CYCLINGFAN!!

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ポガチャルのWツール制覇を考える(7)

2024-07-06 12:09:57 | ツール・ド・フランス
  今年のツール・ド・フランスには2度の個人TTが組まれています。昨年は1度のTTでポガチャルがヴィンゲゴーから1分近いタイムを失ったのは記憶に新しい。この第7ステージは最初の個人TTでビッグ4と言われている総合争いの選手たちの調子が分かる大切なステージでした。

 この日、輝きを見せたのは現個人TTの世界チャンピオンのレムコ・エヴェネプールでした。途中、平均勾配が6.4%という丘が1.6kmあり、スタート直後に右手を挙げチームカーを呼ぶ仕草を見せ、バイクを上下に振りながらも28分52秒のトップタイムでゴールに飛び込んで来たのです。

 ポガチャルも好調な走りを見せるも12秒遅れの2位に終わりましたが、骨折明けのぶっつけ本番で事前に試走が出来なかったヴィンゲゴーには昨年の迫力がありませんでした。後半でタイムを落とし、エヴェネプールから37秒遅れの4位に終わってしまいました。3位はログリッジで34秒遅れというビッグ4の結果となりました。

 ポガチャルはエヴェネプールに33秒差とタイムを詰められたものの、最大のライバルのヴィンゲゴーには1分15秒差とWツール完遂のためのファースト・ステップはクリアしたのです。本来はこのステージでタイム差を詰めて来たエヴェヌプールが強敵になりそうに思いますが、TTは速くても長い山岳をこなすスタミナと登坂力はポガチャルとヴィンゲゴーにはまだ及ばないと見ています。
 2022年のブエルタで総合優勝を果たし、昨年のジロでもステージ優勝をしていますが、ほとんどがTTステージでの勝利でした。ボルタ・ア・カタルーニャやブエルタ・ア・エスパーニャで山岳賞を取っていますが、ツール・ド・フランスの山岳とは登坂距離が全く違うのです。小柄でパワーのある選手なので、いずれマイヨジョーヌやマリアローザに袖を通すこともあるでしょう。ただ、それは今年ではないと思っています。
 今回のTTではタイムでヴィンゲゴーを上回ったログリッジも登りではポガチャルやヴィンゲゴーには及ばないので、ビッグ4は実質2強と考えて良いと思っています。骨折明けのヴィンゲゴーも前半で2分ほどの遅れは想定内のはずです。ピークは3週目と考えているのは間違いないでしょう。最後に控えるアルプスから最終日のTTでの逆転を考えているはずですが、昨年のようにポガチャルにバッドデーでもない限り、2週終了時で2分近い差になっていたらヴィンゲゴーの3連覇は厳しいものになるでしょう。
 昨年は暑さにやられた感のあったポガチャルですが、今年は暑さが厳しかったイタリアでのステージでは、集団の先頭に出てでもボトルを受け取り、しっかり給水を心掛けていることが良く分かりました。ジロを走った疲れがどうかですが、今年のジロは積極的に動いていた割に余裕が感じられていましたので、疲労の心配はいらないでしょう。心配なのは落車と平坦ステージでのアシスト不足だけです。山岳アシストは完璧なので、山岳でどれだけタイム差を付けられるのかでパンターニ以来のジロとツールのWツールという偉業達成が決まります。
 



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