槍ヶ岳~奥穂高縦走 1日目(9/11)

2005年09月19日 | mountains
前日から沢渡に潜み、夜明けと同時に行動し始めた。
あいにくの天気である。
5:30の上高地行きの始発バスに乗るためにザックを整理していると、
「バスの料金でいいからタクシー使って。」
とタクシー運転手のおっちゃんが声をかけてきた。
観光客のおばちゃん2名と相乗りして上高地バスターミナルへ。(しかしこの観光客2名はこんな朝早くからなにが目的なんだろう?)

今回も単独行であるので(単独行じゃなくても)上高地で登山届けを記入、今回は『大キレット』を通るので山岳保険に入り、軽い準備運動をしてから出発(6:20)。
明神、徳沢、横尾と梓川沿いに登っ・・・・・・だらだらと歩いて行く。
途中、膝が悪いから今日は槍沢までという男性や名古屋から単独行で北穂を目指す女性などと話をしながら歩いている時期もあったが、それぞれ目的地が違うため、基本的には曇り空で景色は悪く退屈なハイキングだった。
(9:45)横尾を出発してからしばらく歩いていると右膝がピキっと音をたてる感じがして急に痛くなってきた。
「しまったぁ、なだらか斜面過ぎてペースが上がってしまったのかも。」
以前から膝が悪くて登り始めから数時間はコースタイムより1.5倍の時間をかけて登っていたが、今日に限ってはほぼコースタイムどおり(休憩時間を除く)。
「今から本当の登山が始まるのに・・・」
今からペースを落としても遅いと思ったがゆっくり歩いた。
(10:55)槍沢ロッジ着。
ザックの重さを少しでも軽くしておきたかったのでここで昼食。
今日の天気ならそんなに水分を取らなくてもいいだろうと余分な水を捨てた。
(11:15)槍沢ロッジ出発。
ババ平に来る頃には雨が激しくなってきた。
「今回は槍ヶ岳だけで引き返そう・・・」
前穂高までの縦走も気分が萎えてしまって、弱気になってしまった。
今日中に槍ヶ岳山荘に行っておきたかったが無理なのが自分でもわかる。しかし、槍沢ロッジから次の山小屋までの距離が長い。ヒュッテ大槍か殺生ヒュッテまでは行かなければ。
雨は止む気配もなくあたりに音をたてて降っていた。登山道は川になり少ない土砂が流れ始めていた。
先行している人は見えても、自分より後続の人は全く見当たらない。
膝の痛みもさることながら心細くなって早く山小屋に到着したかった。高度計は2200mを示している。山小屋まではまだまだ時間がかかりそうだ。目標となる槍ヶ岳も見えず、山小屋も見えず、あと何時間登ればいいのか見当もつかなかった(おいらの弱さだねぇ)。
ある地点を過ぎると急にガレ場に出て、斜面が穏やかになった。ふと上を見るとオレンジ色の山小屋が目に飛び込んできた。
「やった!山小屋だ!!」
見えてからが長かったが、なんとか殺生ヒュッテに辿り着いた(15:20)。
玄関で今から槍ヶ岳山荘に行く人がけっこういたが、おいらにはそんな気力は無く、とにかく今日これ以上膝を痛めたら下山すら出来なくなると思い、ここで泊まることにした。
雨でビチャビチャになった合羽やザックカバー、スパッツを干し、乾燥室で汗で濡れた衣類を干し、一段落ついてから、ストーブにあたって冷えた身体を温めた。
膝は相変わらず痛かったので明日の具合しだいでは下山を迫られたが、その予定は流動的だった。
16:30になり夕食の時間が迫ってきた頃、なだれ込むように次々と宿泊の登山者が7人ほどやってきた。
皆さん上高地からやってきたらしい。
本来、上高地から来るとこの時間になるのが普通のようだ。
知らない人達とビールで乾杯し、夕食をたらふく食べたら眠たくなってしまって寝てしまった。

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