「リキュール(発泡性)①」って書いてあります。ビールではありませんよ!って。
酒の種類は限りなく多いですが酒税法では
①発泡性酒類 (ビール・発泡酒・その他)
②醸造酒類 (清酒・果実酒・その他)
③蒸留酒類 (焼酎・ウィスキー・ブランデーなど)
④混成酒類 (合成清酒・みりん・リキュールなど) に4分類され18種類とあります。
そしてビールなど①発泡性酒類の酒税法上の税金は
a/ビール 220,000円/1kl=110円/500ml=77円/350ml
b/発泡酒(麦芽比率50%以上) 220,000円/1kl=110円/500ml=77円/350ml
c/発泡酒(麦芽比率25~50%未満)178,125円/1kl= 89円/500ml=62円/350ml
d/発泡酒(麦芽比率25%未満) 134,250円/1kl= 67円/500ml=47円/350ml
e/その他の発泡性酒類 80,000円/1kl= 40円/500ml=28円/350ml
ビール会社は一番税金の安い e/その他発泡性酒類 にチャンスを見つけたのです。
①発泡性酒類の基本税率は220,000円/1㎘ (キロリットル)ですが、原料を麦芽以外(大豆、エンドウ、コーンのたんぱくなど)にしたものはその他醸造酒に、また従来の発泡酒に麦由来のスピリッツ(蒸溜酒)を混ぜたものはリキュール=混成酒 とされて e/その他発泡性酒類 の特別税率80,000円/1㎘が適用されるというのです。
これが新ジャンル「第3のビール」と言われ「リキュール(発泡性)①」または「その他醸造酒(発泡性)①」とカンに書かれてる安さの正体です。350㎖(ミリリットル)缶で酒税が20~50円違うんですから・・・ (酎ハイもここ80,000円/kl。清酒は110,000円/kl、ウィスキー21度未満は200,000円/kl、1度上がる毎に+10,000円)
第3のビールも大豆たんぱく使った「キリンのどごし」、エンドウたんぱく使った「サッポロドラフトワン」などその他醸造酒系は少なくなってきて、スピリッツ (蒸留酒)を混ぜた今主流のリキュール系は第4のビールとも言われて各社とも新製品ラッシュの人気です。
第2のビール=発泡酒が出たときは安さにビックリしましたが、この紛らわしさはビールの味と低税率の限りない追求、いわばビールメーカーの努力の結果なのでしょう。
サントリーのHP、金麦には「二条大麦の中から当社の基準で厳選した「旨味麦芽」を全麦芽の50%以上使用。麦芽使用比率25%以上50%未満」と書いてありますが、発泡酒に小麦スピリッツを混ぜたものですとはどこにも書いてありません。味がマズければ別ですが金麦、物足りないほどスッキリしてて好きです。
私のわかりやすい「リキュール(発泡性)①」の理解は、発泡酒にウィスキー(追・誤り/ウィスキーではなくスピリッツ=ウォッカ、ジン、ウィスキーなどの蒸留酒・・でした)を混ぜたもの (「その他醸造酒(発泡性)①」の理解は、原料に麦芽を使わずに大豆やエンドウのたんぱく使ったもの) となります。
混ぜ物さえすればリキュール(発泡性)の安い税になるんでしたら、麦芽使用50%以上にした「スーパー金麦」出して欲しいものです。
「リキュール(発泡性)②」があるのかは・・・わかりません。
最近のニュースで、 サッポロビールが第3のビール「極ZERO(ゴクゼロ)」で追加納税した税金115億円を返せと国税当局に求めたとありました。がんばれ!サッポロです。
有害なタバコはともかく、楽しい食事に無くてならない晩酌のビールに酒税かけたうえ消費税導入で二重課税が5%、8%、10%と増えてきたうえ、更にまた発泡酒と第3第4のビールを増税ターゲットにしているというではありませんか。二重に税金かけた上にさらに税率を上げるなんて江戸の世なら一揆です。
『21世紀の資本』で富の再分配を説くかのトマ・ピケティ教授は、「r>g」資本収益率(r)は経済成長率(g)より大きい。富を生み出す力は働いて得られる所得よりも株や不動産などの資本のほうが大きくてそれが格差拡大につながっていると言っております。言い換えれば裕福な人(資産を持っている人)はより裕福になり、労働でしか富を得られない人は相対的にいつまでも裕福になれない・・と。 税収不足に悩む財務省はビール増税よりも、土地建物の不動産収入や株・債券の利子・配当、資産運用、利潤で大きな富を得ている人達にもっともっと負担させるべき、と思うのは教授と私ばかりではないでしょう。富は偏り過ぎです。
平成10年に出た発泡酒「麒麟淡麗」は大ヒット。ビールであるためには①麦芽比率が50%以上、かつ②副原料(麦、米、トウモロコシなど)が麦芽の5%以内が条件。この比率を外れたり、不許可の原料を使うとビールではなくなり発泡酒、またはその他になってしまい、税金が安くなり値段も下がったのがヒットの原因でした。
「麦芽の比率を下げる」「原料を麦芽と副原料以外に」「発泡酒に別のアルコールを混ぜる」などという「裏技」で新しい味を生み出して国税庁に挑戦してきたビール会社に敬意を表します。
追加 令3.1.6)
令和2年10月1日から令和5年9月30日までの間の税率が変わって「新ジャンル」は 80,000円/1kl → 108,000円/1kl に税額がアップ。 「ビール」は220,000円/1kl → 200,000円/1kl にダウンとなる。
その結果「新ジャンル」=リキュール(発泡性)①と その他醸造酒(発泡性)① は 108,000円/1kl=54円/500ml=37.8円/350mlとなり500ml缶は14円、350ml缶は約10円の税金値上げとなった。
素人が書いたもの、あちこち正しくないところがあったら御容赦。
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