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さなえのうた

歌いながらあちこちに出没します♪

練習。

2020-09-13 | オペラ研究
Sembra fatto in ver per me




~4度、6度、3度、5度~

2度進行はスザンナの歌い出しで練習したので、
今度はもっと跳躍してみます。

完全4度。
パッサッジョのすぐ上であるレから、
五線譜を飛び越えたソへ。


五線譜を飛び越えたソから、
下行してシヘ。
短6度。
ついでにシ♭に下行して、
長6度。


シからレに上行して、
短3度。
ついでにシ♭からレに上行して
長3度。


レからソへ下行して
完全5度。


…あら、ほとんど基本の跳躍が、
このフレーズには含まれています。




~スタッカート~

先ずはスタッカートで練習。

レッソッレッソッレッソッ…
百発百中、思った通りの音に当てます。
録音を取って、聞いて、
百発百中なことを確認します。

ダーツで言ったら、真ん中のど真ん中一点に、
全部の矢が刺さっている感じです。
針穴がいくつも開いてはいけませんし、
あちこちに開いてもいけません。

私は明るい声を目指したいので、
笑い声のような母音で練習します。

あっはっはっはっはっは。
いっひっひっひっひっひ。
うっふっふっふっふっふ。
えっへっへっへっへっへ。
おっほっほっほっほっほ。

母音が変わることによって、響きが変わらないように、
母音が変わることによって、音程が変わらないように。

上行した先の音が、潰れて金属のような音にならないように、
喉を開けて、豊かで響く音に。
下行した先の音が、暗くて重い音にならないように、
横隔膜で支えて、軽く明るく。

次はドからファへ、
次はシからミヘ…。

半音ずつ音を変えていくのが良いでしょう。



~レガート~

次はレガートで練習します。

レーソーレーソー。
あーあーあーあー。
サイレンのように。
スタッカートで当てた百発百中の音に、
録音を取って聴いて、
スタッカートとクオリティが同じことを確認します。

私は軽い声を目指したいので、
先ずはプレストから始めます。
レソレソレソレソ。
とにかく早く、《回します》。
16分音符のトレモロのように。

次は8分音符に、
次は4分音符に、
次は2分音符に…。

音価が長くなったからと言って、
クオリティが変わらないように。

母音が変わったからと言って、
クオリティが変わらないように。

音を半音ずつ変えて、同じように…。




~子音~

子音をつけてみます。

『s』のような摩擦音、
『b』のような破裂音、
『f』のような唇を使う子音、
『t』のような舌を使う子音、
……エトセトラえとせとら。


音のつけられる有声子音は、
上行する場合は先行する音で、
下行する場合は前の音で、
演奏します。

『mbr』は上行した先の音、
五線譜から飛び出たソで演奏!

『nv』は前のレの音で。

『m』は前のラの音で。



あれれ? やっぱり…

La Susanna mi sembra fatto in ver per tutte le cantanti!!




~歌のハノン~

ハノンというピアノの教本があります。
5本の指、左右合わせて10本の指の訓練のために
ハノンというフランスの作曲家が考案したものです。

一番退屈な練習とも言われますが、
ピアノを弾く限り、ずーっと手放さずに
繰り返し繰り返し、退屈な練習を繰り返すと思います。


コンコーネ、パノフカ…歌の練習用の教本もありますが、
単純な練習を、音階を変えて繰り返すような
ハノンのような有名なものはありません。

……最近は、合唱をやる人向けには、
単純な練習をいくつか紹介した教本も出ています。


自己流でエクササイズを考案しているか、
レッスン時に先生から教わったものを繰り返しているか、
…いきなり発声練習変わりに何か、歌っているかもしれません。


私はモーツァルトのハノンを。
楽しく、効率的に♪
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勝利宣言~sembra fatto in ver per me~

