北京五輪の柔道,開幕直後の9日のエントリで
> 国際大会に適応しポイント重視の勝つ柔道を身につけた
> (そのため国内ではヒール扱い)石井 慧選手に
> 先陣を切って欲しかったんですけど,最重量級なんで
> 出てくるの最後なんですよね~。
> これだと,日本勢が壊滅的な成績に終わった後に面目を保つ金を獲る
> って形以外にあまりかっこうがつかないんでね…(^_^;)
って書きましたけど、男子に関してはまさにそんな感じになってしまいました。
男子は6階級を戦ってメダルは内柴選手の1個、
初戦かその次くらいで消える選手ばかり続いて枕を並べる討ち死に状態。
その極めつけは、アテネ最重量級金メダルの鈴木桂治選手、
その後(金)を獲ったとはいえ格下のモンゴル選手の攻めを
かわし続ける戦いの末完全にかつぎ上げられて背中から叩きつけられる
屈辱の一本負け。さらには敗者復活戦でも抜け殻のような戦いぶりで
あっさり一本負けする恥の上塗り状態。
これで、最後の最後、まさに最後の砦となった石井選手が
(金)を獲ることで、男女合計の金メダル数4と国別獲得数トップを死守
最低ラインの面目を保ちました。
■柔道 男子100kg超級
■準決勝 vsラシャ・グゼジャニ(グルジア)
<一本勝ち>~上四方固め
序盤の1分でいきなり自分からつぶれて肩を負傷、
3分頃、石井選手に締められてまいったするものの主審が見てなくて「待て」
ポイントで有効以上の差がついているのに残り1秒で固めに入られて
この試合“2度目の”まいったをして一本負け。
グゼジャニ選手にはとても申し訳ないですが、超ウケさせてもらった一戦でした。
この後の3位決定戦でも、肩痛そうにしながらかなり頑張ったのに
力及ばず「やんなきゃよかった」といわんばかりの顔をしてたのが印象的でした。
■決勝 vsアブドゥロ・タングリエフ(ウズベキスタン)
<優勢勝ち>
勝利後のインタビューで石井選手、「ずっと一本で勝ち進んできました」
と振られて「決勝の、確実に勝つ試合が僕の柔道です」と反骨アピール。
でも、終始攻め続ける姿勢はとても頼もしかったです。
まあ、かなりかかりの浅い足技が多かったので、
返されないか(もしラテン系のバネの効いた選手相手だったら…)と
少し心配しながら見ている点はありましたけどね。
「スポーツやってるつもりはないんで。
戦いをやってるんで」 と世界戦に通用しない「きれいな柔道」を
全否定してみせるヒールぶり。
でも、なんだかんだいって、ポイントを完全にリードしていても
最後の1秒まで攻め続けた姿勢は
欧州勢の掛け逃げやら反則狙いやらの卑怯なJUDOとは
明らかに一線を画していたわけで、
結局、男子柔道勢の中で彼が一番「一本をとりにいく柔道」を体現していた
といわざるを得ません。日本の柔道界はこのアンチテーゼを
真摯に受け止めないといけないでしょう。
実況で「日本選手権では辛口だった篠原さんも今日は大絶賛ですね」
篠原氏「活躍した選手を見るとね、人一倍練習してますよ」
というやりとりがなされたように、
練習量に裏付けられたのであろう運動量とパワー・スタミナで
最初から積極果敢に攻めて相手を圧倒できた選手が男女問わず
勝ち進んでいました。(そういう意味では、同じ銅でも
内容的には谷選手の銅より中村選手の銅のほうが上だったかな
と思います。この2人では背負ってきたものが違いすぎますけどね…)
ともあれ、石井選手、おつかれさまでした。金メダルおめでとうございます。
●五輪=男子柔道100キロ超級で石井が金、初出場の21歳が最重量級制す (ロイター - goo ニュース)
●柔道石井が金 男子100キロ超級(共同通信) - goo ニュース
●天衣無縫の最重量級王者=「勝ち」にこだわり頂点へ-石井慧〔五輪・柔道〕(時事通信) - goo ニュース
●【北京五輪】柔道 石井「救世主」になる 低迷男子に金メダルを(産経新聞) - goo ニュース
「金メダルのプレッシャーなんか、斉藤先生のプレッシャーに比べたら
へのつっぱりにもなりませんよ」
と語ってましたけど、自分が五輪代表に選ばれたことによる全日本監督の
プレッシャーというよりは、ソウル五輪で「金ゼロ」の危機を土壇場で救った
現役時代のことを指していたのでしょうかね。
■柔道 女子78kg超級
