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「監督名+ジャパン」はやめろ。本気で。

2008-08-24 22:57:43 | スポーツ
もうこのまんまです。
大きな国際大会がある際に,
マスコミは大衆の興味・関心をスポーツに引こうとして
安易なワンパターンのネーミングを乱発するのはやめてもらいたい。

今回の北京五輪,日本勢の結果はざっとこうです。

水泳個人金2銅2・男子4×100mメドレー
体操男子団体銀・個人総合銀
女子レスリング(フリー)4階級すべてメダル獲得(金2銀1銅1)
男子レスリング(フリー)2階級メダル獲得(銀1銅1)
女子柔道金2銀1銅2
男子柔道メダルは内柴・石井の金2のみ。
陸上(トラック)男子4×100mリレーでアジア初の銅メダル
自転車(トラック)男子ケイリンで銅メダル
フェンシング男子フルーレで初の銀メダル
男子バレー
(植田ジャパン)
16年ぶりの五輪,メダルを目標に躍進を期すも5戦全敗
女子バレー
(柳本ジャパン)
1次リーグ6ヶ国中4位で決勝T進出も準々決勝敗退
男子サッカー
(反町ジャパン)
OAなしで参戦,3戦全敗
女子サッカー
(なでしこジャパン)
初のベスト4進出
ソフトボール
(斎藤春香監督)
悲願の金メダル獲得
女子ホッケー
(さくらジャパン)
1次リーグ6ヶ国中5位。
新体操
(フェアリージャパンPOLA)
2年間もの合宿が実り2大会ぶりの出場を勝ち取るも,予選12ヶ国中10位で予選落ち。
シンクロナイズドスイミング(ビューティーマーメイド)デュエットでは銅メダル死守も,チームでは井村コーチが渡ってたった1年半の中国に負け,唯一の全大会メダル獲得国の座を陥落。
野球
(星野ジャパン)
予選通過4か国中最下位,準決勝&3位決定戦も負け4勝5敗。


格闘技や団体球技での“戦う”女子代表勢
活躍・躍進が目につきますが,一方で沈んで見えるのが
なんちゃらジャパンと称されたチーム一同。

で,「なでしこ」「さくら」「マーメイド」「フェアリー」は
公式の呼び名で,これらチームはよく頑張ったと思います。
なでしこは準決勝・3位決定戦ともに
世界のトップ国相手に力負けしたとはいえ
絶体絶命の崖っぷちから驚異的な集中力で1次リーグ突破,
準々決勝で力的には恵まれたとはいえ
1次予選で大爆発していた地元中国を相手に勝利し堂々の4位を勝ち取りました。
マーメイドは次回ロンドン大会に向け
かなり危機的な状況ではありますが,デュエットの銅は死守。
これまで20年以上もトップクラスを維持し続けたこと自体が驚異的なのです。
フェアリーは苦手のロープで9位につけるも
2日目のフープ+クラブでミスが出て10位予選落ち。
シドニー5位の位置を回復するには至りませんでしたが
アテネの出場権を失う転落による協会の危機感は尋常でなく
この2年間の強化の結果を踏まえ更なる改善が望まれます。

問題はそれ以外の「監督名+ジャパン」
マスコミが勝手に呼んでいる通称なわけですが
4年に1度の,世界各国が注目し,国によっちゃそれこそ
戦争なみに本気出して戦いに集まる国際大会に臨む代表チームを
監督の名前で呼ぶって,
あまりにもドメスティック,内向きでちんけな発想じゃないですか?

そりゃ,チームの力量は指導者で大きく左右されます。
中国シンクロチームをたった1年7ヶ月でメダリストに
育て上げた井村コーチは言うに及ばず,
例の野球にしても金メダルを獲得した韓国の金監督と
星野さんとでは采配や立ち居振る舞いに雲泥の差があったといいます。

しかし,グラウンドやコートに出て戦うのは選手,
それも十数人~二十数人(ベンチ入り)のチームです。
国を背負って牙を剥いてくる各国代表を相手に戦うのに
「だれそれジャパン」て。
相手国はじめ他国の選手やファンからすれは「ハァ?」でしょう。

国/地域対抗戦に歴史のあるサッカーやラグビーでは
「セレソン/カナリア軍団」なり
「アズーリ」「レ・ブルー」なり「オールブラックス」
「サッカルーズ・ワラビーズ」「オランイェ=オレンジ軍団」
「スリーライオンズ」「砂漠の太陽」「無敵艦隊」
「レゲエボーイズ」「カルタゴの鷲」「マジック・マジャール」

…などなどといった愛称がついているわけですが

※順に,ブラジル,イタリア,フランス,
 ニュージーランド,豪州,オランダ,イングランド,
 サウジアラビア,スペイン,ジャマイカ,チュニジア,
 ハンガリー。他の愛称があったりとか今は使われてない
 という場合も有りえますのでご了承を。

 
どれもその国で応援するファンがおらが国の代表として
誇りと親しみを持って呼ぶ名であり,
他国からは敬意や親しみ,場合によっちゃ畏れをもって
呼ばれる名前です。
それは「だれそれジャパン」じゃ無理でしょう。
マスコミでは監督が替わる度に愛称もころころ変わって
目先が変わったほうが売りやすいんでしょうが
それはスポーツを盛り上げる行為とは筋が違う。


