【B】 徳川吉宗に登用された(d)大岡忠相は旗本出身だが、功績が認められて大名に出世した。
また徳川家治の時代の老中(e)田沼意次も、旗本から大名になった人物である。
このような例も稀にみられたが、江戸時代も中期を過ぎると、大多数の旗本・御家人は貧困に苦しむようになった。
これは幕府支配の根幹を揺るがしかねない問題であったため、(f)各種の救済措置が試みられたが、いずれも一時的なもので根本的な解決は困難であった。
問5 下線部(d)に関連して、大岡忠相が関与した政策について述べた文として誤っているものを、次の1~4のうちから一つ選べ。
1.幕府の成文法である『公事方御定書』の編纂に関わり、裁判や刑の基準を定めた。
2.江戸の消火制度を強化するために、町方による「いろは」47組の火消し組合を結成させた。
3.目安箱への投書を受けて、貧民を対象にする医療施設の小石川養生所を設置した。
4.江戸の町に流入した貧民に対し、資金を与えて農村に帰ることを奨励した。
[解説]4.は寛政の改革で発布された旧里帰農令。
問6 下線部(e)に関連して、田沼政治について述べた文として誤っているものを、次の1~4のうちから一つ選べ。
1.株仲間を広く公認して、運上や冥加など営業税の増収をめざした。
2.最上徳内らを蝦夷地に派遣して、蝦夷地の開発や対露交易の可能性を調査させた。
3.長崎貿易を制限する海舶互市新例を発して、金銀の流出を防止しようとした。
4.幕府の専売のもとに、銅座・真鍮座・朝鮮人参座などを設けた。
[解答]
正解 3
[解説] 3.は正徳の治の際の政策。
問7 下線部(f)に関連して、旗本・御家人を救済するために幕府が採用した政策として正しいものを、次の1~4のうちから一つ選べ。
1.定免法
2.七分積金
3.上知令
4.棄捐令
[解答]
正解 4
[解説]
棄捐令は旗本・御家人の債務を礼差に破棄・軽減させた政策。