大工風の道

仮設住宅ってわけでもないけれど、
ま、しばらくここで様子みようっと。

見てはいけないもの…

2007年11月19日 | 見聞録
世にはいろんな名前の付け方があって、「在来工法」「軸組み工法」「伝統工法」「伝統型工法」など、どれもきちんとした定義がないようなまま、広く使われている。

また、「民家型工法」などという名前もあり、いったい何がどうなのかは、一般の人にはわかんないだろうな。


さて、リフォームの現場のお手伝いで今日一日。
部分的な改修なので、どうしても他の傷んでいるところは、気になっても手が付けられない。
施主さんもそのことがわかっているとはいえ、職人としてはどうもつらいところだ。
だから見なかったことにするしかない…。

そこで最近考えた工法は…、



「見んかった型工法」。


Mさんごめんなさい…(業務連絡)



Fields of November

2007年11月19日 | 文化
…昨夜はT橋氏の事務所で、呑んだ呑んだ騒いだ騒いだ笑った笑った…。

来年の分まで笑ったな。







酒を呑んだということは、田舎では家に帰れないことを意味する。

一夜明け、すっかり枯れた畑の中を、直接、今日の現場へ向かう。


鈴鹿山脈は、雪化粧…。

寒いはずだね。



降らん?そわそわ…

2007年11月18日 | 文化
昨日は、柿渋づけの一日。

で今日は、

壁土つけ…。

寒い一日だった。

雨が降り出しそうで、降らん。
みんなソワソワ。

で、この女性は誰かって?

そう、あのフランソワさん(???)です。

なんのこっちゃ。

わかる人にはわかる!



「悲愴 第3楽章」…仕事よりも大切なこと

2007年11月17日 | 音楽
「もうすぐですよ」と施主さんから電話で、元請のT上氏とふたり、急いで現場をでる。

ちょうど軽バンで出かける施主さんちのおばあちゃんに、場所を確認。
「ここまっすぐいって…」
「郵便局からの通りより向こうでしたっけ?」

すこし車を進ませてから、もう一度止まって、「うしろにのりな」の手振りに、座席のない後部に乗り込んで、同じ敷地にピザ屋のある、その家の前まで。

酒蔵あとを改修した、古いお店の向かいの離れで、やがて流れてきたのは、…

 「悲愴」第3楽章…。

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6月の棟上、そして7月の後半から造作工事で詰めて4ヶ月。
漁港のあるこの町に、慣れ親しんできたころ。




今日でこの現場に詰めるのも終わり。
もっとも少し残工事もあるので、あらためて後日、出直すのだけれど。

いつもと同じ朝、県道777号線、松阪伊勢自転車道の標識も見慣れたもの。
最終日の今日は、朝から現場の片付けと、内装の柿渋塗装のお手伝い。

毎日夕方、隣の母屋から施主さんの娘さんのピアノの音が聞こえてきた。
「ただいま~!」と元気に帰ってくる中2のお姉ちゃんと小学生の妹がいて、お姉ちゃんの弾くピアノを毎夕聞きながら、作業、片付けをした。
いつの間にか口笛で、いっしょにあわせながら。

ベートーベン作曲「悲愴」第3楽章。

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今日はちょうどその発表会。
近所のピザ屋のとなりの教室。




部屋が狭いので、私らは建物の前からそっと聴く。
仕事抜け出して、きてよかった。
こんな時間、大切だよ。


現場へ一足先にもどって、やがて帰ってきたお姉ちゃんに「よかったよ」と。
柿渋の臭いに最初閉口していた姉妹も夕方から一緒に塗ってくれた。

まるで家族のような、こんな作り手と住まい手の関係をも、新しくできたお国の法律によって、間もなく厳しく取り締まられてしまう。

瑕疵(かし)保険がどうとか、保証金供託がどうとか、まったくどうかしているよ。

もっともそうでもしなけりゃいけないほど、悪徳業者も多いってこともあるんだろうけど。



さて、なにはともあれ、大変だったけれど、なにかと楽しい現場だったよな。
お施主さん本当にありがとう。

これからこの曲を聴くたびに、この現場のことを思い出すんだろうな。

来週からは自分はまた次の場所へ…。
施主さんが買ってきてくれたピザは、また格別の味だった。