●五輪=女子柔道78キロ超級で塚田は銀メダル、決勝で強敵に逆転負け(ロイター) - goo ニュース
●柔道、石井初出場で「金」 塚田は逆転負けで「銀」(共同通信) - goo ニュース
■準決勝 vsルチヤ・ポラウデル(スロベニア)
<一本勝ち>~横四方固め
男子の柔道もモンゴル、ウズベキスタン、グルジアなど
多くの国の選手が躍進していましたがスロベニアのポラウデル選手も
よく動いて健闘しましたが塚田選手、がっちり攻めて一本勝ち。
残り時間で準決勝もう1試合を見る余裕もあったのではないでしょうか。
■決勝 vs佟 文トウ・ブン(中国)
<一本負け>
いや~、惜しかった。記録上は残り8秒、技の掛け始めは
残り11秒でしょうか。
有効のポイント差がついてからそれをいかに守るかという戦いになり
すごく消耗は激しかったと思います。
何度もトウ選手の胸元がはだけひんぱんに「待て」の休みがはさまる
展開、50秒、40秒と小刻みに時間が減っていくのが
すごく長く感じられました。
そして運命の一瞬…一瞬視界から消えるほど低く潜り込まれての投げ技、
あれは避けようがなかったかもしれませんが、
ほとんどうつぶせのような状態からごろっとひっくり返されて
しまったのは、最後の体力が残されてなかったのか…という感が。
すごく残念でした。
終わってみれば、地元中国の世界王者(でも五輪では無冠)の
トウ選手を劇的なドラマの主人公にする、あの場全体と
しては最高の演出となったわけですが、ここまで努力を重ね続けて
充分に力をつけてここまで見事な試合を重ねてきた塚田選手には
花を持たせる引き立て役になってしまったというのは
たまったもんじゃないですよね…。
できれば次、リベンジを目指して欲しいところですが
まずはゆっくり休んでほしいと思います。
■ここまでの五輪関連エントリ
快挙・「なでしこJpn」強豪ノルウェーに圧勝し決勝T進出
すごいとしか言いようがない北島100m平V2
内柴選手2大会連続「金」・中村美里選手「銅」
ハイ,消えた・サッカー日本。で提案なんですが
谷亮子選手「ママで銅」
北京五輪開幕・谷・三宅・平岡
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> 国際大会に適応しポイント重視の勝つ柔道を身につけた
> (そのため国内ではヒール扱い)石井 慧選手に
> 先陣を切って欲しかったんですけど,最重量級なんで
> 出てくるの最後なんですよね~。
> これだと,日本勢が壊滅的な成績に終わった後に面目を保つ金を獲る
> って形以外にあまりかっこうがつかないんでね…(^_^;)
って書きましたけど、男子に関してはまさにそんな感じになってしまいました。
男子は6階級を戦ってメダルは内柴選手の1個、
初戦かその次くらいで消える選手ばかり続いて枕を並べる討ち死に状態。
その極めつけは、アテネ最重量級金メダルの鈴木桂治選手、
その後(金)を獲ったとはいえ格下のモンゴル選手の攻めを
かわし続ける戦いの末完全にかつぎ上げられて背中から叩きつけられる
屈辱の一本負け。さらには敗者復活戦でも抜け殻のような戦いぶりで
あっさり一本負けする恥の上塗り状態。
これで、最後の最後、まさに最後の砦となった石井選手が
(金)を獲ることで、男女合計の金メダル数4と国別獲得数トップを死守
最低ラインの面目を保ちました。
■柔道 男子100kg超級
■準決勝 vsラシャ・グゼジャニ(グルジア)
<一本勝ち>~上四方固め
序盤の1分でいきなり自分からつぶれて肩を負傷、
3分頃、石井選手に締められてまいったするものの主審が見てなくて「待て」
ポイントで有効以上の差がついているのに残り1秒で固めに入られて
この試合“2度目の”まいったをして一本負け。
グゼジャニ選手にはとても申し訳ないですが、超ウケさせてもらった一戦でした。
この後の3位決定戦でも、肩痛そうにしながらかなり頑張ったのに
力及ばず「やんなきゃよかった」といわんばかりの顔をしてたのが印象的でした。
■決勝 vsアブドゥロ・タングリエフ(ウズベキスタン)
<優勢勝ち>
勝利後のインタビューで石井選手、「ずっと一本で勝ち進んできました」
と振られて「決勝の、確実に勝つ試合が僕の柔道です」と反骨アピール。
でも、終始攻め続ける姿勢はとても頼もしかったです。
まあ、かなりかかりの浅い足技が多かったので、
