備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『表に出ろいぃ!』

2010-09-14 17:32:03 | 国内ストプレ
飼い犬の臨月なのに、それぞれがそれぞれの理由で出掛けようとする父・母・娘。そこで、出られない様にするために、父が母を鎖で繋ぐが、父も鎖で繋がるハメに。そこに帰ってきた娘も巻き込み三人とも鎖に繋がれる。その状態で娘宛てに電話が入り、表情が変わる娘。問いただすと、書道教室の先生が、『今夜地球が滅びる』と予言し、『一緒に安全な場所に逃げるよう』言われたことを話す。また、『一緒に逃げられなければ、生まれ変わって来世で会おう』と、薬も渡されていた。そして、その薬を飲み、倒れる娘。動転するが、鎖に繋がれ何も出来ない二人。そんな状態で、父が残った水を飲もうとし、母がその水を捨てた時、すっと起き上がる娘。実は、死んだふりをしていただけで、その水を父が飲むのを待っていた。そして、飲み水がなくなったことも指摘する。極限状態の中、助けを待ち続ける三人だが、何者かが玄関が開ける。聞くと開いていたからと答え、その人物(泥棒?)に水を乞い、幕。

野田作品だが、このくらいの長さと分かりやすぎる内容のため、観ていて楽。逆にちょっともの足りないくらい。元ネタが直ぐに分かる固有名詞は出てくる度に、元ネタを彷彿し、それを真剣に話す役者の様子がツボ。
書道家の宗教家は『キャラクター』かららしいが、どんなキャラ設定かが謎。
原色をふんだんに使った衣装とセット、小道具が、特異な状況設定にマッチ。


野田。劇の途中で女装というのは何回か観ているが、最初から最後まで女装というのは初。基本、キーが高いので、女性役も無理はない。サザエさんの様な髪型や細かな仕草がツボ。そして、アイドルに嵌まっている点を除けば、性格的には普通な役…、な気がする。

中村。狂言師の宗家役。なのに、アミューズメントパーク好きで、『ヌイグルミの中に人は入っていない』と真剣に語る。こちらも野田同様、喋り倒すが、聞き取り辛さはコチラが上かも。現代劇の場合、何をやっても゛中村勘三郎゛な雰囲気があり、善人イメージが強いが、それでも野田の宛て書きにより、単に人の良い役でなく、自分のエゴに基づいて行動するイヤな役に。

黒木。とにかく普通。役設定も典型的な現代の少女かも知れないが、二人の個性が強すぎるので、印象が薄くなる。また、話し方が映像系の女優。なので、先日観た田部を彷彿。この箱で観る分には全く問題なし。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『エリザベート』石丸@トート | トップ | 『井上芳雄10周年記念コンサ... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

国内ストプレ」カテゴリの最新記事