備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『キンキーブーツ』日本人キャスト版

2016-09-04 23:07:25 | 国内ミュージカル
開演前に、舞台に現れるドン。
そこに、携帯の着信音が鳴り、
携帯電話を切れ、という前説と、観客との自撮り。


チャーリー父とヤング・チャーリーが、
靴について、語っていると、工場が動き出す。
(主に、ジョージによって)

そして、ヤング・ローラが、
赤い靴を履くと、それを叱る父親の存在も。

途中、靴棚が出てきて、
ヤング・チャーリーがその棚に隠れ、
次に出てくると、チャーリーが登場と、
大変にベタな演出オープニング。

場所はロンドンの高級靴屋に。
婚約指輪ならぬ、婚約靴を買うと、
約束をするチャーリーと婚約者ニコラ。

そして、三代目である父親には、
四代目にはならず、ロンドンに行くことを告げる。

ロンドンでの二人の新生活が始まる、というときに、
一本の電話が。それは、チャーリーの父の死の知らせ。

そのまま、社長に就任するチャーリー。
そこで、靴工場の経営危機を知る。

飲み屋で、昔馴染みに頼るが、
帰りに、絡まれる女性を助ける。
しかし、逆に殴られるチャーリー。

突然、ショーが始まる。
そのショーを唖然と観ているチャーリー。

その幕間。
助けた女性が、実はドラッグクィーンで、
自分の助けが要らなかった事を知るが、
壊れた靴を直すことで、ニッチな需要に気づく。

工場に戻り、ドラッグクィーンの為の靴、
キンキーブーツ作成に勤しむチャーリー。
しかし、陣中見舞いにきたローラから
サンプルのダメだしを受ける。

チャーリーが落ち込んでいると、そこに現れるローラ。
そこで、話すうちに、チャーリーは、父親の望みだった
靴屋を継ぐ事を拒んだこと、ローラは父親の望みだった
格闘家になることを、拒んだ事が分かる。

父親の希望に沿った生き方を
していなかった事を知る二人。

やる気を取り戻したチャーリーは、
デザイナーにローラを起用。
そして、サンプルが完成で暗転。

2幕。
ローラといがみ合う、ドン。

そこで、双方がやって貰いたい事を書き、
勝負で勝った方が、その要望を聞くことに。

勝負はボクシング。
格闘家として育ったローラが
有利と思われたが、わざと負ける。

ローラからのドンへの要望。
それは、”ありのまま”を受け入れるという事。

一方、ニコラが靴工場を閉鎖し、
マンションに立て直すことで、
借金を返済するという案をチャーリーに。

これが父親の打開策だった事を知り、
なんとか工場の閉鎖をしない道を考え、
キンキーブーツで一発逆転を狙う。
が、ミラノのショーが近づき、焦るチャーリー。

ローラの『モデルに自分とエンジェルたちを
使えば良い』という提案も受け入れず、
モデルにはあくまで、女性を起用する、
とローラの存在を否定する発言から険悪になる二人。

そして、チャーリーのやる気は空回りするが、
社員の協力の元、なんとか納期内に完成。

ミラノショー当日。
チャーリーはローラに電話をするが出ない。
そこで、留守電に自分こそが、”ありのまま”を
受け入れていなかった、とメッセージを残す。

一方、ローラは老人ホームに居た。
そこで、歌うローラ。
歌い終わると、車椅子の男性が。
それは、勘当されたローラの父親だった。

ほとんど、意識は無いものの、
ローラの独白に、手を握る父親。

ミラノ。
チャーリー達の出番が近づくが、
メイクもモデルもなく、居るのはチャーリーのみ。

そして、チャーリー、自らがキンキーブーツ
を履き、ステージに立つがフラツく。

そこに、ローラ登場。
そしてエンジェル達と、社員達が
それぞれ、キンキーブーツで登場して、幕。


小池@チャーリー。
ともかく、マジメ。
自分の殻を打ち破れないキャラ。
2幕では、そのまま暴走。
(社員から総反発をくらう)

ポップス路線な歌い方。
独白ソングなんか、特に。
でも、今回に関しては、それが吉と。
チャーリーという役に合うパターン。


三浦@ローラ
何処のロッキーホラーショウかと。

イマイチ、地声とローラの線引きが分からず。
ドラッグクィーンキャラが不安定。
カテコの挨拶を聞いていると、
意外と地声が高いのかも?