返されないか(もしラテン系のバネの効いた選手相手だったら…)と
少し心配しながら見ている点はありましたけどね。
「スポーツやってるつもりはないんで。
戦いをやってるんで」 と世界戦に通用しない「きれいな柔道」を
全否定してみせるヒールぶり。
でも、なんだかんだいって、ポイントを完全にリードしていても
最後の1秒まで攻め続けた姿勢は
欧州勢の掛け逃げやら反則狙いやらの卑怯なJUDOとは
明らかに一線を画していたわけで、
結局、男子柔道勢の中で彼が一番「一本をとりにいく柔道」を体現していた
といわざるを得ません。日本の柔道界はこのアンチテーゼを
真摯に受け止めないといけないでしょう。
実況で「日本選手権では辛口だった篠原さんも今日は大絶賛ですね」
篠原氏「活躍した選手を見るとね、人一倍練習してますよ」
というやりとりがなされたように、
練習量に裏付けられたのであろう運動量とパワー・スタミナで
最初から積極果敢に攻めて相手を圧倒できた選手が男女問わず
勝ち進んでいました。(そういう意味では、同じ銅でも
内容的には谷選手の銅より中村選手の銅のほうが上だったかな
と思います。この2人では背負ってきたものが違いすぎますけどね…)
ともあれ、石井選手、おつかれさまでした。金メダルおめでとうございます。
●五輪=男子柔道100キロ超級で石井が金、初出場の21歳が最重量級制す (ロイター - goo ニュース)
●柔道石井が金 男子100キロ超級(共同通信) - goo ニュース
●天衣無縫の最重量級王者=「勝ち」にこだわり頂点へ-石井慧〔五輪・柔道〕(時事通信) - goo ニュース
●【北京五輪】柔道 石井「救世主」になる 低迷男子に金メダルを(産経新聞) - goo ニュース
「金メダルのプレッシャーなんか、斉藤先生のプレッシャーに比べたら
へのつっぱりにもなりませんよ」
と語ってましたけど、自分が五輪代表に選ばれたことによる全日本監督の
プレッシャーというよりは、ソウル五輪で「金ゼロ」の危機を土壇場で救った
現役時代のことを指していたのでしょうかね。
■柔道 女子78kg超級
●五輪=女子柔道78キロ超級で塚田は銀メダル、決勝で強敵に逆転負け(ロイター) - goo ニュース
●柔道、石井初出場で「金」 塚田は逆転負けで「銀」(共同通信) - goo ニュース
■準決勝 vsルチヤ・ポラウデル(スロベニア)
<一本勝ち>~横四方固め
男子の柔道もモンゴル、ウズベキスタン、グルジアなど
多くの国の選手が躍進していましたがスロベニアのポラウデル選手も
よく動いて健闘しましたが塚田選手、がっちり攻めて一本勝ち。
残り時間で準決勝もう1試合を見る余裕もあったのではないでしょうか。
■決勝 vs佟 文トウ・ブン(中国)
<一本負け>
いや~、惜しかった。記録上は残り8秒、技の掛け始めは
残り11秒でしょうか。
有効のポイント差がついてからそれをいかに守るかという戦いになり
すごく消耗は激しかったと思います。
何度もトウ選手の胸元がはだけひんぱんに「待て」の休みがはさまる
展開、50秒、40秒と小刻みに時間が減っていくのが
すごく長く感じられました。
そして運命の一瞬…一瞬視界から消えるほど低く潜り込まれての投げ技、
あれは避けようがなかったかもしれませんが、
ほとんどうつぶせのような状態からごろっとひっくり返されて
しまったのは、最後の体力が残されてなかったのか…という感が。
すごく残念でした。
終わってみれば、地元中国の世界王者(でも五輪では無冠)の
トウ選手を劇的なドラマの主人公にする、あの場全体と
しては最高の演出となったわけですが、ここまで努力を重ね続けて
充分に力をつけてここまで見事な試合を重ねてきた塚田選手には
花を持たせる引き立て役になってしまったというのは
たまったもんじゃないですよね…。
できれば次、リベンジを目指して欲しいところですが
まずはゆっくり休んでほしいと思います。
■ここまでの五輪関連エントリ
快挙・「なでしこJpn」強豪ノルウェーに圧勝し決勝T進出
すごいとしか言いようがない北島100m平V2
内柴選手2大会連続「金」・中村美里選手「銅」
ハイ,消えた・サッカー日本。で提案なんですが
谷亮子選手「ママで銅」
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