2020-09-11 | オペラ研究
~5から8へ~

ラ・シ・ド・レ・ミの5度圏内で
ウォームアップをしたら……

跳躍するメロディのお出ましです。

sembra fatto in ver per me
言葉は繰り返されています。
が、
ラからミまでの5度で構成されていたメロディが、
ソからソまでの8度、
つまり一気にオクターブへと、音域が広がります。




~2から4・6・3・5へ~

このメロディが出てくるまでは、2度進行が主のメロディでした。
が、急に2度進行は影を潜めます。

レからソへ、五線譜の上へと4度上行し、
ソからシへ、一気に6度も下行し、
シからレへ、3度上行し、
レからソへ、5度下行し、
最後だけ2度進行を用いてソ・ラ・ソと終止します。

象徴的に跳躍を多用したメロディです。




~構成音~

sembra fatto in ver per meの繰り返し部分は、
ソ・シ・レ・ソおよびラで構成されています。

最後のソラソは、落ち着くための音でしょう。
一拍ずつですが、Ⅰ→Ⅴ→Ⅰ、
G-Durの終止形です。


その以外のソ・シ・レ・ソは、
G-DurのⅠの和音(コードG)の構成音です。

これは、ファンファーレのように響きます。




~ファンファーレ~

ファンファーレは、昔は主管がまっすぐなままの、
ピストンのないシンプルな形のトランペットで演奏されていたので、
それ以外の音が出せなかったのかもしれません。
3和音が使われます。

競馬でお馴染みのあのファンファーレや、
軍隊でお馴染みのあのファンファーレ、
オペラ『カルメン』でも
3和音で構成されているファンファーレが出てきます。


…最近の競馬場では、もっと洗練されたファンファーレが、
著名な作曲家たちによって作曲され、演奏されています。




~勝利宣言~

sembra fatto in ver per meと繰り返す時、
G-Durの主和音で構成されているこのメロディは
ファンファーレです。

そう感じて歌った方が、素敵な演奏になります。

ファンファーレ。
スザンナの勝利宣言です。


スザンナの今までの人生を振り返って…
今日が結婚式当日であることを思って…



まさに私のために作られた!
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sembra fatto in ver per meの子音の練習

2020-09-07 | オペラ研究
sembra fatto in ver per me

このフレーズには、以下の子音が順に使われています。

①歯を使う摩擦音『s』
②口を閉じたハミング『m』
③唇を使う破裂音『b』
④巻き舌『r』
⑤唇と歯を使う摩擦音『f』
⑥歯と下を使う破裂音『t』
⑦口を開いたハミング『n』
⑧唇と歯を使う摩擦音『v』
⑨唇を使う破裂音『p』
④巻き舌『r』
②口を閉じたハミング『m』

①は口を閉じやすいので『え』の母音はしっかり開け直し、
②は次が③なので、あまり意識せず、
③と④は前のレの音で演奏して……までは前回記事

この『mbr』の子音は、前の音符で演奏します。
音もレですが、タイミングとしても、前の音符。
4拍目の裏でドの音を演奏する時には、もう『mbr』が終わっていて、
『あ』の母音が演奏されるように、子音を前に出します。
シラブルを『s-embr-a…』と分けて考えるとわかりやすいかもしれません。
子音+母音ではなく、母音+次の子音です。

⑤以降も同様です。
⑤や⑥などの歯や舌を使う子音は、口を閉じてしまいがちなので、
母音が狭くなり過ぎないように、気を付けて、開けます。

⑦と⑧は有声子音なので、レ音で演奏できます。
『nv』と一緒に発音するような感じで、間を短くして、
上行するので、次のレの音で演奏するようにして、
しかも、『in v-er』という感じに、タイミングを少し前にします。

