備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『アンダースタディ』

2016-09-05 03:55:47 | 国内ストプレ
ざっくりな(柿崎メインな)アラスジ。

開幕後、ダンスを踊るアンダーの三人。
舞台上段に殺陣をしながら登場する主演のミラクル。
踊り終わった後、登場する演出助手の南郷。

ミラクルの殺陣のバックダンサーを
追加する事を南郷が決め、それの実演だった。

このダンス追加にミラクルの許可を仰ぎ、
なおかつ、もう一カ所、追加をしようとする南郷。

そこに演出家・柿崎、登場。

勝手にダンスを追加した事を怒り、
アンダーは、表には立てないこと、
プロンプや舞台道具の管理が仕事であることを説明。

南郷は、主演女優のミライがダイキを
気に入り、ミラクルを蔑ろにする前に、
出番を増やして、緩衝材にすると説明。

それに対し、柿崎は
自身がアンダースタディだったこと、
妻との出会いが同じ劇団だったこと、
しかし、アンダースタディ時代が長く、
遠慮する芝居になってしまい、
主役芝居が出来なくなったこと、
それを妻に言われ、離婚したこと
ある時、大道具を足に落とし、
ターンが出来なくなり、演出家に転身したこと、等、
ひとしきり語る柿崎。

そのまま、話が長くなるところで、
南郷に居酒屋からアンダーの三人が
喧嘩をしていると電話が。

そのころ、居酒屋では、
グチを言っているアンダー三人。

舞台に立てることが嬉しい脳天気なシュン。
自己主張が強く、今後、アンダーはやらないと言い切るコータ。
そんな二人を纏めるダイキ。

そして、グチを言いつつ、口論になる二人。

そこに現れる南郷と、マネージャーの恩田。
恩田は三人に、アンダーは厳しいが、
一晩、寝れば忘れると励ます。

その夜、ダイキは銭湯へ。
そこで偶然、ミライと会い、仲良くなる。

ミライも二番手からの抜擢で、
アンダーの三人に親近感がわくというが、
そのことに怒りつつも、親しくなる二人。

その夜、柿崎と南郷に一本の電話が。
それは、ミラクルが怪我をしたという一報だった。

それには、柿崎に思い当たる節が。

柿崎がアンダーの三人に厳しくしたのは、
自身が演出家に優しくされ、
アンダーのぬるま湯に慣れてしまったこと。

一方で、アンダーには厳しい
ミラクルには主演の器として、
アンダーの仕事を体験してみろ、と
言ってしまったのだった。

そして、その言葉に従い、慣れない
裏方の手伝いをして、怪我したミラクル。

責任を感じた柿崎は、役者を殺してしまったのでは?
と視覚化した罪悪感に撃たれ、苦しむ。


翌日、アンダー三人の朝。
三人はそれぞれ悩んでいた。

コータは、皆の前で
もう、アンダーはやらないと言ったことを後悔。

ダイキはミライへの恋心を思案。

シュンは恩田の気遣いの
間違った解釈と、ミライへの前向きな片思い。


そして、迎えた稽古で、
来ないミラクルの代役をシュンが担う。
そこに、正式にアンダーから主役に抜擢されたことが発表。

そこから、BGMに乗せ、慌ただしく時は過ぎる。

シュンは稽古が上手くいき、
順調に主演として、成長。

しかし、それに気に入らない共演者に、
ダイキに故郷の花火の思い出を語らせ、
アンダーと共演者の距離を縮めさせる柿崎。

一方、恩田は、ミラクルの降板とシュンの起用は、
私のため?と自分が柿崎の別れた妻であることを明らかに。
(ただ、それは誤解とすぐに判明)

本番の迫ったある日、柿崎はシュンに
主役としてのオーラがないと言ってしまう。

それを気にし、プレッシャーに押しつぶされるシュンは
二人を飲みに誘い、励まして貰おうとするがツレない二人。

飲み屋にくるものの、アルコールは頼まない二人。
弱音を吐く、シュンにも冷たい。

そこで、冷たくされた事に、切れるシュンに、
突然、主役のラストの長ゼリフを聞かせる。

実は、木村だけでなく、
シュンのアンダーになったことを告白。
そんな二人に励まされるシュン。


銭湯でまた会うダイキとミライ。
ミライからの告白に公演本番前の
ダイキはハッキリ返事をしない。


公演初日。
本番に強いシュンは、
主役のオーラをはなっていた。
しかし、最後の最後で気弱になる。

そこで、ダイキはシュンに、
ミライがシュンの誘いを待っていると嘘を教える。
しかし、それで乗り切るシュン。

初日が終わったあと、そのノリで告白し、
ダイキに言われたことまで暴露。
そんなダイキの気持ちを知ったミライは、
ダイキの前でシュンを受け入れる。

公演終了後、恩田の一人相撲な気持ちを
告白するが、満更でもない柿崎。
突然、歌い出す柿崎と恩田。
アンダーはワンダー(不思議)と歌い、
アンダーを恋愛と四季に例え、復縁。
また、役者を殺さなくて済んだと
視覚化した罪悪感も払拭。


公演終了後、
久々に帰省するダイキ。
そこにはコータとシュンの姿も。
二人を秘密の場所に連れて行き、花火を楽しむ。

(多分)数年後。
久々に立ち飲み屋に行った三人は、
その店が潰れたことを知る。

そんな店前で躍り出す三人で、幕。


ダイキ@高田
三人の中でも、メイン。
まとめ役かと思いきや恩田に
自己顕示欲が強いだけとバッサリ。

ミライへの恋心を持ちつつ、
シュンの為に嘘をつき、それが裏目に。

ただ、そこはスッキリしたのか、
故郷に二人を誘ったり。


シュン@林
抜擢された理由は明らかにされないが、
何故か抜擢され、プレッシャーも抱えつつ、
でも、やはり脳天気ポジションを演じる。
(計算して、この位置にいるらしい。
ネタの手がポキッ、折れたー、も考えた上でのネタ)

