7/6に「俺,二次元ロリコンじゃないと思うのですが…昨日今日見た美少女アニメについて」で,その前日に見た『テレパシー少女蘭』と,春クール開始で高ポイントのアニメとして『絶対可憐チルドレン』と『二十面相の娘』を挙げまして,絶チルと作者の椎名高志先生について語って字数の都合で二十面相の娘については後ほど…としてたら,あっという間に1クール近く経っちゃいました…。もう最終回ですよ。
※アニメ公式サイト http://www.chico-tv.com/
養父母に命を狙われる孤独な日々を送っていた美甘(みかも)家の令嬢・千津子(チコ)は,世紀の怪盗・二十面相にいざなわれて未知の冒険の世界へと旅立つ。
初めて触れる自由な空気,新しい仲間に囲まれ,自分の居場所を見つけたチコは,少しずつ変わっていく。
“二十面相の遺産”と呼ばれる巨大な謎を巡って起こる数々の奇怪な事件。それにまつわる人びとの哀しい思惑。
チコは,それでも前に進まなくてはならなかった。その先に,さらなる数奇な運命が待ち受けていたとしても……。
まさに公式紹介でいうところの「スピード感のある冒険活劇の中に,健気で,凜とした佇まいの美少女チコの,11歳から13歳までの「心の成長」を描いていく」につきる,ストーリー・作画ともに日本アニメのクオリティの高さを堪能できる傑作です。
前半は,デビそっくりの義母・淑恵に毒殺を図られ,痩せ細り(義母の出す料理の異常に気付いていて口をつけなかった)未来のない生活を過ごしていた千津子のもとに怪盗二十面相が現れ,世界中を飛び回り巧みにお宝を盗み出す旅にいざなう。
後半は,二十面相の一団が襲撃を受けて壊滅状態になり,生き残ったチコは日本へ帰国,二十面相に捨てられたと嘆き怒るケンや,チコが謎のカギを握る?「二十面相の負の遺産」を巡り白髪鬼,“教授”などの敵が迫り来るというストーリー。
戦後間もない日本というプチ異世界感・懐かしさや時代の空気を感じさせるきれいな作画とアクションシーンのスピード感,動き回る空間のスケールの大きさ(広さも高さも。まさに空間!)が本当に素晴らしい。走る・跳ぶ・飛行船や工場跡でぶら下がったひもにつかまりスイング移動する…これらが見ていて思わず,危ない!怖い!痛い!と思わせる疾走感。すばらしいです。
原作がもともとそうだというせいもありますが,ストーリーもスピード感ありすぎの突っ走りぶりです。
序盤からいきなり舞台が日本を飛び出して世界に広がる,すげーと思ったらあっという間にチコの居場所,仲間がぶっ潰され,日本に舞い戻るはめに。「二十面相の娘」と好気の目に晒されながら鬼義母のもとからお嬢様学校に通う息苦しい生活ってどんなスケールダウンだよと思ったら,東京壊滅の危機!ってほどの大大事に発展していくとわ!!原作の1巻分を1回の放送でやっちゃったりとか,もうメリハリききまくりです。
原作の予備知識なしで見始めたのでエンディングの「少女探偵団」のチコ以外の2人(小糸春華(=しゅんか)お嬢さんとトメさん)が誰なのかさっぱりわかりませんでしたが,第2クールに入り,日本に帰ってきたチコのパートナーとなる親友とお手伝いさんだったんですね(らき☆すたOPに出てくる下級生たちと同パターン)。
声もいいですよね。時代の空気感を重視して洋画の吹き替えを主にされている声優さんを配したレギュラー陣の中で,平野綾さん,アニメお決まりの表情の出し方から軌道修正する必要に迫られながら,いたいけな11歳から健気で心根の強い13歳への成長を見事に演じきりました。
毎回のエンディング,提供クレジットが出るだけなのに「ここまでの放送は~の提供でお送りしました」とアナウンスが入って「ここまでってこの後何もないだろ」と突っ込みたくなるのですが,最後の数秒,次回のタイトルが表示されて,チコの「おじさん!」というセリフが出てくる趣向。あれ,誰のアイデアなんでしょうね~?おじさんたまりませんわ。あの一言を毎回毎回ちがうニュアンスで呼びかけて,プロ声優さんのすごさを感じましたよ。
日付が変わって今日見た最終回「チコ」は原作全8巻の後に位置するおまけエピソードのようなものですが,なかなか悪くない,チコや春華,二十面相ファミリーに対する愛が感じられる1話でした。日本で暗く孤高の存在だったチコが留学先で人気者になっている,春華が3年前の少女探偵団のノリで話そうとするとなんかビミョーな空気。誰だって月日と共に変わっていく。けれど,心の中の友情や愛情はいつまでも変わらなかった。誰でも人生の節目がいくつもやってきて,近しい人と縁遠くなってしまう経験もたくさんするわけですけど,それですべてを失う訳じゃない,前を向いて成長していかないとね。
さきほど絶賛しました作画面,回が進むと顔の表情とかは傑出しているというわけではない,標準レベルかなという感がしてきたりもしたのですが,キャラデザイン等きっちりすばらしい仕事をした上でスタートしたというのは間違いありません。原作の二十面相も男前なんですけど,いつも唇がガサガサしてるのが読んでてどうにもこうにも気になるんですよね…。
そして疾風怒濤のように半年間を駆け抜けた全22話,私としては,日本を飛び出して世界に旅立った二十面相の一味がサーカス団に扮しながらお宝をゲットし回る旅を描いていくだけで半年や1年はかるく楽しめただろうに…とモッタイナイ感しきりだったのですが,その思いは編集サイドも同じだったようです。原作8巻分を描き終えて完全燃焼しその後のストーリーは一切描く気がなかった作者ですが,現在『コミックフラッパー』でチコと二十面相の仲間たちの旅を描いた『二十面相の娘うつしよの夜』を連載中。旅の話なのにアットホームなエピソードの数々がうれしいかぎりです。
