学術会議を巡る問題で、「なぜ学術会議を問題視するのか。党内の議論を主導している下村博文政調会長に、理由と今後の見通しを聞いた」という毎日新聞の科学環境部の記者の記事が一昨日あった。
「『軍事研究否定なら、行政機関から外れるべき』 自民・下村博文氏、学術会議巡り」(毎日新聞)
そもそも下村博文という輩は、「ゴリゴリの右派でEM菌やナノ銀を推奨し,偽史の『江戸しぐさ』や母乳神話の『親学』もという,なんともズブズブの人」であり科学のあり方に口を出すのは見当違いなのだが、政治部ではない記者がうまく政府側の主張の宣伝に利用されたようであった。
とうとう本音が出てきた。日本学術会議が、科学者が戦争に総動員された戦前の痛苦の教訓を踏まえ、また、学問の自由を守るという立場から、軍事研究に反対する声明を出してきたことが、任命拒否の真の理由だったことを、自ら語りだした。 https://t.co/DoMNMpItMn
— 志位和夫 (@shiikazuo) November 10, 2020
結局、これが本音か。政治が科学を支配し、利用し、暴走したなれの果てがあの戦争だった。その反省があったからこそ、憲法に学問の自由が明記され、学術会議の独立性が保障された。
— 山添 拓 (@pioneertaku84) November 10, 2020
いま、軍事研究への姿勢を理由に学術会議への介入を強める政治は、歴史の逆行にほかならない。https://t.co/Pd7qgZAUDc
『 学術会議は過去3回、最近では2017年に「軍事研究には協力しない」と明言 』と発言。
— 小西ひろゆき (参議院議員) (@konishihiroyuki) November 10, 2020
これは事実に反する虚偽だ。
2017声明は「絶対禁止」の過去の二声明に替えて、軍事研究を解禁した。
研究に際し大学に審査等を要請しているが、「軍事研究の否定」などしていない。https://t.co/LYTCa7Wzlk
内容的に興味深いのは、聞き手の記者が最低2カ所も「※実際は…」「※実際の△△は…」と下村博文の話に注釈を入れざるをえなかったという事実であり、相当いい加減な聞きかじりか、不正確な理解をもとに粗雑な論を振り回してる可能性がある。
おそらくこれが本音だなのであろうが菅義偉の支離滅裂答弁ではごまかし切れなくなって、とうとう本当の理由を言わざるを得なくなったということであろう。
その菅義偉の答弁能力に対してはこんな的確な酷評がある、
「世論調査と現実の乖離 菅首相の答弁は小学生並み支離滅裂」 (日刊ゲンダイ)
「答弁能力について不安視されていたとはいうものの、まさかここまでヒドイとは思いもしませんでした。菅首相は目指す社会像に『自助、共助、公助』を掲げていますが、自力でマトモに答弁できない首相に自助能力があるのでしょうか。ここへきて与党内から解散風が吹き始め、年明けの通常国会冒頭解散が再浮上しているのは、党内で菅首相をワンポイントとみなし始め、“ポスト菅”を見据えた動きともいえます。自民党内からは“スガ隠し”で選挙を戦うしかないとの声も上がっている。コロナ禍を理由にオンライン選挙に徹した東京都の小池知事と同じパターンで、菅首相には一切遊説をさせないというのです。内閣支持率が低迷する前に解散総選挙になだれ込み、大幅な議席減は避けたいとの思惑です」 (政治ジャーナリストの角谷浩一)
「菅首相は国会答弁を通じ、自身と取り巻きのブレーンの能力の低さを白日の下にさらし、学術会議を政府の意のままに動く組織にしようとする意図も暴露してしまった。首相の任命権をめぐって菅政権は憲法15条の公務員の選定罷免権を根拠に正当性を主張しているのもゴマカシです。この条文の主語は〈国民〉であるにもかかわらず、〈内閣〉に読み替えている上、〈政府が行うのは形式的任命に過ぎない〉とした1983年の中曽根答弁とも矛盾します」
「学術会議問題は学問の自由の侵害という視点のみで語られやすく、一般に共感を得にくいテーマなのかもしれません。ですが、この問題を看過すれば、いずれ社会全体に影響が及び、あらゆる分野で政権批判につながる動きはパージされる恐れがある。スガ政治のキーワードはひと言で言えば『暴力』。国会の多数派をよりどころにした『数の暴力』と、言論の自由の破壊をいとわない『言葉の暴力』です。安倍政権でその暴力性を完璧なものに仕上げ、それを引き継ぎ、内閣の暴走に歯止めをかける民主的手続きをぶっ壊そうとしている。戦後のレッドパージはGHQによるものでしたが、75年を経て日本政府の手によるパージが始まるのではないかと懸念しています」(立正大名誉教授の金子勝)
国会では「小学生並み」の答弁能力が露呈してしまったのだが、安倍晋三並みの「身内に甘い」という権力者としてはあるまじき行為が文春砲によって露見してしまった。
「菅義偉首相の実弟が自己破産後、JR企業の役員に就任していた」 (週刊文春)