歌は一幕はイマイチ。
歌詞も聞き取れず。
エンジェル達と歌っても埋没。
1幕最後で、ようやく認識。

でも、2幕のタンゴとかバラードは、
裏声で歌っても延びる歌声。

同じ劇場だと、明智心九郎の時も、
似たような位置に座っていたが、
もう少し聞き取れたような。

ワイルドアッパーの時は、
普通に歌詞も聞き取れたので、
曲調とマイクの問題?


ソニン@ローレン
アニメ声で一際目立つ。
最初、アンサンブルかと思ったら、
実は役付き。(というか、ソニン)

ソロも、あのキンキン声。
シンディ・ローパーな発声というか、
これは狙っている路線なのか?


玉置@ニコラ
まさかのソロ無し。
ちびソロが前半に有ったかな、程度。
演技要員なのか、この配役。

ラスト、ソロパートが有るが、
そこの存在感足るや。
ポップス系を歌うと、ハマる。


勝矢@ドン
キャラ立ちがスゴい。
なのに、歌が台詞というか。
低い声なのに、じつに、惜しい。

ま、低い声担当はジョージか。


ジョージ@ひの
てっきり、父親役も兼ねるかと思ったら、
チャーリーの父親は若いらしい。

冒頭から舞台の二階でごそごそ。
ともかく、工場シーンでは、目立つ位置でゴソゴソ。

工場にエンジェル達がやってくると、
うっかり、そのショーに混ざるし。

キンキーブーツのパーツづくりに一役買ったり。
頑固な職人気質なのかと思いきや、結構、柔軟。

で、極めつけが、一幕ラスト。
来ているトレンチを脱ぎ、なおかつ、
丁寧に畳み、袖を捲り上げ、ダンスに参加。

あの移動型エスカレーターの
移動係をしながら、降りてくる役者とハイタッチ。
最後には、皆と踊るが、若干ズレる。

2幕は、完全にエンジェル(の味方)側ポジ。
ボクシング観戦も、ローラ側に。
その後の、工場が動き出すとゴソゴソ。
この辺は、そこまで目立たない。

ミラノのショーでは、
イギリス国旗なブーツを履きこなす。
そのまま、カテコでのダンスはやはり、一拍ズレる。

このジョージはプリンシパルでなく、
役付きアンサンブルな位置なのか?


日本人キャストによる公演。

なんとなく、こういう話かな、
と思ってたら、その通りな展開。

それでも、チャーリーとニコラの
関係はあのまま、何のフォローもなく別れ、
ローレンとくっつくという展開は意外。

そもそも、父親が赤字でも
靴を生産し続けていたことと、
その一方で、経営難のために、
工場を売却しようとしていた、という事実。

一人でも需要が有れば、作り続ける的な
人情論かと思いきや、経営難の打開策も、
ニコラと考えていたという展開。

結構、その辺のどっちつかずな印象が、
父親に残るため、余計、チャーリーが、
悩む原因を作る結果に陥るみたいな。
(どちらにしろ父親の望む息子になれない的な)


それ意外の脚本は普通。
むしろ、楽曲で印象に残る曲が幾つか。
一回しか観てないのに、
オリジナルCDをランダムに聞いただけで、
大体、どのシーンで使われたか曲か思い出す。
そのくらい、印象に残る楽曲、多数。

ただ、日本語詞が聞き取れず、
日本人キャストで観ているのに、
海外の劇場に居る感覚。
(3階最後列での観劇だけど)


また、どこまでが日本人向け演出なのかも気になる。
台詞を聞いている限りでは、独白路線は見受けられず。
来日版を観なければ、それは分からないのか。

バラードや歌い上げる曲は良いが、
アンサンブルが入る曲になると、
プリンシパルの歌声が聞こえず、
ローラ以外でも埋没する事、多数。

その辺の物足りなさを解消するためにも、
来日版、あるいは海外を観てみたい。

そして、舞台を観ても、
キンキーブーツの意味は分からなかった。
単に性的倒錯者の履く靴という意味か。
あるいは、ダブルミーニングが有るのか。
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