でも、クレジット的にトップで、
三人のなかで一番、年上という事実。


コータ@仲田
シュンとダイキ、二人のキャラ立ちに比べると弱い。
一応、天使と悪魔の間に揺れているが、
自己主張が強いだけ、くらいしか特徴がない。

と、三人の役回りは分かったけど、
一人、バクテンが出来るとか、
歌が平坦とか、逆に上手いとか、
ダンスや歌の上手さの識別はムリ。


ミライ@立花
初めての主演という設定だが、
どこまでそれを意識しているのか、
単に、舞台そのものが慣れてないのか。
結構、棒読み。


恩田@小野
歌、演技、コメディとバランスがとれた女優。
むしろ、アンサンブルでしか知らなかったけど、
この自己主張が強いメンツで、ここまで安定してるとは。

特に、アンダー三人の回想では、
洋装、和装、ネココスプレという三段オチ。


南郷@奈良
台詞廻し、含めて、この中で一番、
安心してみれる劇団俳優。


ミラクル@山梨
ワザっと、バカっぽいキャラなので、
かなり芝居が大げさ。
その一方で、降板するために仮病を使ったり。
ともかく、デフォルメされた役。


宮川演出は初。
でも、観ていると幾つか特徴が。

まず、効果音を結構使う。
台詞の前に使われるので、
主張する内容が分かりやすい。
(役者の持つ台詞の説得力では勝負しない)

次に、繰り返す。
ラジオ番組のジングルで、
ディレイを使う事はあるが、
それを台詞で応用。


再現セリフで、本人が登場。
これは間延びすることもあるけど、
柿崎にも再現シーンがあり、
なるほど、役者ファン的に、
録音でなく、本人ディレイは効果あるな、と。


初めて観る宮川脚本。
元TBSラジオリスナーなので、
『誰おま』とか『パカパカ』は
聞いていて、パーソナリティとして好きだし
そのラジオCMで自身の
劇団の宣伝を聞いたことがある。
実際、気になったアラスジも。

でも、この脚本だと結構間延びする。
ただし、伏線を全てキレイに拾っている。
なので、脚本の発注が、どういうモノか気になる。

3人の物語だけど、
舞台界隈での知名度をあげるために、
主演に登用されたのだろうか?
この辺のオトナの事情。
ジャニさんと東宝の兼ね合い、など。


ともかく、想像以上の長ゼリフでは
あるけど、それは一応、入れている。

ただ、この脚本だと、
(チケットが手に入る環境でも)
主演とは言え、リピートはツラいかな。


で、柿崎に特化した時系列感想。
(一部、アラスジと重複)

柿崎@今井
登場時が薄い青シャツに白いパンツ。基本、シャツイン。
で、ベルトの上の肉を隠すための、スカーフ。(隠せてないけど)

登場時から、
演出助手の役割、アンダーの役割、
元妻の馴れ初め、と、説明ゼリフが続き、
二、三回噛んだり、言い間違った台詞を
無理矢理言い直したり、グダグダ感がスゴかった。

で、極めつけが、ミラクルの歌吹き替え。
勝手に録音済みで、大音量で流れる歌。
それに併せ、踊ったり。

なお、このスローテンポな曲が、
2幕最後では、アイドル編曲で生まれ変わる。
(同じ曲とは思えない)

次が、台詞の再現で、ピンポイントで登場したり、
恩田との関係について匂わせたり。
(思いっきり元妻だな、という分かりやすさ)

そして、スポンサーとの兼ね合いとか、
ミラクルを登用したことが分かると、
ミラクルに対し、丁寧語になったり、
命令口調になったり、この辺の統一感が無い。

この辺で、もう一つの衣装。
濃い青のシャツに、やはりスカーフ。
(勿論、隠せない腹廻り)

たとえ話。
低温で茹でられ気づかない茹で蛙と
いきなり熱湯に落とされ逃げる熱湯蛙
からの、ゲロゲーロ。
今回、劇中の唯一の持ちネタだが、
結構、不発な事、多数。

なお、この他、”面白い独り言をいうオッサン”芸、発動。

唯一のシリアスシーン。
役者を殺してしまったのか?
という後悔の視覚化。
最初の登場では、撃たれて、
苦しむ演技、とか。

アンダーの登用が決まると、
BGMが入り、繰り返し台詞の演出。
ここで、ラップにする役者と
普通に台詞を言う役者に。勿論、後者。

謎のダイキの昔語りコーナー。
ここで、胡座をかいたり。
胡座をかく、というシュチュエーションが珍しい。

代役用衣装が正しいのが来るよう祈ったり。

本番が始まると、特に何もしない演出家。
ここで、冒頭と同じ衣装に。

公演、終了後、
ミラクルに挨拶に行く。
そして、ミラクルが仮病と分かるが、
その時の怒りよりも、
自分の言った一言が原因では無かった安堵感。

そして、突然の歌唱シーン。
からの、ハッピーエンドかと思いきや、
最後の罪悪感の視覚化からのゲロゲーロ。
(普通のハッピーエンドにはしない脚本)

カテコでは、一応、ゴメンねダンスを見せてみたり。

ポイントは今井氏本人に、
主役のオーラについて、言わせること。
うん、無いよね、
と。
(この作品に限っては、と言えない悲しさ)
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