首相就任によってファーストレディの真理子夫人をはじめ家族関係がクローズアップされている菅義偉首相(71)。実弟の菅秀介(ひですけ)氏(69)は、51歳で自己破産した直後にJR東日本の子会社に幹部として入社しているが、異例の入社を遂げた背景には菅首相と同社の蜜月関係があったことが、ノンフィクション作家・森功氏の取材で分かった。 菅氏は小此木彦三郎元通産相の秘書だった時代からJR東日本(当初は国鉄)との関係を深め、今年5月に亡くなった松田昌士元会長をはじめ歴代の社長からバックアップを受けてきた。 首相に就任後、多忙を極める中にあっても、JR東日本グループの職域団体「東日本ときわ会」の幹部会に2度も出席、その場のあいさつでは、国鉄改革の立役者でJR東日本初代社長の住田正二氏への感謝の言葉を述べている。 東京駅の一等地に出店した「ヒデ製菓」 1974年に慶應大学商学部を卒業した秀介氏は、菅氏が横浜市会議員に初当選した2年後の1989年1月、菓子屋「ヒデ製菓」を起業した。 ヒデ製菓は創業直後から東京駅構内のキヨスクを借りて、自前の菓子販売を行っていた。当時の店舗は八重洲中央改札近くの「銀の鈴」そばのコンコース(大通路)という一等地。キヨスクはJRが展開している売店であり、秀介氏の知人によれば、東京駅に出店するにあたっては、菅氏が自身の後援者を秀介氏に紹介し、販売する商品の相談などが行われたという。 ヒデ製菓は1日の売り上げが100万円を超えることもあったが、結局事業はうまく行かず、2002年10月、ヒデ製菓と秀介氏個人は東京地裁から破産を宣告された。 だが、その後、秀介氏は意外な転身を遂げていた。 なぜJR東日本グループ企業の役員に? 半年ほど病院で介護職を務めた後、JR東日本の子会社である千葉ステーションビルに営業部付きの部長として入社していたのだ。2010年には取締役にも就任し、2017年まで務めている。 千葉ステーションビルは海浜幕張、津田沼、西船橋など10の駅ビルを運営しており、年間400億円近くを売り上げる優良企業だ。277店舗のテナントが入居する中核の千葉駅「ペリエ千葉」は、数あるJR東日本管内の不動産・ホテル事業のなかでも3番目の規模を誇る。 千葉ステーションビルに入社した当時、秀介氏は50歳を超えている。同社の元取締役は秀介氏が入社できたことについて、「(菅首相と)JR東日本の関係で入ってきたんだと思う」と語った。 秀介氏の自宅を訪ね、ヒデ製菓が東京駅で店舗を構えた経緯や千葉ステーションビル入社などについて尋ねると、「兄とは関係ない」と語った。 |
勿論自己破産した人の再起自体は問題のある事ではありません。しかしそういう人がいきなりJRの子会社の幹部になる事は、通常はありません。普通に菅総理の口利き、「既得権益」が疑われます。これもまた「人事の事だ」と言って説明を拒むなら日本はもう独裁利権国家です。https://t.co/CgA9tCKAjb
— 米山 隆一 (@RyuichiYoneyama) November 10, 2020
菅総理は、責任逃れのため、日本学術会議は既得権益などと言いがかりをつける前に、自らの周辺のさまざまな既得権益について説明する義務がある。お答えは差し控えるで済まされる訳がない。安倍政権以来ますます顕著な「権力の私物化」を許したら、この国に明るい未来はない。 https://t.co/C8UT5tTwMU
— 小沢一郎(事務所) (@ozawa_jimusho) November 10, 2020
「はてなブックマーク」には、こんな素朴なコメントがあふれていた。
◆ 国民には自助を説きながら身内にはコネで援助かよ呆れる…… ◆これを「既得権益をぶち壊す存在」とかいってるやつはなにが見えているんだろう ◆親族がその地位にあるからこそ得られるつながりで再就職したことは立派な既得権益だと思いますよ。普通の中小企業の経営者ならあり得ないはなし。 ◆ 自己破産はどうでもいい状況説明にすぎない。さすがにこれスガちゃん関係ないて不自然にも程がある。明白。"共助"したんですね、わかります!! ◆過去に経営経験があった人なら横の繋がりで救われる事なんてよくある話なんだけど、はてブ的に自己破産後は美しくのたれ死ねという事かな?「共助」という言葉も言ってたのは忘れたのかな |
ところで、「爆発的な感染は絶対に防ぎ、国民の命と健康を守り抜きます。その上で、社会経済活動を再開して、経済を回復してまいります。 今後、冬の季節性インフルエンザ流行期に備え、地域の医療機関で1日平均20万件の検査能力を確保します」と10月26日の所信表明演説で明言していた菅義偉。
それから2週間経って大阪や北海道(主に札幌市)に「爆発的な感染」が発生したにもかかわらず、観光業者や観光地の人々の生活援助のため行った「GoToトラベル」は継続するという。
大阪や札幌市を「GoToトラベル」の対象から外すということをすれば「東京」も外さなければ説明がつかない。
そのため、相変わらずブレーキ(感染防止)とアクセル(経済活動)を同時に踏み込むようなことを続けている。
感染の「第三波」が本格的になれば、繁華街や行楽地への人移動は自然と減少してしまう。
やはり、この際は集中的に地域限定的に感染者をあぶり出すということを政府が積極的に行わなければならないはずである。
それにしても、菅義偉の「自助」を念頭にした、新型コロナウイルス対策分科会の尾身会長のこんな発言とパフォーマンスを見せられると、「オイオイ、大丈夫かい?」と、オジサンは思う。
新型コロナウイルス対策分科会・尾身会長「今、急速な拡大傾向に至る可能性が高い。(中略)わたしは、みんながその気になれば(回避)できると思う」
— 木下建一郎 (@kinoken16) November 9, 2020
この人はいつもこう。人々の問題にすり替える。事故対策に「みんなで注意しましょう」と同じ。つまり意味がない。
https://t.co/PCeCjmFJlb
日本もうダメだ感がすごい。 https://t.co/PxHrWdXFQ3
— Chiaki (@chiaki25) November 10, 2020