中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

「鳥谷への代打」の功罪

2009-05-21 08:31:18 | Weblog
 前日のブログで、結果は見ない、って書いた。宣言通り、江草が松中に打たれたサヨナラ本塁打の映像は見なかった。しかし職業柄、野球が今現在行われているのに知らんぷり、も許されない。そう思い、ラジオをつけた。実況中継を聞きながら、パソコンで他球場の結果を確認、楽天・田中のマーくんの完封勝利に感心したりしていたのだ。「松中の打球がスタンドに飛び込んだぁ~!」。アナウンサーの声。やっぱり負けたか。思ったのはその程度だ。

 負けたことに関してはその程度だったが、あの八回表の真弓さい配には、いろんなことを感じた。読者の皆さんも賛否両論だと思う。個人的な感想を聞かれたとき、どう答えるかというと「功罪半ばするさい配」と曖昧に言うしかない。どこぞのスポーツ紙みたいに、バッサリ斬ることは簡単だが、ここには多くのものが含まれていると思うからだ。

 「罪」の方からいうと、今季3番で辛抱して使い続けてきた人間を“簡単に”外してしまったことだ。まだ40試合にも達していないのに、ここ数試合の結果のみで判断してしまった。しかも代打が、真っ直ぐに力負けする桧山。あの空振り三振は、素人のこのおっさん記者にもほぼ見えていた。鳥谷の今後のモチベーションを考えた場合、あそこは打たせて結果を求める選択肢の方がよかった。真弓監督自身が打席に入る前に呼び寄せ「何とかしてこい!」と檄を飛ばす。その方が、鳥谷にとっては代打を送られるより“厳しい処置”だったと思う。

 「功」は、ここまでの頑固な起用法を変える端緒になる、ということか。3番・鳥谷、5番・新井を、真弓監督は目玉としてきたが、1つ決断したことで今後は柔軟に対応できるようになるだろう。これを「脱岡田」と言う方がいたが、その通り。これからは「真弓色」がどんどんでてくることが期待される。元々、真弓監督は“つなぎ”の指揮官。岡田政権下のいい部分は残しつつ、それ以外は真っ新にしていい監督なのである。見る側も、そんな観点を持って見てやるべきだろう。

 個人的には、いつ“聖域”に手をつけるかに注目している。それは、金本のフルイニング出場。世界記録を更新し続けているのだが、これに関してはあまり深い意味を感じない。金本のためにも、早く肩を叩いてほしいのだが…。真弓監督が今シーズン中にこれをすれば、大いに賞賛しよう。

 自宅待機もきょうまで。あすは京セラに行ってくる。オリックス相手に意地を見せられるか。しっかりマスクをして、行ってきますわ。