今年のツール・ド・フランスも最初の休息日を終え中盤戦へと突入しました。休養日にフランスのオリンピック代表も発表され、ここまで9ステージで3勝というフランス人達のアピールチャンスも終了だと思います。ここからは、オリンピックを視野にゆっくりとペースを上げて来た選手たちが、本来の力を発揮することになるでしょう。
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始まりはファンデルプールの完璧なリードアウトからのフィリップセンの勝利でした。ここまではフィリップセンの調子というよりも、なかなか思うようなトレインが組めなかった結果、ギルマエの後塵を拝し続けていたのです。このステージでも2位と頑張りを見せたギルマエですが、本来は純粋なスプリンターではないのです。ただ、フィリップセンにとっては前半で勝利がなかったことは大きく、今後、ステージ勝利を重ねていけば、逆転でマイヨヴェールの可能性もあるはずです。
総合上位勢には大きな変化はみられませんでしたが、UAEが横風区間は平坦アシストでポガチャルをしっかり守る体制は出来つつあるように見えました。本格的な戦いは今日の中央山塊から始まります。休養日前のステージで落車による骨折で、貴重な山岳アシストのウラソフを失ったログリッジには厳しい戦いが強いられるでしょう。
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一方、ガリビエで完璧なアシストを見せたUAEの選手たちが、再びヴィンゲゴーに挑みかかります。クスを欠くヴィンゲゴーがどこまで耐えきれるかが見どころになるでしょう。第9ステージではグラベル区間が短く、タイム差は尽きませんでしたが、ヨルゲンソンの強力な牽きが無ければタイムを失っていたかもしれないのです。
調子の良さそうなエヴェネプールも長い登りと下りでどこまで耐えられるかがポイントになるでしょう。ガリビエでも下りでは遅れているので、登りより下りでタイム差が付く可能性もあるのです。特に今回1度しか登場しない中央山塊ですが、211kmと距離も長く、獲得標高は4250mもあるのです。アルプスのように距離が長くて一定勾配ならペースを刻んで登るヴィンゲゴー向きかもしれませんが、勾配のあるパンチの効いた山が小刻みに続く中央山塊は明らかにポガチャル向きのはずです。ここでタイム差をどの位広げられるのかがポガチャルには重要になるでしょう。
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ここのところポガチャルの表情がさえないのが気がかりです。なかなか思うような結果が出せない苛立ちのようなものが、笑顔の裏にあるような感じがするのです。プレッシャーなのか昨年のトラウマなのか、今日のステージでタイム差が広がらなければWツールは夢に終わってしまうかもしれません。