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ポガチャルのWツール制覇を考える(4)

2024-07-01 11:36:09 | ツール・ド・フランス
 いよいよ今年もツール・ド・フランスが開幕しました。パリオリンピックの関係で、初めてイタリアからスタートし、パリのシャンゼリゼではなく、南仏のニースにゴールする異例ともいえる大会になりました。また、最終日が個人TTで、最後の最後まで手に汗握る3週間になりそうです。

 今年のツール・ド・フランス最大の話題はパンターニ以来となる、ジロとツールのWツールという記録的なチャンスがポガチャルにあるということでしょう。今季絶好調のポガチャルは、春先からレースを絞り確実に勝利を積み重ねて来ています。初参戦となったジロ・デ・イタリアでもステージ6勝を挙げ、総合でも2位以下に10分近い大差を付けてマリアローザを獲得しているのです。
 一方、昨年、ポガチャルを圧倒したヴィンケゴーは骨折明けのツールとなります。昨年のジロの覇者ログリッジはチームを移籍し、ブエルタを含めた3大ツールの完全制覇を狙って来ます。加えて、怪我が多くなかなかグランツールには縁がなかったレムコ・エヴェネプールも今年はツール・ド・フランスデビューとなります。

 ポガチャル、ヴィンケゴー、ログリッジにエヴェネプールの4人がマイヨベール候補に挙がっていますが、私はログリッジにはチャンスは無いと見ています。確かにレッド・ブルをメインスポンサーに迎えたボーラで、アシストにも恵まれそうですが、本人の力が落ちて来ているのは確かです。ドフィネでは総合優勝していますが、復活途上のエヴェネプールに個人TTで完敗しているのですから。

 エヴェネプールも完全復調していれば才能はピカイチの選手なのですが、どちらかというとTTにも強いワンデイレーサーなので、長いグランツールで厳しい山岳をこなせるかは疑問符が付きます。結局、ポガチャルとヴィンケゴーの2強になる可能性が高いのではないでしょうか?今年のツールは昨年と打って変わって、総合勢の動きが慎重です。第1ステージに続き第2ステージでも逃げが決まり、しかもフランス人選手の連勝という珍しい展開になっています。

 総合争いのチームはエースの調子を見極めている感じです。第1ステージのロメン・バルデの勝利とマイヨジョーヌにフランスは盛り上がっているようですが、今年のバルデは調子が良く、ポガチャルが優勝したリエージュ~バストーニュ~リエージュではファンデルプールを抑えて2位表彰台に上がっているのです。
 フランス人がマイヨジョーヌを着るとすれば逃げが決まった初日か2日目だと思っていましたが、バルデは1日でマイヨジョーヌを手放し、結局、2日目にしてポガチャルにマイヨジョーヌが渡ってしまいました。ジロでも2日目の勝利で手にしたマリアローザを最後まで着続けたポガチャルですが、今回のマイヨジョーヌは最後まで着続けることはないと思っています。というのも、初日4位、2日目14位でのマイヨジョーヌで、この日も12位がエヴェネプール、13位がヴィンケゴーでタイム差はなし。初日4位のポガチャルがタイム差なしでのマイヨジョーヌだからです。総合4位のリチャル・カラパスまではタイム差がありません。ジロでは初日から積極的に動いてマリアローザを取りにいったのとは状況が違うのです。

 今日は平坦ステージなので、総合勢にタイム差が生まれることはないでしょう。また、マイヨジョーヌを手にしたからといって、スプリントステージになる可能性が高いので、UAEが積極的にプロトンをコントロールする必要もありません。チームはポガチャルを無事にゴールまで運ぶことに専念するはずです。昨日もプロトン内で前日に区間3位に入ったワウト・ファンアールトとマッテオ・ヨルゲンソン、そしてローレンス・デプルスの3名が落車しているのです。優勝候補が落車で姿を消してしまうことだけは避けてもらいたいと願っています。
 本格的な総合争いは第4ステージのガリビエからになりそうです。頂上ゴールではないので、決定的な差がつくことはないと思いますが、ヴィンケゴーとエヴェネプールの調子は明らかになるでしょう。ログリッジはここでタイムを稼ぎたいところでしょう。今年は慎重にレースに入っているとうに見えるポガチャルですが、ここでも我慢するのか、ライバル達に差を付けに行くのか、目が離せないステージになりそうです。
 



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