ふらいすたーげ

人生、一生、日々まじめ

※Fleisstage(勤勉日々)は造語です。
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テスト前

2008-01-26 15:57:48 | 日記
試験前の独特で神経質な心は辛いものですね。私はだいぶ克服してきたつもりですが、それでも辛い。語学や資格など、本人が好きでやってる試験はまだしも、学校の試験、入試、大学の試験は何が目標なのかよくわからないから昔はずっと悩みぬきました。

いつも試験前は、一番逃げたくなるときだ。逃げを考えるとき、重要なのは何なのだろう、冷静さなのだろうか。世の中を生き抜くには、逃げるべきときと逃げてはならないときがある。では、無理してはいけないときは、踏ん張り闘うべきときは、どんなときなのだろう。今シリーズの金八先生のテーマですが、清水さんにはもっとその区別を書いてほしかった。このことは一人一人が血みどろになって悩み抜いてほしい。
大量の引きこもりや自殺者を生む、この豊かで素晴らしい「不幸な」国では、いま、如何に逃げるかが求められている。一方で、軟弱化した国民は、闘う時期にそろそろ来ている。

【たーげ】
20 21美のシアター21で「河童のクゥと夏休み」を見る。宮崎アニメに匹敵する面白さ。洞窟探検をしたりした少年時代の夏休みを思いだす。河童のくせに、クゥが可愛すぎで反則だ。センター試験の解説を書く。ケータイソムリエ、サイバー大学単位問題。
21 仕事。皇后さま発熱、愛子さま胃腸炎。東京福祉大学総長わいせつ、女児出会い系補導。
22 仕事。朝は金沢で代式祈祷。タクシーがおかしな運転手だった。慣れてないのか、地図を見るし、住所を教えてくれというし、大きな建物の名前間違えるし、ミスったら笑ってごまかすし、とどめはお釣りに1分以上かかった…。支部の人が、「今手が離せません」といい、何してるのと聞いたら、「入力中」と言われた同僚がキレていた。輪島で震度3、センター世界史、地理に誤り。
23 朝から晩まで放送大学。合間に散髪、ゲーム。ガザ壁爆破、希首相が土を訪問、HIV献血100件。
24 仕事。明朝から朝が吹雪で、昼も雪と風。夜の報ステによると「爆弾低気圧」なるものらしい。初めて聞いた。高2が仮想通貨3600万詐取、ウィルス作成者逮捕。
25 仕事。会社で送別会。ぶりしゃぶを生まれて初めていただきました。金沢の鶏野菜味噌やスーパーのカードの話になった。…天下のマスコミのあなたたちが何を話しているやら。露がコソボ独立反対、NHK新体制、鈴香被告死刑判決。
26昼 のんびり夜中まで飲み、途中抜けて来たけど、2次会終了予定の朝4時に、地震が。また事件。輪島では5弱揺れたらしい。今日はゆっくり積もる美しい雪でした。

【れーぜん】
現象学の基礎、資源人類学、文化人類学、応用音楽学と民族音楽学(以上、放送大学)ゴーゴリ「狂人日記」(岩波文庫)

センター試験現代文 解答と解説

2008-01-20 17:29:56 | オピニオン
第1問
問1 漢字は省略します。

問2 ①「視覚的な距離」「親密な関係」「共通の雰囲気」がいい。②「能力が奪われる」がおかしい。目が見えなくなる感じがするだろう。さらに前半は合っていると譲っても、後半が間違っている。共感覚的体験は抑制されず、むしろ活性化するのではなかったか?③前半はよいが、後半は全くの反対だ。真っ先に切るべき文。視覚的な効果は明るい空間の話。④「その結果として」以降の後半が間違え。何がいいたいのかよくわからない。闇では共感覚的なものが浸透する話だった。それこそ身体にダイレクト、直接にって感じだった。間接的な関係(視覚で距離をはかったり…)が活性化されるのはむしろ明るみの中では。⑤「距離の感覚がいっそう鋭敏」にといきなりおかしい。それではさらに明るくなり舞台の上にでもいるようだ。これも明るみでありそうなってはいけない。後半はあっている。典型的な部分で切る問題。よって正解は①。