二重子音なので、三重子音ほどではありませんが、
レの音が実際よりもコンマ何秒、早めに演奏されている感じ。

この前のめりな歌い方をマスターすると、オーケストラで歌った時に、
オケに負けずに声が飛びます。

⑨も子音を発音したことで口の中が狭くなり過ぎないようにして
開け直して母音を発音します。

『rm』も一つの音のように、音をつけて演奏できます。
次のレの音で演奏したら、
『え』の母音はちゃんと開けて発音。

……と、いちいち確認してみると、
それだけでうまくなっちゃったりします。

しかも、このフレーズ、ラ・シ・ド・レの4度で作られているので、
確認作業にもってこいです。

スザンナの歌い出しとして、やっぱりすごく考えられているような気がします。
ウォームアップに最適というか…。

これさえ歌えれば、なんでも歌えちゃう気がするというか。


自分の声をキープするために、
このフレーズを昨日と同じように今日も、
今日と同じように明日も、
今と同じように10年後も、
ずーっと歌っていたいなと思います。
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mbr

2020-09-05 | オペラ研究
sembra fatto

『たっせ』と、柔らかく句読点で繋いだら、
次々に子音が溢れ出します。




~溢れ出す子音~

『se』から始まる『sembra fatto ...』のフレーズは、
最初のフレーズと同じメロディですが、
唇を使う子音が多く使われています。
登場順に、『m、b、f、v、p、m』です。

最初のフレーズは舌や歯、軟口蓋…つまり口の中で発音するものばかりでしたが、
続くフレーズは口の外で発音するものが多くなるのです。

パイロットが飛行機を飛ばす前に機器のチェックをするように、
最初のフレーズでは舌→歯→軟口蓋…と、順に口の中の子音の位置をチェックしました。
次のフレーズでは歯→唇→舌→唇→舌…と、口の外まで広げています。

あるいは、スザンナの満足感が、内から外へ溢れ出しているかのようです。

…そう感じて歌うと、よい表現ができそうな気がします(^^♪


最初のフレーズよりもクレッシェンドして次のフレーズ…ではありません。
同じ音量だけど、内から外にって感じです。
幸せがダダ洩れって表現した方がわかりやすいかしら?




~三重子音『mbr』~

sembraの『mbr』は子音が3つですが、難しくありません。

『b』を発音するために、口を閉じるので、
必然的に『m』も発音されます。
よって、『m』は意識しなくて大丈夫。
…間違っても、『semmmmbra』『せん~~~ぶら』と、
『m』のハミングの時間が長くならないように、
『sebra』に近い発音にします。
『え』の母音をちゃんと柔らかく響かせるって感じ!

『b』から『r』は素早く、『br』という一つの子音のように発音します。
『br』の子音よりも『あ』の母音を
ちゃんと柔らかく響かせるって感じ!

つまり、『えーあ』とボカリーゼで練習して、
それが柔らかくレガートであり、
そのボカリーゼと同じクオリティに『sembra』も揃えたらOK(^^♪




~『sembra』を練習する~

先ず、『えーあ』と練習します。
『あ』が短くなりすぎないように注意。
(日本語は、語尾が弱まって無声化する傾向があります)

次に『せーら』と練習します。
『えーあ』『せーら』『えーあ』『せーら』
繰り返して同じクオリティにします。

次に『せーbra』と練習します。
『br』は一つのように短く発音しますが、
逆に『あ』は短くしません。
『えーあ』と同じように母音を響かせます。

…と練習していると、いつのまにか『sembra』が
綺麗に響いているように思えます(^^♪
『…ように思える』はイタリア語で『sembra』です。


そしてそして、
最初の『おーら』と同じように!



~『mbr』を演奏する~

『m』は口を閉じたハミング、
『r』は、ここでは巻き舌です。
どちらも音をつけて演奏できます。
✖で表現される音符ではなく、
丸い符頭(たま)のついている音符です。

同じように『b』も演奏することができます。
一瞬ですが、音をつけることができます。

この『m』『b』『r』のような、音のつけられる子音を
有声子音と呼びます。


『mbr』の有声子音を、どの音で演奏したら
耳に心地よく響くでしょうか?




