稽古場で・・・ですが。
バリトンの歌うLowF(ロウ・エフ)を耳にしました。
HighC(ハイ・ツェーまたはハイ・シー)という言葉は
耳にしたことがあると思います。
キング・オブ・ハイC。
パヴァロッティさんのことですね。
女声の高音ではHighF(ハイ・エフ)。
モーツァルトのオペラ『魔笛』で、夜の女王が歌うアリアに出てきます。
超高音とも呼ばれ、この音を持っていると、
それだけで仕事になったりします。
その音を出せるだけではなく、
いつでもその音を、安定して出すことができて、
しかもその音が良質でなければなりません。
オペラだとHighFが最高音ですかねぇ。
フォルテさんというソプラノが、フィレンツェ?の来日公演で
ベッリーニ作曲の『夢遊病の女』というオペラを歌った時に、
オプション(楽譜には書かれていない音)で、
HighFをロングトーンで出していて、
すっごく興奮したことがあります。
きゃあきゃあ言って、興奮しちゃいました・・・。
話をLowFに戻すと、これも特殊な音です。
オペラでは、ヴェルディの『シモン・ボッカネグラ』で、
フィエスコが歌うアリアに出てくるのかな。。。
でも、フィエスコって、バスなんですよぉ。
『魔笛』のザラストロのアリアでも、
オプション(楽譜に記載されていないけれど、付け足して歌う音)として
繰り返した2番の最後でLowFが歌われることがあります。
ザラストロもバスですからねぇ。。。
低い音は、声帯が長くないと出ないのですが、
バリトンの響きを持っているのに、
バスの声帯を持っているなんてスッゲーことなんです。
どこまで音域が広いんだ~
最初に歌われた方は・・・名前は出しませんが、
床に、その低音がビリビリ共鳴していて、
魅力的な・・・いや、魅惑的な音色でした。
続けて出された方は・・・こちらも名前は出しませんが、
最初の方ほどの共鳴はありませんでしたが、
まだまだ若い方なので、これから鳴るかも!と楽しみになりました。
二人続けて“あり得ない音”を聞いたので、
思わず同僚に、「Fだよねぇ?」と確認しちゃいました。
Fというのはファの音です。
夜の女王のHighFから数えると、
4オクターブも下!
バリトンには要求されない音。
稽古場だから聴ける音。
稽古場でしか聴けない音。。。
チョ~得した気分
その人の可能性、声帯の素晴らしさ、発声のテクニック・・・
それらを身近に感じられる稽古場って・・・役得かも。