あと,「ジャパン」て日本語じゃないでしょ。
「セレソン」はポルトガル後で「代表」「選抜」って意味だし
「マジャール」はハンガリーの主要民族だし
カンガルーやワラビー,ライオンはその国を象徴する(その国に
いなくて国旗や紋章に使われている場合もあり)動物だし
ユニフォームの色を愛称にする場合はその国の言語でいうから
単に色名を言うだけでその国の代表を示すことができるわけで。

そういう意味では,
サッカー日本代表の「ブルース」「サムライ・ブルー」
「ジーコ・ジャパン」がW杯ドイツ大会でこけて縁起が悪い以前に
語呂が悪すぎた。
日本人は青という色は好きでも「青」という言葉
にいい意味は感じない,そこへもってきて,
さわやかだけど強いというニュアンスももたない,
勝利の場にも縁のない「ブルー」を噛ませてどうする。
英語はカッコイイ,英語なら国際的に通用するという
考えがあったのかもしれないけれど国内外ともに
浸透しなかったんだから,ダメってことでしょう。

個人的には「サムライ」は選ばれた選手も応援するファンも
誇りをもてるし,勇敢で潔く正々堂々と戦う戦士であれと
スローガンの役目も果たせるすばらしい言葉なんで
男子代表チームではどのスポーツでも使って欲しいと思ってます。
(ラグビーの日本代表は“桜軍団”の健闘・活躍に対して
 「チェリーブラッサムズ」と呼ばれるそうなのでそれはそれで。)

あとは無理に英語なんか噛ませなくても
「侍軍団」でいいんですよ
「SAMURAI-GUNDAN,what?」「オー,軍団=corps。サムライの軍団なんてすごそうです」「それではGUNDAMもGUNDANからきてるんですか?」てなもんで,ちゃんと「岡田ジャパン」がアジア最終予選を勝ち抜いて,南アフリカ大会で「サムライ軍団」のフレーズを売り出せば「侍軍団」(漢字)Tシャツが外国の方々にもバカ売れですよ。

で,問題のジャパンですよ。
僕は,この言葉,かなり縁起のわるい言葉だと思ってます。
チャイナが「陶器」なら,ジャパンは「ウルシ」ですよ。
螺鈿はすばらしい芸術ですし漆器は日本が世界に誇れる工芸ですが
戦う者の名前には全く向いていない。
動物の名前はおろか花の名前にも言霊のパワー的に負けていると思います。

現に,「監督+ジャパン」の名で呼ばれて期待レベルの
成績を残したチームって,アジア予選なしで臨んだ日韓W杯で
史上初の1次リーグ突破を達成した「トルシエ・ジャパン」
くらいのもので,あとは北京五輪の各種目代表にしても
アテネ五輪の「長嶋ジャパン」にしてもがっかりな結果に終わってるじゃないですか。

※第1回WBCの日本代表については私も当ブログで
 関連エントリーを4件書いたすべての中で「王ジャパン」て
 書いてるんですけど,あの大会,メジャー選手会の顔色を見てばかり
 開催国アメリカの金儲け至上のルールや運営に言いなりのNPBに
 批判が集まったり,出場辞退選手が続出するなど
 始まる前からネガティブな雰囲気が漂っていた上に
 1次リーグでは最後の最後まで敗退濃厚という悲惨な状況で
 「王ジャパン」と雰囲気が盛り上がりだしたのって本当に決勝Tに
 入る頃,最後の3試合くらいだと思うんですよね。たしか。


ほかに,たとえば競馬。
名付けるほうも当然持ち馬の中でも特に期待する馬につけるであろう
「ジャパン」という言葉を名に持つ競走馬はごまんといますが
アドマイヤジャパンが2005年の菊花賞で2着に入ったくらいで
その次は函館3歳S勝ちがピークのマイネルジャパンといったところ。
完全に名前負けしてる馬ばかりです。
あとは今年2歳の2戦2勝馬ツルマルジャパン(2代目)がどうなるか
といったところですが…。

ついでにいえば
郷ひろみさんも1984年の紅白で華々しく
『2億4千万の瞳~エキゾチックジャパン』を歌い,
当時話題のカップルとして松田聖子さんと踊ったりしましたが
ご存じのとおり彼女とは破局。
郷さん自身も翌年1985年の出場で紅白連続出場がストップ,
つか,1986~93年の間芸能活動休止です。
まあ芸能界では休養や充電はよくある話ですし
今もほとんど唯一無二の存在として御活躍されているわけですから
あくまで冗談として聞き流していただければと思います。
また,XがX-Japanになったから運が悪くなったとかいうのも
失礼な話です(あれだけ成功を収めたロックバンド,
毎日が一般の常識とは別世界の生活になるわけですから
各メンバーの波瀾万丈はある程度起こりうる話でしょう)。

ともあれそんなフレーズ,国を背負うという誇りも責任もない
国内の今だけで通じる「監督名」+縁起のわるい「ジャパン」
の名で
選手たちはマスコミから取材の際に呼ばれ,
報道でもいちいち目にするわけですよ。
ダメですってそりゃ。

マスコミも,代表チームを送り出す競技の協会も
そこのところをしっかりと考えてほしいものです。


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