~有声子音の演奏音~

結論から言うと、
有声子音の演奏音は、前の音との関係で決まります。

『sembra』の場合、『レ→ド』と2度下降するので、
前の音である『レ』の音で、『mbr』を演奏します。
下降していたら、前の音です。

もしも、上行していたら、上がった先の音で演奏します。
『レ→ミ』なら『ミ』の音、
『レ→ソ』なら『ソ』の音です。

上行する前の音で演奏してしまうと、
音をずり上げているように聞こえ、
耳に心地よくありません。

上行した後の音で有声子音を発音すると、
歌いやすく、
ブリランテにも響きます(^^♪


ちなみに上行も下降もしていなくて同じ音なら、
絶対に完璧に、同じ音で演奏します。
当然です。




『se』のレの音で『mbr』を歌います。
歌いやすく、とにかく明るいスザンナのキャラクターも出てくると思いませんか?
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Sembra fatto in ver per me~ブレスしよう~

2020-09-04 | オペラ研究
Ora sì ch'io son contenta

今、こんな感じだわ、私が満足するところの(直訳)
さあ、これで満足だわ(さなえ訳)

sembra fatto in ver per me

作られたように見える、まさに、私のために(直訳)
まさに私のためにこしらえられたって感じ(さなえ訳)




~主節と従属節~

イタリア語は日本語と同じで主語を省略しますので、
io とわざわざ言っていると何か意味があるのでは?と勘繰りたくなりますが、
これは二つの文章…つまり主節ora sìと従属節son contentaが
関係代名詞cheで接続された、いわゆる複文なので、
従属節中の主語が何であるのかを明確にするために
ioをわざわざ言ったに過ぎないと思います。

つまり、ioと言っていても勘繰らないのが正解。
『ora sì』がメインの文章です!

『うふふ、完成(^^♪』って思って歌ってたりしますね~。

このニコニコ感が大事だと思います(^^♪

contentaは音域も上がって、アポジャトゥーラもついています。
よりニコニコ感が増します(^^♪



~ブレスで目線を変える~

次のsembra fatto in ver per meは、
最初のフレーズと同じメロディーです。
最後だけ、アポジャトゥーラがついていないということ、
それ以外は、同じメロディです。


同じメロディですが、同じ内容を繰り返している訳ではありません。


最初のメロディーは、鏡に映った自分の姿を見ています。
主に、全体像を見ているのです。
今まで準備してきたこと、作り上げてきたこと、
ベールをつけて鏡に映った自分の全身、
全てを見ながら言っています。

もちろん、ベールのことも含まれています。
が、『全て』を主語として言っていることは確かです。


繰り返される次のメロディーは、ベールが主語です。
このベールは sembra fatto 作られたようだと歌っています。

『うふふ、私の(^^♪』って思って歌っていたりしますね~。

やっぱりニコニコ感が大事です(^^♪


最初のメロディーは、鏡の中のベールをつけた自分を見て、
次のメロディーは、頭の上のベールにフォーカスして、歌いたいと思います。



お芝居としては、鏡を見ているスザンナの姿が表現されればよいです。
脱力して、鏡の中の自分に見とれている…そんな感じです。
最初のフレーズと次のフレーズで、ポーズは変わりません。

主語が変わったこと、目線が変わったことは、
間にブレスを入れることで表現!




~『たっせ』~

contentaのtaを、たぶん8分音符くらいの長さで歌い、
たぶん8分休符くらいの長さで短いブレスをします。
いっぱい吸わずに、ちょっと補給するくらいの短い小さなブレスです。

ブレスをしたからと言って、ポジションを変えずに
taと同じクオリティのseを続けます。

「ta (v) se」「た(ブレス)せ」と繰り返して練習したりします。

『せ』の『s』の子音が強くならないように注意…。
これも3拍目からの歌い出しです。

ブレイク、断層、割れ目、間…、
いろいろな表現の仕方をしますが、
要するに、短いブレスを入れることによって、
主語または目線が動いたことを表現します。


「…ta,(v) se…」「…た、(ブレス)せ…」

句読点、と言った方がわかりやすいでしょうか。

句読点という名の短いブレスを入れて、
主語が変わった=目線が変わったことを表現すればOK(^^♪

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