中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

「藤川」が戻ってきた!が…

2009-05-13 14:48:00 | Weblog
 強い風が吹き抜ける甲子園の外野を、背番号「22」が芝生の感触を確かめるようにランニングしている。10日の“リフレッシュ期間”を経て、きょう戻ってきたようだ。ようだ…というのは、実際まだ確かめていないからなのだが、多分この後、入れ替えが事務局から発表されるだろう。公には「右ヒジ痛」ということだったが、個人的にはそうは思っていない。
 
 リフレッシュさせる理由が必要だから、トレーナーと相談してそうしただけで、実際は大したことなかった(と勝手に解釈している)。実際、少しはモヤモヤというか、違和感のようなものはあったかもしれない。ただ、前日に150㌔の速球を投げていたのだ。右ヒジに違和感があったなら、登板を回避していないとおかしい。そんなこんなを総合すると、やっぱり“リフレッシュ休暇”というのが妥当なのだ。ここ数年の勤続疲労が、出番の激減と相まって出たのだろう。

 登板がないと、抑え投手の気力は持続されない。いつも緊張を強いられる職務だから、緊張しました、でも登板はありません、では何のために準備しているんだ、となる。4月の藤川はそんな状態だった。

 4月の中頃だったか、バックネット裏から打撃練習を見ていると、三塁側アルプススタンドの「階段登り」をする選手がいた。よく観察するとそれが藤川。最上段までシャドウピッチを繰り返しながら登り切った後、その場に座り込んでジッとグラウンドを見ていた。何を考えているんだろう…。彼の姿を見て「寂しいんやろか?」と思ったものだ。そんな姿に見えた。

 WBCから戻ってきて、不本意な毎日が続いている。今年、彼は何とかという著書を出しているのだが(「未熟者」だったっけ?)、このままではタイトル通りだと言われてしまう。今晩あたり、心の強い藤川が見たい。モヤモヤを一掃するような、そんな力強い球が見たい。屈託ある藤川などまっぴらごめん。みなさん、そうは思いませんか?ただ、そんな展開になるかどうかが問題だけど…。