『SP』の後番組として始まった『ロス・タイム・ライフ』
第1回の放送を見まして,遅くなりましたが感想を書いておきます。
この設定でこの主人公ということで,起きる出来事は
だいたい予想がつくものばかりでしたが,
泣けるといいますか,けっこう登場人物に感情移入できる
いい話にまとまっていたと思います。
中山春彦(瑛太)は「現場で死ねたら本望」と言う報道カメラマン。事故や事件の現場では危険をかえりみず誰よりも前へ出て行って、臨場感のある写真を撮ることだけを考えている。今日も火災現場で逃げ遅れ泣き叫ぶ少年の写真を撮って夕刊紙に持ち込んだばかりだ。ある日、夕刊紙のデスク・篠田(小市慢太郎)からの「麻薬取引のガサ入れがある」という情報を元に、とあるクラブに潜入した中山。カメラを手に奥へ進むと、強面の男と鉢合わせしてしまう。隙をついて逃げ出した中山だが、裏路地で別の男に発砲される。
ところが、中山が目を開くと弾丸がスローモーションになっており、電光掲示板を掲げたサッカーの審判団が現れた。提示された中山のロスタイムは4時間17分。自分の死と、ロスタイムを与えられた状況に戸惑いつつも、人生最後の写真を撮るべく走り出す中山。
しかしそう都合良く事件が起きるはずもなく、スクープ写真を求めて街を歩く中山の前で産気づいた妊婦(中込佐知子)が助けを求めてきた。なりゆきで分娩室まで付き合った中山は、帰り道に自分が撮ったものとは違う写真が夕刊紙に使われていることを知る。篠田に激しく抗議するも、逆に写真の撮り方を否定され愕然とする。
憔悴して部屋に戻った中山は、ふと5年前に別れた彼女・岩田百合子(吹石一恵)を思い出した。残り時間は1時間15分、意を決して百合子のアパートまで行く中山だが、チャイムを押す勇気がなかった。そのため電話をかけると百合子から結婚して娘がいると聞かされた。
そのまま近所の公園で落ち込んでいた中山は、公園に遊びに来た百合子の娘と鉢合わせする。会話をするうちにその子が自分の娘であることを察して驚愕する中山。しかし、残り時間は10分をきり審判団に促されて発砲された現場に戻ることになった中山は娘にカメラを渡す。
現場に戻ってきた中山が目をつぶると試合終了のホイッスルが鳴った…。その後、百合子の家には中山が撮った百合子と娘の写真、娘が撮った中山の写真が並べて飾られていた。
※公式ページ,思いっ切りネタバレ
瑛太さん演じるカメラマンは危険を顧みず臨場感のある
写真を撮ることにすべてをかける,
つまり自分の命も人の命も大切にしない。
そんな彼が死を迎えるにあたって,納得のいく1枚を残したいと思う,
しかし,成りゆきで時間がないのに人助けをするはめになる,
写真のことはあきらめて,かつて仕事にかまけて
別れた彼女のことを思いだす。
幼い娘がいる。名前はライカ。え?そんなカメラの名前なんか
つけたら今の夫がいやがるだろ!
「パパはいないよ」今いくつ?「4歳」ってことは…。
うまいなー。
サッカーの審判団といい,実況&解説といい
ふざけたフォーマットで進行するドラマなんでどうなることかと
思いましたが,けっこう最後まで入り込んでみられましたね。
生きている間に彼がこだわってきたことの小ささ,
省みなかったものの大切さを思い知るできごとが
次々と起こっていく,その具体的なできごともかなり
お約束的なことばかりでしたけど,うかつなことに最後の
オチだけは想定してなかったんで本当にやられたって感じでした。
愛した男の負担になるまいとひっそりと去っていき
何も話さないいじらしい女性という設定もこれまで
いくつも目にしてきたはずなのに。
ただ1つ,色んな意味でおかしかったのは
主人公が死ぬまでに過ごしたロスタイムの4時間17分,
しっかり実世界でも時間がたっていて,彼を撃ち殺す男だけが
止まってると。
彼だけは短銃を発射したとたんいきなり夕方になって
奇怪にもほどがあるw。
瑛太さんて,やさげな男前ながらいい演技しますね。
シチュエーションが先行するため簡単な(個性を盛りこみづらい)役
とはいえ,重すぎず軽すぎず,ドラマのスピード感に乗って
見る側が話に入り込みやすい好演だったと思います。
CMでしか見た事ありませんでしたが,いいですね。
そして小市慢太郎さん!彼のデスクはもう存在感といい
演じる性格といい実在そのものって感じで惚れ惚れしますね。
「お前の写真は筆が走らない。事件を撮っているだけで
人間がいない」まさに生の声って感じで説得力ありました。
吹石一恵さんの演じた元カノも今どき珍しい。慎ましい
女性がぴったり合っていましたね。
『フルスイング』でもレギュラーで,肩肘張った剣道部の顧問役
だったんで,ちょっとそのイメージがかぶって戸惑いましたがw
こういう題材のドラマや漫画って,『東京爆弾』のおじさんなり
『イキガミ』の藤本なり,『世にも奇妙な物語』のタモリ氏なり
なんかしらの案内役というか狂言まわしがいるものですが
このドラマは完全に各話の主人公が別個で独立した話になってるんですね。
共通するのは主審・ラインズマン・残り時間の表示係と
温水さん(今回はタクシーの運転手役)くらいなんでしょうか。
こういうテーマで別々の主演者・スタッフで競作すると
先にやったもの勝ちという気がしてしまうんですが,プロなら
全然困らないくらいアイデアのバリエーションはあるんでしょうね。
死因は不慮の死に限られるんでしょうか?
他の8話についても楽しみです。
ロス・タイム・ライフ 公式ページ~フジテレビ
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