月１日は松井がプロ１年目の１９９３年に巨人で１軍デビューした日だ。
オープン戦の不振で開幕を２軍で迎え、自らのバットではい上がった。
１８歳の当時も３７歳の今も心は変わらない。
「常に上を目指している。
自信がないとプレーしない」と自然と言葉に力がこもった。
（共同）
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