和納 真宗大谷派香岳山福成寺
去年の10月に旅立った母親の新盆。お寺から盆参の案内があり家族で出かけてきた。すでに本堂いっぱいに100人近い門徒が。お経、御文のあと1時間ほどの法話を聞きお斎をいただいて来た。
家族の死は誰もが初めて経験し通る道。そしてその儀式は信仰する宗教宗派でさまざまに相違する。法話の講師は巻、三条の高校で教鞭をとったという佐渡出身の村山さん。
氏は世界の宗教、哲学、思想、社会学を扱う倫理社会を教えて定年し、自分が一番理解共感できる宗教として浄土真宗を選び得度、仏門に入ったという。さとりを得るために肉食妻帯を禁じる既存仏教と決別した親鸞の教えが、教員だった氏に説得力ある合格点だったのだろう。今ではどの宗派の僧侶でも肉食妻帯は生きていくためには当たり前のことだが肉食を禁じ、生き物を殺す「殺生」を禁じることは食物連鎖の頂点に立つ人間が生きていく矛盾に気づかないということ。オスとメスで子孫を残す生き物の世界。女人禁制は今では相撲の土俵上だけとも言われた。滝に打たれたり火の上を歩くなどの荒行苦行しなくても真宗の「行」はナミアムダブツと唱えるだけ。
お寺からの案内にあった。「お盆の習わしに、送り火や迎え火、精霊棚などがありますが、浄土真宗では行っていません。お盆にご先祖様の霊が帰るとは考えていません。先祖供養といっても霊をお迎えするのではなく、先達、諸仏への報恩感謝の行事です。 ご先祖様はお盆だけでなく常に、私たちに真の寿(いのち)に目覚めよと極楽浄土から御仏と共に願っておられるのです。・・・」
お盆に帰って来ないんだって。眼からウロコ、浄土真宗が好きになった盆参の講話だった。
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