大工風の道

仮設住宅ってわけでもないけれど、
ま、しばらくここで様子みようっと。

風”邪”(かぜ)

2005年12月22日 | 見聞録
序章

またまた真っ白な朝。
積雪の量自体は大したことはないのだが、気温が低い。
低いといっても、三重県のことだから、氷点下一桁前半だろうが、道は凍っている。
前にも書いたが、こうなったらまたもや交通は混乱状態だろう。
とくに普通タイヤの私のトラックで町にでる勇気なんてない。

M井氏に電話をする。「すこし遅らせて行くよ…」。

しばらくしてメール(携帯)がきた。
「来れそうですか?無理しないでください」。
そして次のメールは、
「今日はお休みにしましょう」だった。

じゃあ今日はあきらめて、たまったデスクワークを片付けるか…。

このとき、なにか違和感はあった。
とても寒い。寒すぎる。着込んでも着込んでも寒い。
使い捨てカイロを2つ忍ばせても寒い。家の中でも寒い。
(きっと、今日はかなりさむいのだろう)そう思った。

内科へ行く

午後、いやにクラクラし、熱っぽい。(はは~ん、これだな)
うわ!38.4度。平熱の低い私にとって、これは40度近い体温に相当する。
なんと、今日は木曜。しかも午後になってしまったではないか。
インフルエンザだったら、早くしないと大変だ。
電話帳を調べると、津市に一軒、金曜休診の内科を発見。
雪もほとんど解けたことだし、なんとか向かう。
(運転危ないけど)




入院施設もある中規模の病院「○○内科」に着いた。
津市内もほとんど雪はなく、日陰や吹きだまりに残っている程度。
ん?患者が居ない?やってるの?
きっと2時からなのでまだ誰も来てないんだろう。
2時16分だもん。
古い鉄筋コンクリート造風の外来棟の入り口から受付へ…。
静まりかえっている。
薬剤師さんだろうか、受付で私に気づかないで向こうをみている。
奥から年配の看護婦さん(?)がでてきた。
「はい?」
(まずいところに来たのかな…ドキドキ)
「熱がでまして、診てもらえますか?」
…「はい、以前かかられたことありますか?…じゃあここにご自宅の電話番号を書いてください。」
渡されたメモ紙!しかも別の人の電話番号が一つ書いてある。
(なんか、ヤバイなあ、やっぱり帰ろうかなあ)

「そこのお手洗いで○○を採って奥の処置室までお持ちください」
(え?イキナリカヨ)

<中略>

「どうされました?」と、やはり年配の男性のせんせい。
「昼前ころから寒気がしまして」
血圧を測ったり、聴診器をあてたり。
「のどが痛かったり、鼻水がでたりは…?」
「ほとんどありません」

「インフルエンザの可能性もありますね。検査しときますか?」
「お願いします」
長く、細い綿棒のようなものが、私の鼻のなかに…!
(うをおお!)
思ったほどは痛くなかったが、ああいうのはたまらない。
「10分ほどかかりますので」。

「もしインフルエンザだったらどうするのですか?」
「特効薬がありますので、わりあい早く直るでしょう。ではしばらく待合室でお待ちください」。

患者が増えていた。少し安心したのもつかの間、年配の男性が、看護婦に声をかける。
「おい、新しい看護婦、見つかったかぁ?」
「…」
小声で「見つかった」ようなことを言っていたが、よく聞こえなかった。
もう一人年配の女性は、いきなりテレビをつけるし、たまたまやっていた「大雪情報」をみて、受付のガラス窓ごしに、
「あれえ!三重県30センチやって、ほれ、今言うとる!」と大声で叫ぶ看護婦さん。

…運を天に任せるしかない。私はどうなるのだろう?

「○○さん、『A』も『B』も出てませんでした、薬だけだしときましょか」
奥から出てきたせんせい。
「…どういった薬なんでしょうか?」
「抗生剤と解熱剤です」
「…はぃ」
せんせいは行ってしまった。

しばらく大雪情報をみていたら、
「○○さん…1600円です」
「はい」
「お薬です」
「ところで、私はいったいどういう病気なんでしょう?いわゆる『風邪』なんですか?」
「…!。(申し訳なさそうに)せんせいよんできますね」
(おいおい)

奥から再びでてきたせんせいに風邪であると告げられ、津をあとにした。

結果良ければすべてよしだが、こんな体調の悪いなか、このドキドキ感(不安感)を楽しめる余裕が最近できたことに、自分で感心する。なかなか楽しい病院だった。
まあ、診たては悪くないのだろうな。


(その後、一夜明け、ブログ更新できるだけ回復したことを追記しておきます。ご心配なく。○○内科さんありがとうございました)
(文=23日朝)