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養父母に命を狙われる孤独な日々を送っていた美甘(みかも)家の令嬢・千津子(チコ)は,世紀の怪盗・二十面相にいざなわれて未知の冒険の世界へと旅立つ。
初めて触れる自由な空気,新しい仲間に囲まれ,自分の居場所を見つけたチコは,少しずつ変わっていく。
“二十面相の遺産”と呼ばれる巨大な謎を巡って起こる数々の奇怪な事件。それにまつわる人びとの哀しい思惑。
チコは,それでも前に進まなくてはならなかった。その先に,さらなる数奇な運命が待ち受けていたとしても……。
まさに公式紹介でいうところの「スピード感のある冒険活劇の中に,健気で,凜とした佇まいの美少女チコの,11歳から13歳までの「心の成長」を描いていく」につきる,ストーリー・作画ともに日本アニメのクオリティの高さを堪能できる傑作です。
前半は,デビそっくりの義母・淑恵に毒殺を図られ,痩せ細り(義母の出す料理の異常に気付いていて口をつけなかった)未来のない生活を過ごしていた千津子のもとに怪盗二十面相が現れ,世界中を飛び回り巧みにお宝を盗み出す旅にいざなう。
後半は,二十面相の一団が襲撃を受けて壊滅状態になり,生き残ったチコは日本へ帰国,二十面相に捨てられたと嘆き怒るケンや,チコが謎のカギを握る?「二十面相の負の遺産」を巡り白髪鬼,“教授”などの敵が迫り来るというストーリー。
戦後間もない日本というプチ異世界感・懐かしさや時代の空気を感じさせるきれいな作画とアクションシーンのスピード感,動き回る空間のスケールの大きさ(広さも高さも。まさに空間!)が本当に素晴らしい。走る・跳ぶ・飛行船や工場跡でぶら下がったひもにつかまりスイング移動する…これらが見ていて思わず,危ない!怖い!痛い!と思わせる疾走感。すばらしいです。
二十面相の娘 (1) (MFコミックス)小原 愼司/メディアファクトリー |
序盤からいきなり舞台が日本を飛び出して世界に広がる,すげーと思ったらあっという間にチコの居場所,仲間がぶっ潰され,日本に舞い戻るはめに。「二十面相の娘」と好気の目に晒されながら鬼義母のもとからお嬢様学校に通う息苦しい生活ってどんなスケールダウンだよと思ったら,東京壊滅の危機!ってほどの大大事に発展していくとわ!!原作の1巻分を1回の放送でやっちゃったりとか,もうメリハリききまくりです。
原作の予備知識なしで見始めたのでエンディングの「少女探偵団」のチコ以外の2人(小糸春華(=しゅんか)お嬢さんとトメさん)が誰なのかさっぱりわかりませんでしたが,第2クールに入り,日本に帰ってきたチコのパートナーとなる親友とお手伝いさんだったんですね(らき☆すたOPに出てくる下級生たちと同パターン)。
声もいいですよね。時代の空気感を重視して洋画の吹き替えを主にされている声優さんを配したレギュラー陣の中で,平野綾さん,アニメお決まりの表情の出し方から軌道修正する必要に迫られながら,いたいけな11歳から健気で心根の強い13歳への成長を見事に演じきりました。
毎回のエンディング,提供クレジットが出るだけなのに「ここまでの放送は~の提供でお送りしました」とアナウンスが入って「ここまでってこの後何もないだろ」と突っ込みたくなるのですが,最後の数秒,次回のタイトルが表示されて,チコの「おじさん!」というセリフが出てくる趣向。あれ,誰のアイデアなんでしょうね~?おじさんたまりませんわ。あの一言を毎回毎回ちがうニュアンスで呼びかけて,プロ声優さんのすごさを感じましたよ。
日付が変わって今日見た最終回「チコ」は原作全8巻の後に位置するおまけエピソードのようなものですが,なかなか悪くない,チコや春華,二十面相ファミリーに対する愛が感じられる1話でした。日本で暗く孤高の存在だったチコが留学先で人気者になっている,春華が3年前の少女探偵団のノリで話そうとするとなんかビミョーな空気。誰だって月日と共に変わっていく。けれど,心の中の友情や愛情はいつまでも変わらなかった。誰でも人生の節目がいくつもやってきて,近しい人と縁遠くなってしまう経験もたくさんするわけですけど,それですべてを失う訳じゃない,前を向いて成長していかないとね。
さきほど絶賛しました作画面,回が進むと顔の表情とかは傑出しているというわけではない,標準レベルかなという感がしてきたりもしたのですが,キャラデザイン等きっちりすばらしい仕事をした上でスタートしたというのは間違いありません。原作の二十面相も男前なんですけど,いつも唇がガサガサしてるのが読んでてどうにもこうにも気になるんですよね…。
二十面相の娘うつしよの夜 (2) (MFコミックス フラッパーシリーズ)小原 愼司/メディアファクトリー |
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霞『二十面相の娘』OP369,リョージ,TASUKUビクターエンタテインメント | unnamed world『二十面相の娘』ED平野綾,畑亜貴,黒須克彦,nishi-kenLantis(K)(M) | TVアニメ「二十面相の娘」オリジナルサウンドトラックランティス |