賢いプロ野球選手は好きですか？<ドラフト会議2004>

11月17日にプロ野球ドラフト会議が行われました。
初めてのくじ引きなしウエーバー制で，くじにまつわる人間ドラマは
今回はなかったわけですが，結構目を引く選手がプロのユニフォームを着ることになりそうですね。

ダルビッシュとか一場とかシダックスのエースなどが話題となっておりましたが
私としましては，まずはタイガースの１５歳辻本賢人投手 。
この若さで１４２キロの速球を放つとは。
長島一茂氏は「僕の世代でもこのくらい放るピッチャーはいた」といってましたが
まあそれはいいとして，１５歳だから中卒，いや現時点では中学生？

かというとそうではなくて，米国カリフォルニア州マタディハイスクール休学。
何じゃそれ？
報道によると，中１で単身渡米し，
飛び級で既に大学受験資格を得ているっていうからすごい。

　　飛び級といえば，
　　先日，アメリカ次期国務長官が決まった
　　コンドリータ・ライス大統領補佐官(50)も
　　15歳でデンバー大入学，19歳で優等で卒業した才媛でしたっけ。

140キロ超の直球も，インナーマッスル（関節周囲の筋肉）の鍛え方に興味をもち、
実践した結果ということで、
学力・セルフマネジメント力ともに並の１５歳のレベルもはるかに超えた，
いや，インタビューの受け答えなんかを見ても
そこらへんの大卒選手よりよっぽど賢い「神」童(タイガースだけに)の誕生となりそうです。

指名即入団宣言，「監督になるまで阪神にいたい」と早くも生涯タテジマを
宣言したとのことですが，一軍昇格までには数年を要するとしても，
その頭脳は生涯磨き続けてほしいと思います。

頭脳といえば，横浜ベイの９位指名・松家卓弘投手。
久々に東大選手の指名，入団すれば史上５人目ということになりますが，
インタビューの受け答えを見ても，思慮深さが感じられました。

オリンピックなどでもそうですが，
体を使うスポーツ選手は体を鍛え・動かす上で絶対頭も使わなければならないんで
これからは頭も必要だと思うんです。
また，去年だか今年だか，現役生活を続けながら大学に入ったという
日本人メジャーリーガーに某昔の大打者が「喝！」扱いし失笑を買いましたが
選手も社会人なんですから，これからは，経営者の目で仕事を考えるという
姿勢やセンスも必要だと思うんです。

プロボクシングやプロレスや大相撲だって経営トップは元選手，
貴族に支配されていたオリンピックだって多くの役員は選手から選ばれている昨今，
プロ野球の球団運営や球界発展の仕事に選手出身者が
かかわらないなんてアナクロにもほどがあります。
※まあ，元選手にしてもＦ橋Ｈ之進さんみたいに精神論に
　こだわりすぎて若い選手をスポイルするような古すぎる重鎮とか
　日曜のテレビで「喝！」なんて言ってるお気楽オヤジが
　重要なポストに鎮座したりなんかするってのも問題ですが…

今年の球界再編問題で「球団トップには野球に対する愛が必要だ」
「球団経営にはビジネスセンスがなければ愛など役に立たない」
などの意見が交わされましたが，
やはり十年後，二十年後には，両方を兼ね備えた人が球界を
引っ張っていくべきだと思うんですね。
となると，一番の近道は現役の選手が経営・運営能力を身につけて
乗り込んでいくことだと思うんですよ。

昭和の国民的英雄・ミスター長嶋は
時代背景もあり，あまりに人がよすぎて御輿にのるしかできない
人生を送ることになりそうですが，
今は，ヒデ中田英寿が古巣ベルマーレのスポンサーになり，
あの若さで東ハトの社外役員を務める２１世紀です。

プロ野球の選手・元選手たちが力を出して，
球界を構造から変えて，みんなに愛されるものにしていってほしい。
今年の一連の球界再編の騒ぎは，その一歩になってほしいと思います。
そして，これからの世代の選手も，プレーだけでなく
もっと大きな意味で将来の球界を支えていってほしいと思うドラフトでした。


■■
※番外…楽天は自由獲得枠の一場のほか，
　４人，即戦力選手ばかりをとりましたが，その中の一人，
　２巡目指名のＮＴＴ東日本の渡辺恒樹投手が話題となっていますね。

　２６歳ということで他球団が手を出さなかったものの，
　即戦力がほしい思惑の楽天にとっては
　まさに理想の地元選手といったところでしょう。

　チーム内では渡辺が２人いるということでニックネームで呼ばれるも
　恒樹（こうき）なのに「ツネ」。　楽天は登録名「ナベツネ」も検討とか。
　本人は「父の了解が得られれば…」
　父親の名前がまさに渡辺恒雄，巨人前オーナーと同姓同名なんですと。

そのナベツネ投手よりさらに上，ドラゴンズは２８歳６月の樋口龍美投手を
自由獲得枠で獲得。ドラフト史上４番目，トップ指名では最年長記録。
ドラゴンズといえば「子連れルーキー市村」とかが記憶にありますが
　　　　あの頃は堂上・藤沢キミヤ…嗚呼，麗しの谷間中継ぎ投手陣！
まさに即戦力ということで，頑張ってほしいものです。


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