濁泥水の岡目八目

中国史、世界史、政治風刺その他イラストと音楽

「ちゃん」の世界と「先生」の世界

2023-11-02 14:14:29 | エッセイ


  私が東京農業大学農学部林学科で林政学研究室の副手として置いていただいた時に、驚いたことがあった。それは大学のテストで私も女性教師の手伝いとして答案用紙を配ったり試験を見守ったりしていたのだが、その女性教師が私のことを「先生」と呼んだのだ。たしかに彼女とは初対面ではあったのだが、こんな俺が先生かよ!と呆れてしまった。学者や教師の世界ではたとえ若くてその世界の末端にいても初対面ならそう呼ぶのが決まりなのだろう。武士に似ている。武士は同じ武士にたいして「貴公」とか「御同役」とか必ず敬称を欠かさない。

 それに引き換え親しくなれば大人同士でも「ちゃん」で呼び合うのが庶民である。典型的なのがヤクザだろう。仁義なき戦いシリーズでも厳ついおっさん同士が「昌ちゃん」とか「明ちゃん」とか呼び合っている。それどころかあだ名までつける。ボンノ、クンタン、デンボなどであり「ミィちゃん」と呼ばれたりもする。皆れっきとした大物ヤクザである。建前を重んじる世界と本音が剥き出しの世界の違いなのだろう。

 その中間が政治家である。いつもはもちろん「先生」なのだが、親しくなると大物同士でも「ちゃん」になるそうである。あらゆる世界と付き合わなければならないからだろう。


映画「ベッカムに恋して」の主人公はインドとカナダ対立の原因となった「シーク教徒」出身である

2023-10-26 14:33:00 | 歴史談話

 
 1857年のインド大反乱で、ヒンズーとイスラムは共に大英帝国と戦ったがシーク教徒は英国側に付いた。シーク教には牛肉や豚肉への禁忌がなく肉食は個人の意思によるものだったらしい。これにより戦争してきたシークへの英国の態度が変わり官吏や軍人として数多く採用されることになったという。ヒンズー弾圧にもイスラムの弾圧にも使えるから便利だったのだろう。英国の良くやる手口である。少数派を優遇して多数派を搾取し弾圧させるのである。
 


アメリカのユダヤ人は教育に力を入れ社会的成功を勝ち取ったが、欧州では教育が「自分の仲間と別れる」ことにもなった

2023-10-19 14:45:35 | 歴史談話

 アメリカにはジューイッシュマザーという言葉があるという。「教育ママ」と言う意味である。子供に勉強しろ、勉強しろと躾けるのだ。私はかつてバグジー・シーゲルについてこのブログで述べた際に、アイルランド系やイタリア系と異なりユダヤ系ギャングはユダヤ人社会が裕福になって消え失せたと述べたが、その理由は教育にあったと思う。ロシア帝国の苛烈な迫害からアメリカに逃れたユダヤ人(アシュケナージ)たちはおそらく貧しい農民や労働者が多く、自らは教育を受けられる機会も無かっただろう。しかし子供たちには必死に教育をさせたのだろう。国を持てなかったユダヤ人はいつ迫害されて住んでいた土地から追放されるか分からない。だから富を身に着けておく必要がある。金は貧しい人々には便利だが大金持ちには重すぎる。だから一粒で一財産となる宝石を身に着けたユダヤ人富豪がよくいたという。世界のダイヤモンド市場はユダヤ人が支配しているといわれる。だが宝石だって奪われるかもしれない。
 
 じゃあ決して奪われないものは何か。知識と技能である。そしてそれを教え込むのが教育である。ユダヤ人社会がアメリカで絶大な影響力を持つのも教育の力なのだと思う。

 


アンミカさんの御両親は、済州島虐殺が原因となって日本に逃れたのだと思う

2023-10-12 14:30:06 | 歴史談話


ヒトラーは「アメリカはフェアじゃないよ、人間は動物に勝てない!」と言ってジェシー・オーエンスの表彰式への出席を拒否したという

2023-10-05 14:33:28 | 歴史談話