問3 消去法でいくしかないだろう。正攻法で解けなくても気にする必要はないと思う。それに実はこの問題、問題文と数行の本文で解け、あまり本文の読解と関係がない。ようは本文を見なくても解ける。評論の日本語能力をみる悪問とみた。この文は大したことをなにも述べていない。Bの周辺を難しい言葉で書き換えただけだ。
まず③は明らかに違う。〈視覚以外は退化したんです〉なんてどこにも書いてない。①も明らかに変だ。視覚は身体であり、一線を画するわけがなかろう。さらにそれを身体に吸収するという後半も謎の文である。⑤は不明文だ。まず「特権」が胡散臭い。視覚は確かに優位だ。私たちの日常生活の中心を占めている。だが特権があるわけではない。間違いを切るポイントは「自発的に享受」だ。全くの謎である。自分で視覚をどう優先するんだろう。のこるは②と④だ。ただし④は「独占」がおかしい。これではほかの五感がうまく働かなくなり人間ではなくなるではないか。よって正解は②。

問4 ①神社の距離には触れているのでキープする。②「信仰を求める心が優しく包み込まれている」という日本人の心を話している論ではない。③時間をかけて進みがOK。聖なるものに近づく高揚感も書いてあった。④「自然と人間精神の調和」については述べられていない。⑤正殿の鏡のように、極端に言えばそこに何もなくとも、無でも、時間をかけてそこへ近づくことが深遠な奥と聖を感じさせるという話だった。「向き合い」「プロセスを再認識」という有の創造ではない。そこで①も改めて見ると「距離の長さ」は重要ではないことがわかり最後に切る。よって正解は③。

問5 ①「空間的にも時間的にも到達しがたい奥」は文中に書いてある。「心理的な距離と時間」これも「心理的な意味もある」と文中にある。②違う。完全な誤り。時間空間では測定できないということだった。③「数量に還元」「対象」「取替え可能」が計測可能の意味をなすから誤り。④「同じ対象をめざして一体感」がよくわからない。が、その前に対象をめざすのではない。奥は対象ではなく漠然とした深いものと書いてある。⑤あくまで深遠ではかりがたいから奥は神秘的という論である。「闇につつまれて」「神秘的な儀式が行われ」「人知を超えた」はないし、明らかな言いすぎだろう。正解は①。

問6A ①途中まで正解に見えるが、妥当ではない。これらは批判のために出された例だ。②「近代建築の技術的進歩を評価」などしている話ではない。③「闇の追放」「空間の均質化」が合っている。④これも途中まで正解に見えるが、「証明」で切ろう。これはただの例で使われた。証明なんてどこにもなかった。正解は③
B ①彼の文章で違いが明確にわかるだろうか。彼は昼の明るい空間に対し夜の闇を際立たせるために登場したはず。②反対だ。辞書の説明により奥の論は鋭さを増した。③対立ではなく2つは同じだった。④「自説の説得力を高める」「先駆的な論」が合っている。本文「奥について最初のまとまった論稿を発表した」とあり、その後自説は強まっている。正解④。

第2問 小説の問題は正しい答えはない。あくまで出題者がどう読んだかだである。そこで、たかだか3~4ページの引用で、全体の内容がころころ変わることはないからまず全体をつかんで、それを問う最後の問題をやる。そして後ろから順に解いていけばいい。この文章も部分にこだわらず、全体を2~3回読み返すと一つの核が見えてくる。これは千代子への恋でも、母と叔母と僕との心理戦でも、高木に対する戦いでもない。《「僕」は高木の登場にびびり、振る舞いに翻ろうされ、嫉妬し、感情が自分でもよくわかっていない。口をきかずに、ほかも周りをひたすら気にしているだけ。》こういうお話だ。そういう核となるイメージを焼き付けよう。流れをみつけよう。あとは、「その流れから外れないように」選択肢を選ぶのみだ。
今回はラストが表現問題なので、実質内容把握問題の問5から。

問5 ①前半は父が死んで母が許婚を決めていたという本文以前の文から、この母の気持ちは推察できる。後半は、「可能性が消えないまま」「どっちつかず」「いらだち」が流れにとても合っている。②叔母が配慮したということは大きく書かれていない。後半は、「千代子の相手として自分に見込みがある」と自信を持った話ではなかった。③母がそんなこと考えているだろうか。後半、これも千代子から見て、高木か自分かの戦いという話ではなかった。「僕」はこの状況がいやで、気になって自分でよくわかっていない、中途半端に終わったという流れだった。④母が察したとか叔母が乗じたとかいう縁談の心理戦ではなかった。後半は、母が自分と比較したかどうかなんてわからない。⑤前半は意味不明、「明かさなかったため、~喜んだが」が不自然。後半は、母を欺き自分を責める話ではなかった。

