DALAB情報発信用ブログ:OpenCAE+GPGPU+Peridynamics編

DALABで行っている研究活動の中で、OpenCAEやGPGPUや破壊解析の取り組みについてまとめてゆきます。

OpenFOAM-2.0.0をDEXCSに導入する:バイナリインストール(2)

2011年06月27日 21時01分06秒 | DEXCS情報
ここではインストールした OpenFOAM-2.0.0 を、コマンドラインで利用するための設定を進めます。DEXCS2010 for OpenFOAM では、OpenFOAM-1.7.x をコマンドラインで利用するために、ランチャーから専用端末が起動できます。ランチャーの「ツール」→「端末(OF-1.7.x)」にあります。

以下の設定では、上記とは別に通常の端末を起動したときに、OpenFOAM-2.0.0 を利用するための設定です。使い慣れたエディタで、ホームにある .bashrc に設定を追加します。よく分からない場合は、以下のようにコマンドを実行してください。
$ gedit ~/.bashrc

最下行まで移動して、以下の記述を追加してください。これは、OpenFOAM-2.0.0 を利用するための環境変数の設定などを行います。追加したら、保存して終了です。端末を閉じて、再び起動しておきます。
source /opt/openfoam200/etc/bashrc

なおこの設定によって追加された OpenFOAM-2.0.0 関連の設定を確認するには、以下のコマンドを実行すると確認できます。
$ printenv | grep FOAM

以上の準備が正しくできたか確認するために、以下のコマンドを実行します。Usage としてオプションなどの説明が表示されますが、最後の Build に 2.0.0 とあるのを確認したら成功です。
$ icoFoam -help

次に、チュートリアル実行の準備をします。先の環境変数が設定された端末において、以下のコマンドを実行します。この $FOAM_RUN は利用者とバージョンを特定する文字列として、/home/dexcs/OpenFOAM/dexcs-2.0.0/run となっています。
$ mkdir -p $FOAM_RUN

なお、DEXCS では dexcs ユーザーの OpenFOAM は、~/OpenFOAM へインストールするので、この中に dexcs-2.0.0/run を作ることになります。ここでチュートリアルのファイルをコピーするために、以下のコマンドを実行します。
$ cp -r $FOAM_TUTORIALS $FOAM_RUN

しばらく待ってコピーが終わります。ちなみに $FOAM_TUTORIALS は、/opt/openfoam200/tutorials を示しています。動作確認をするために、最初の例題のディレクトリに移動します。
$ cd $FOAM_RUN/tutorials/incompressible/icoFoam/cavity

後は、以下のコマンドを順に実行してください。最後に ParaViewで解析結果が確認できたら、インストール成功です。
blockMesh → icoFoam → paraFoam

OpenFOAM-2.0.0をDEXCSに導入する:バイナリインストール(1)

2011年06月27日 03時37分21秒 | DEXCS情報
6月の16日に、OpenFOAM2.0.0がリリースされ、色々な新しい機能もあるということで話題になっています。自分はDEM(個別要素法)解析に興味があり、早速試してみようと思います。ここでは、DEXCS2010 for OpenFOAMをベースに用いて、インストールを試してみます。

ここで用いる DEXCS2010 for OpenFOAMの仕様は、Ubuntu 10.04LTS (64bit) と OpenFOAM 1.7 です。この環境では、Ubuntu 用のバイナリインストールが簡単にできるようです。以下のサイトに説明があり、この記事はそれを試した結果を和文解説したものです。
http://www.openfoam.com/download/ubuntu.php

インストールできるバージョンは、Ubuntu の 10.04LTS と 10.10 です。DEXCS2010 は上記のとおり大丈夫です。もし調べたいときは、「システム」→「システム管理」→「システム・モニタ」の「システム」タブを見ると分かります。なお、11.04 でも若干の違いで動作するようです。

インストールはコマンドラインで行うので、「アプリケーション」→「アクセサリ」→「端末」で起動します。まず使っている Ubuntu のバージョンを確認するために、以下のコマンドを端末で実行します。
$ VERS=`lsb_release -cs`

この結果を用いて、ダウンロードするサイトをシステムに登録します。このとき sudo を使うので、ログインしたパスワードを入力する必要があります。
$ sudo sh -c "echo deb http://www.openfoam.com/download/ubuntu $VERS main >> /etc/apt/sources.list"

ダウンロードで用いる apt-get のソフトウエアリストを更新するために、以下のコマンドを実行します。これも sudo を用いますが、先にパスワードを入力していれば、それが有効になります。パッケージリストを読み込みます。
$ sudo apt-get update

この update ではネットワークが必要ですので、確認してください。またアップデート・マネージャが起動する場合がありますが、この時点では「閉じる」で止めておきます。あとで「システム」→「システム管理」から再度アップデートすることができます。

では、OpenFOAM2.0.0をインストールします。以下のコマンドで自動的にインストールが進みます。続行するかなどの確認では y で進めてください。ネットワークで必要なパッケージをダウンロードしてゆきます。しばらく待ちます。なお 200 は、バージョン 2.0.0 を意味しています。
$ sudo apt-get install openfoam200

全てを正しくダウンロードできずに失敗した時は、上記の update install のコマンドを再度実行してみます。それでもだめなら、ネットワークの状態を確認してください。自分の場合は無線LANの問題があり、有線LANにしてみました。バイナリインストールでも少し待ちます。

インストールが成功すると、自分の ~/.bashrc に以下の記述を追加するように指示されます。これは、後から環境設定でまとめて行うことにします。
. /opt/openfoam200/etc/bashrc

次に ParaView をインストールします。以下のコマンドで自動的にインストールが進みます。続行するかなどの確認では y で進めてください。ネットワークで必要なパッケージをダウンロードしてゆきます。しばらく待ちます。なお 3101 は、バージョン 3.10.1 を意味しています。
$ sudo apt-get install paraviewopenfoam3101

以上の手順で、OpenFOAM-2.0.0 が /opt/openfoam200、Paraview-3.10.1 が /opt/paraviewopenfoam3101 にインストールされました。