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坂東マサコ,告発迫り言い訳

2006-09-22 18:44:26 | ニュース
<子猫殺し告白>坂東さんを告発の動き…タヒチの管轄政府

 直木賞作家の坂東眞砂子さん(48)=フランス領タヒチ在住=が、日本経済新聞に寄稿したエッセーで告白した「子猫殺し」。その内容をめぐって余波が続いている。タヒチを管轄するポリネシア政府は、坂東さんの行為を動物虐待にあたると、裁判所に告発する構えを見せている。20日から26日は、動物愛護週間。坂東さんが、真意を語りたいと毎日新聞に寄稿した。 

坂東眞砂子さん寄稿…子猫を殺す時、自分も殺している
 私は人が苦手だ。人を前にすると緊張する。人を愛するのが難しい。だから猫を飼っている。そうして人に向かうべき愛情を猫に注ぎ、わずかばかりの愛情世界をなんとか保持している。飼い猫がいるからこそ、自分の中にある「愛情の泉」を枯渇させずに済んでいる。だから私が猫を飼うのは、まったく自分勝手な傲慢(ごうまん)さからだ。
 さらに、私は猫を通して自分を見ている。猫を愛撫(あいぶ)するのは、自分を愛撫すること。だから生まれたばかりの子猫を殺す時、私は自分も殺している。それはつらくてたまらない。
 しかし、子猫を殺さないとすぐに成長して、また子猫を産む。家は猫だらけとなり、えさに困り、近所の台所も荒らす。でも、私は子猫全部を育てることもできない。
 「だったらなぜ避妊手術を施さないのだ」と言うだろう。現代社会でトラブルなく生き物を飼うには、避妊手術が必要だという考え方は、もっともだと思う。
 しかし、私にはできない。陰のうと子宮は、新たな命を生みだす源だ。それを断つことは、その生き物の持つ生命力、生きる意欲を断つことにもつながる。もし私が、他人から不妊手術をされたらどうだろう。経済力や能力に欠如しているからと言われ、納得するかもしれない。それでも、魂の底で「私は絶対に嫌だ」と絶叫するだろう。
 もうひとつ、避妊手術には、高等な生物が、下等な生物の性を管理するという考え方がある。ナチスドイツは「同性愛者は劣っている」とみなして断種手術を行った。日本でもかつてハンセン病患者がその対象だった。
 他者による断種、不妊手術の強制を当然とみなす態度は、人による人への断種、不妊手術へと通じる。ペットに避妊手術を施して「これこそ正義」と、晴れ晴れした顔をしている人に私は疑問を呈する。
 エッセーは、タヒチでも誤解されて伝わっている。ポリネシア政府が告発する姿勢を見せているが、虐待にあたるか精査してほしい。事実関係を知らないままの告発なら、言論弾圧になる。

解説…動物の生と死、多角的議論を
 坂東さんは「子猫殺し」を発表することで、愛猫に抱く葛藤(かっとう)を伝えるとともに、過剰なペット依存社会に一石を投じ、動物の生と死について再考を促そうとした。しかし現状では、多角的で本質に迫る議論には発展していない。
 「雌猫3匹が産む猫を、がけから放り投げている」。この強い表現は、猫への愛情と罪悪感が希薄な印象で、読む側の不快感につながった。言葉を扱うプロだからこそ、意図を正確に届ける工夫がもっとほしかった。
 また、猫への避妊手術は、坂東さんの挙げる野良猫対策とは異なる側面もある。野良猫の7割以上がウイルスを持っているといわれる猫エイズの予防だ。治療法は確立されていないが、体液の接触感染が主な原因で、不妊・去勢手術を施してけんかや交尾の機会を減らせば防ぎやすくなる。
 現代社会の猫や犬は、単なるペットではなく、人生の伴りょとして扱われる。坂東さんに賛同する人は少ないだろう。ただ、私たちが「動物にとっての本当の幸せ」を知るすべはない。動物の飼育を「自分勝手な傲慢(ごうまん)」と考えている人はどれだけいるだろうか、人間に向かうべき愛情が動物に偏って注がれていないか……。坂東さん、そして社会が抱える病理を多数派の意見で押し込めてはならない。【鳴海崇】

子猫殺し 坂東さんが日経新聞8月18日夕刊でエッセー「子猫殺し」を掲載。飼っている雌猫に避妊手術をせず、子猫が生まれるとがけ下に投げていることを明らかにした。日経にはメールと電話で延べ1497件(今月19日現在)の意見が寄せられた。「残酷で不快」「動物愛護の精神に反する」「生命を軽視している」「避妊手術と、子猫を殺すことを同列に論じるのはおかしい」など、大多数が批判。少数だが「納得できた」「これからも生と死について書き続けて」との賛意もあった。
(毎日新聞-yahoo) - 9月22日