問4 ①千代子から比較されたということは、どこにもない。本人が思い込んでいるだけだ。(それを本人も内心理解していたのでは)。それが結びついたというのもよくわからない。②「自己認識を超えるような嫉妬心」がとてもよい。本人はよくわかっていないと先ほど私が書いた流れにも合う。「恋人と思っていない千代子を介した」もよい。自分の人格についての申し訳なさは道徳性であり、卑しめる気がする気持ちと同じである。③そんなこと考え始めていない。彼女と恋愛するためにこの気持ちを消し去るという話ではなかった。④初めの文はよい。「千代子を恋人として扱う高木」が明らかにおかしい。文中では判断不能な文。これで切るべきだ。部分で切る問題。⑤なにか怪しい香りがする。「羞恥」は違うだろう。自制心を失うほどおそろしいものだろうか。「本来は嫉妬心が起こるはずはない」も変だ。嫉妬心について文中では「知らずにすんだかもしれない」としか書いてないし、「自分でもよく解らない」とはっきり書いてある。

問3 前を読もう。〈美しい女性を「所有」してみたいと思うが、変化を考えると酔いが去ってぞっとする〉というこれにつきる。また後には、老人か坊主に変わったみたいだと書いてある。冷静に考えてしまって、冷めるということだ。①問題ない文に見えるのでキープしておく。②表面的なものというのは合っていそうだが、「惑わされることはない」が明らかにおかしい。女を「所有」してみたくなるといい、「酒」にもたとえている男だ。思いっきり惑わされている。③「感情を抑制」がすでに怪しい。その後は、また完璧な反対。むしろそれがあるからこそ、魅力や美しさが気になり、冷めてしまう。④不愉快じゃない!所有してみたいと書いてある。これで十分だが、後半のストイックな話も、文中ではここまで判断できない。⑤「美しい女性→時の経過→変化」「冷めてしまい」が完璧合っている。ただ「対象に熱中できない」がモノ扱いしているみたいで変だ。しかし、本文で美を見て所有したいとか酒に棄てられたとか書いてあるから、彼は対象的に女性を見ている。よって合っている。結果①と⑤にしぼり、①をよく見ると最後がおかしい。「どう女性に対したらよいかわからない」ということは書いていなかった。正解は⑤

問2 傍線部周辺で解けるが、全体の流れを生かしても解ける。主人公はひたすら黙っていて、高木の姿に翻ろうされていた。また全体をみると、高木はこの力により誰も不快にさせていない。というより好青年に描かれている。主人公があれこれ一人で考えているのだった。そして、彼のことを交際場で育ったような人だと思っている。①親しげに人の名を呼ぶからどうこうという話ではない。②2つ目の読点まで、全く問題ない。「不快」かどうかを検討したいからキープ③態度はおしつけがましくない。だから「僕」は妬んでいる。いい人で交際が上手い青年に描かれていた。④何も脅かしてはこない。むしろ自然な態度だろう。また「完全無欠な態度により居場所を脅かす」という日本語が胡散臭い。⑤「作為的な振る舞い」が違う。こういった態度をとらないから高木は素晴らしいと思われていた。よって不快かを検討せずとも、正解は②。

問1 語いは省略します。

問6 正解は②④。この問題は解説できる自信がありません。わかる部分のみ書きます。①は心情の描写ばかりだから誤り。③混乱したまま今も続いているなんてわからないから誤り。⑥はこれらの擬人法の表現とやらがちっともわかりやすくないから誤り。これ以上は、自分の力では書けません。どうかご了承ください。

土産物

2008-01-20 11:12:06 | 日記
最近、何かと土産物をもらうことが多いです。今日は同僚の方からタイの石けんをいただきました。どうやって食べるのだろうとつかんだらやけに硬いと思い、英語を見てやっと気づきました。

◆チェコアニメ
先週シネモンドで鑑賞した。2回分見たが、去年の方が面白かったかな。ただ心が落ち着くのは相変わらずだった。それにアニメが空想をそのままこの世に持ち込むかのように、不思議な世界を垣間見せてくれる。独特の世界がある。とにかく美術がかわいく、絵本を読んでいるかのようだ。
アメリカ映画が如何に偏っているかがわかる。「始めと終りがしっかりしている。ストーリーがはっきりしている。いつか努力が報われる。」という設定がない。あいまいさがある。アニメに刺激や意味を求めすぎる姿勢は偏っているのかもしれない。

