☆今日も生きているで書☆

すずりん(硯夢)の毎日の血圧と、書道を中心に記録しています。今日も元気に筆を持っていられることに感謝して。

百人一首62

2010年05月29日 10時02分10秒 | 百人一首
夜をこめて
鳥のそらねは(八)
は(者)か(可)るともよに(爾)
あふ坂の関は(八)ゆる
さじ(志)

まだ夜の明けないうちに、鶏の鳴きまねで人をだまそうとしても、あの函谷関ならばともかく、この逢坂の関はけっして許さないでしょう。

夜更けまで話し込んでいた大納言藤原行成(三蹟の一人)が早く帰っていった。
翌朝、昨夜は鶏の鳴き声にうながされて心ならずも帰ってしまいましたと言い訳めいたことを云った。
そこで女性が「ああ函谷関の鶏ですね」と皮肉ったところ、男性はさらに「あなたに逢いたい逢坂の関ですよ」と精一杯の洒落を云ったので、女性が即座に応えた歌。

作者は清少納言(せいしょうなごん)

後拾遺和歌集 雑二 939


「鳥のそら音ははかるとも」は
戦国時代、斉(せい)の国の孟嘗君(もうしょうくん)が、秦(しん)に使いして捕らえられたが、
部下に鶏の鳴きまねをさせて、一番鳥が鳴かなければ開かない函谷関を夜中に開かせて通り抜け、無事に逃げ帰ることができた
という『史記』の故事をふまえています。


紙 清書用手漉き料紙 ゆうか 本楮紙うす具引き 半懐紙二分の一 栢美
筆 いたち 四国の友人から頂いた筆
墨 松花 呉竹

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