※これについて前回書いた記事
なぜ子猫を殺してはいけないのか?(8/24)

> 20日から26日は、動物愛護週間。
ってところで笑っちゃいけないところなんだろうけど。
狙ったかのようなしょうもないニュースだよなぁ…。

Yahooトピックスの見出しには「坂東さん「子猫殺し」真意語る」なんてあるけど,
べつに問題になったエッセイそのものや,日経自体や高知新聞に書いた
言い訳コラムと比べて特に目新しいことは書いてないし。
“激白!「私は人が苦手」”
ってところをポイントにする?「だからなんなんだ」(So what?)以上の
何の感想もない。

> 虐待にあたるか精査してほしい。
> 事実関係を知らないままの告発なら、言論弾圧になる。


「本当は殺してませんでした」以外に,虐待にあたらないケースはないと思うが。
もしくは「食用として飼っていたので」なんて変化球もある(私的には「あり」)けど
板東コラムの主旨と全く合わないし,フランス人は「猫を食べるなんて残酷」と
よけい炎上するかもしれないし。

赤の他人である日本の読者たちが「フランス政府に訴えろ」と実力行使に動いたのは
ヒステリックなバッシングといえなくもないが,
すべては,法にも触れ,かつ読む者の多くが不快感を感じるであろう動物殺しの行為を
堂々と,それも夕刊のファミリー向け枠のコラムで披露した自分がまいた種。
「猫の避妊手術と生まれた子猫を殺すこととどっちが虐待か」
法律論を戦わせたければ勝手にするがいい。


※その後,『ディロン~運命の犬』(本)の感想(9/4)を書いた際に
 板東コラムの意図・ねらいについて一定の理解は示した私ではあります。
 それでも,その記事の中に書いたように,
 母猫を第一人称にして「私は避妊はいやだ。しかし産んだ後のことは知らない」
 などと言わせる形にでもしてようやく風刺を込めた読み物として
 成立するかどうか
というところでしょう。

 まぁ結局,「私は人が苦手だ」と書いているように,
 コミュニケーション能力(および意志)がいささか欠けている初老の女が
 南の島に逃避して余計に世間の常識的感覚に疎くなったにもかかわらず,
 作家という,己の生み出した言葉が世間の目にさらされてなんぼという
 職業に止まり続けたが故の悲劇ってところでしょうか。

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だから何なんだ(景山 民夫/朝日新聞社)

南洋の島語り―タヒチからの手紙
坂東 眞砂子
毎日新聞社

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※この状況で読むとけっこうブラックユーモア。
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3 コメント

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ソース元は私も同じです(笑) (ikasama4)
2006-09-24 00:41:16
彼女は基本的に「生」と「死」を扱ってきた作品が多いようですからね。





この方は過去のコラムを見ても色々と書いてます。



『ドライブの楽しみは、鶏の死骸を発見すること』とか

『飼い犬が産んだ子犬を「始末した」』とか



まぁこれはコラムの一部分を意図的に切り出されているとこだけですが。



今回のコラムにそれを今、人が犯している問題と昔、人が犯した問題に

その国々で抱える価値観に対する疑問、

そして今の日本は

生に対する執着が薄い事や死という実感が薄いという点をあげているようです。



その意図するものは一理あると思います。

その意図はね。







だが、彼女がそう警鐘を鳴らす今の時代にこのコラムはフツーに文面を受け取ると

彼女こそ生に対する執着が薄くて死という実感がない人にしか見えないんですがねぇ(失笑)
返信する
私も見ました (d_d-)
2006-09-23 07:04:19
コメントありがとうございます。

8月に書かれた記事ですが,私は昨日「痛いニュース」で初めて見ました。一言で片付けたという点ではうまい切り返しですよね。所詮ラーメン屋のおやじの一言で論破されるような,素人でも両手で足りないほど突っ込み所のある文しか書けない人ってことです。

ただ,オスを飼ったところで去勢しなきゃよそのメス猫を孕ませるわけで,近所にネコのいない環境で飼うという条件のみでこれがベスト。それでも「発情期のオスを前に性の喜びを得られず苦しむ姿を見るに堪えない」とかなんとか屁理屈をつけて否定しそう。

そもそも,最初のコラム自体が「小猫を殺したくて産ませてるんじゃないか」と感じさせる代物でしたから,批判側の「○○すればいいのに」は全く無意味なんだと思ってます。
返信する
こんばんは (ikasama4)
2006-09-23 00:08:08
どうにもこうにも議論を無理矢理にでも広げようとしてるんで、どうまとまるかはわかりませんが



http://blog.livedoor.jp/japaneasy/archives/50559015.html

この方の回答で丸く収めてほしいものです(笑)
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