◆センター試験
本日ありましたね。現代文だけは早速、帰って来て解きました。
語い関係を除いても、3問間違えてしまった。一年ぶりに客観問題を解いてしかも仕事帰りでこれならまあまあだろうと思うことにした。細かい引っ掛けを素通りして納得する癖は治っていなかった。
やはり変な問題だ。健全な青少年をこんないかがわしい問題でだますとは。とくに一文が長い、あの病的な日本文は、よくないだろう。小論でも、社会でも一番悪いとされる文章を設問に出すなんて。そもそも年に一つの試験と追試験だけを作り、解答だけ出して、ロクに解説もしない機関になぜあんなに人がいるんだ。委員会制度にでもして、あの機関は真っ先につぶすべきだ。

【たーげ】
12 このブログを書く。新聞整理。国際ホテルで家族と昼食した。高台からの景色がいい。一面ガラスなのもいい。チェコアニメの鑑賞。
13 朝、久しぶりの雪。仕事。夜はネット。
14 仕事。今日は氷点下。金沢では珍しく、ゆっくり落ちてきたり舞ったりする、美しい雪。ドラマ「王様のレストラン」を見た。
15 仕事。みんなのうたで始まった「ふろしきマン」…あまりカッコよくない…そのくせに歌が長いなあ。youtubeで「貴乃花の軌跡」を見た。
16 胃腸の調子がよくないから寝ていた。ひたすら放送大学。金沢散弾自殺、仏軍湾岸常駐へ、スリランカのバスでテロ26人死、ワンセグが携帯の過半数突破。
17 仕事。大寒波到来で今度は朝から寒気。金八先生13話見て感想書く。旭川-22℃、石川積雪、NHKインサイダー、日本株離れ、薬害折り込み、卓球・愛ちゃん対四元。
18 仕事。今日はさらなる大寒波。報ステの韓国の漁業とゴーストフィッシングの特集がよかった。ただのゴミ問題から地球上の水産資源を脅かす射程をもつよい論だ。表面上のしっかりした取材から深部まで突っ込んでいく、ジャーナリズムの原点だ。
ところで、なんとこんな日にも、金八の荒川の撮影があったそうだ。みなみは「呼吸するたび肺が痛い」寒さを、みーちゃんは「耳がもげるほどの寒さ」を味わったらしい。
シベリアで永久凍土の溶解、福田施政方針、北陸電力電力使用が昨日1日過去最大、42歳女が女児切りつけ。
19 仕事。センター1日目。ほかのニュースがない日。帰って問題を解いてみる。

添削

2008-01-12 13:39:41 | 日記
放送大学の添削が返ってきた。そして生まれて初めて、論述が誉められた。これは本当だ。確かに添削というものは、基本どんなにうまくても誉めてはいけない。いかに、欠点と改善点を指摘し、指導してあげるかだから。だからこそ、素晴らしいなどと、生まれて初めて書かれていて、率直に嬉しかった。そしてこれからも添削に耐えて行く力をもらえる。

添削は辛い。毎回のように「何をいってるかわからない」、「そんなことは聞いたこともありません」とか書かれる。自分の文章ではなく自分の世界を真っ向から否定してくるように聞こえてしまい、辛い。たまにキレる若者の気持ちがわかるくらい悔しいこともある。だが、鈴木邦男の本によれば、それではダメなのだ。たとえ、自分の全存在が否定されようとも、立ち向かい、書き直せという。それが、人様に文章を読んでもらうことの責任であり、ひいては言論を偉そうに「みんな」に為す者の義務なのだ。誰だって、自分の言うことを人に聞いてもらいたいのである。日本語と難しい言葉を教わった人だけが、偉そうな言葉をしゃべることができるなんて道理は立つわけなかろう。あえて、言葉で攻めたり、創ったりする者には、相応の責任があるに決まっている。

