コンタドールが再びマイヨジョーヌを獲得するには、山岳でフルームに対し2分以上のアドバンテージが必要だと見ている。アシストの力を必要としない個人TTでコンタドールは確実にフルームにタイム差をつけられてしまうはずだからだ。
今年のツール・ド・フランスでは第20ステージに54kmの個人TTが組まれている。昨年は第17ステージの個人TTこそフルームに9秒差の2位でフィニッシュしているが、距離32kmの山岳TTでのものである。平坦基調の第11ステージの個人TTではフルームに33kmで2分3秒もの大差を付けられている。コンタドールが昨年以上の調子にあるとしても54kmのTTでは2分程度のタイム差は覚悟しておかなければならないだろう。
従って、コンタドールが真の王者復権を果すためには、2週目のアルプスで勝負をかける必要がある。シャムルースにゴールする第13ステージと、大会最高地点の標高2360mイゾアール峠を越えてリゾルにゴールする第14ステージの2連続山頂ゴールでまずしっかりとマイヨジョーヌを獲得することが必要条件となるだろう。できれば、ここでフルームに対し1分以上のアドバンテージが欲しいところだ。
アドバンテージを持って最終決戦地ピレネー山脈での3連続山岳ステージに臨むことができれば、フルームに対しかなりのプレッシャーをかけることができるはずだ。一昨年の完璧なアシスト陣が崩壊しつつある今年のSKYなら、ピレネーでもタイム差を稼ぐことは可能だろう。そして、第18ステージを終えた時点でフルームに対し2分以上のタイム差があれば、第19ステージの個人TTを凌いで3度目のツール・ド・フランス制覇が見えてくるに違いない。
王者復権を目指すコンタドールにとって幸いなのは、今年のツール・ド・フランスにはTTが1ステージしかないことだろう。近年、TT能力の低下が目立つコンタドールにとって、序盤にTTがあってタイム差を付けられる心配がないのは闘い易いはずである。
ヘント~ウェベルヘム終了時のUCIワールドツアーランキングでトップに立ったコンタドール。ここ数年に無い好調さを見せていいスタートを切っている。このまま調子を維持し、是非、ツール・ド・フランスの大舞台で3度目の制覇を成し遂げて欲しいものである。
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