【たーげ】
6 放送大学、小論する。
7 仕事。仕事始めは精神的には楽だが、新企画やら新体制などで面倒もある。今日も友達から手紙が来た。年賀状以外の手紙ばかり来る。今日が金八の初ロケだったようだ。九州で工事の横穴、韓国倉庫火災。
8 仕事。いろいろな人から電話があった。人からの意見は受け止めることが大事だが、このことはわかっていても難しい。だからせめて、受け止め方を変えるよう促すことが重要だ。うるさい人も寂しいんだなあと思うか、怒る人もいやなことがあったのだなあと思うか、暗い人も辛いことがあったのだなあと思うかでだいぶ世界は変わってくる。朝青龍の稽古。
9 朝は片付け、昼は官公庁で資料集め。放送大学の科目登録申請書類が来た。去年はこれを捨ててひどい目にあった。しかしこの時期に4月からの時間割を決めろというのは、理不尽とは言わないがやはりおかしい気がする。
日本の論点をこの時期にやっと買った。セカンドライフまで入っていたのには驚き。ついに時代はここまで来たか。草思社つぶれる。
10 ドラマの日なのに、仕事からなかなか帰れなかった。ドラマを見て感想を書いてねる。ボクシング長谷川の防衛、松下社名変更、古紙持ち去り有罪、携帯1億台に。
11 文章練習していると、仕事で書く文章も、前よりはうまくなってきている。私の方法は、とにかく下書きを書き始めることなのだが、それがうまくいっている。新テロ法、GW営業停止、高原レッズ、広辞苑、吾妻山男生還。ニュース多い日。

【れーぜん】
日本の論点2008(文芸春秋)精神分析入門(放送大学)相原博之「キャラ化するニッポン」(講談社現代新書)

隣のおじいさん

2008-01-12 12:36:02 | オピニオン
昔話でこういう設定がよくある。正直もので優しいおじいさんが、動物を助けるなどの善行をすると、素晴らしい恩返しが得られる。そこで、隣にいるおじいさんが登場し、「しめしめ」とか言って、完璧利益目的で、似たようなことをする。だが、そうしても必ず、うまくいかないか、罪悪が下るか、変なことに話しが変わり苦痛が待つかとなる。これ系の話だ。

つまるところ、この話の一番教訓は、じじいが悪い人とかいうことより、見返りのみを求める行為と深く悪巧みして企む行為の戒めだろう。

そこで不思議なことだが、人は少年時代は非常にヒーローや主人公を愛しているのに、大人になればなるほど隣のおじいさんにとても接近している自分に気づく。その原因は「夢をなくした」「純粋じゃなくなった」などというよりかは、世を深く知り、愛するようになってしましたということだろう。子どもは想像世界の目的を果たすために、世の見返りを求めない。また主義主張が明確だから、主張のすべてに全力をかけ、さんざん企んで少しの利益を(株式の分散投資のように)求めようともしない。だから主人公のマネばかりして隣の人には見向きもしないのだ。

ところが社会人になると、見返りのみで成り立つ社会に染まる。そしてこれが人類の進歩とやらの結末だということがわかる。また、この世の諸事に惑わされ、保身と小さな利益ばかり求めて奔走しなければならない。大人に近づくたびに、肌で感じるように、隣のじいさんの気持ちがわかってくるのである。
そして、なぜ、そういうキャラを話しに入れるかもしみじみと深くわかってくるものだ。アニメの脇役や主人公の仲間でありながら、人間的で胡散臭いキャラもまた然りである。昔はバカにして見捨てていたが、「ああ、『社会』のこういう所を代表させたかったんだな」と思えるのだ。昔のアニメを見返すと、主人公並にに今では好きになったキャラもいる。

だが、私が今日ここで言いたいのは、だんだん人は悪に染まり塵に帰るという話しではない。世の悪を知るほど、不思議なことが起こるのだ。隣のじじいの気持ちが心底わかるほど、ヒーローの偉大さがわかるのである。彼も子どもではなく爺だ。動物を助けるより、したいこともたくさんあったろう。そして、実は途中でばかばかしく思ったかもしれない。が、見返りを気にせず、企まず、実行した。これは古今東西、「正しい」と言われている。悪の自由のなか、「そうであるように」行うことだ。そこに罪はないのである。

物語でなく、現実の、スターやヒーローがいる。これも全く同じ構造として読んでみてはどうだろうか。子どもの頃は誰しもスター選手のマネをする、そして喜んでいる。が、大人になるほど、妬む、ケチをつける、議論の対象にする。選手の素顔を真似ない。行いではなく、型を真似て利益を引き出そうとする。功名心や名誉心の見返りとして、彼に近づく。一方子どもはそんなことはしない。

最後に、ニーチェが触れていることで、私の持ち論だが、素晴らしいスターは純粋にスターであることを欲していて、そこに企みがない。スターに値するよう自らを奮い立たせる。金持ちが資産や施策に誇り(金ではなく目に見えないもの)を求めるように。美女と結ばれた人が、彼女の美を純粋に喜び、対象として美女を意識しないように。主人公のおじいさんと同じなのだ。一方妬む人は誰しもが隣のおじいさんになるのである。それは、繰り返しているが、自分を喜ばしたい見返りと曲がった企みである。