☆今日も生きているで書☆

すずりん(硯夢)の毎日の血圧と、書道を中心に記録しています。今日も元気に筆を持っていられることに感謝して。

百人一首100 ももしきや 古き軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり

2011年07月26日 13時09分54秒 | 百人一首
ももしきや
古き軒端のしのぶにも
なほあまりある
昔なりけ

百人一首を

大宮の軒にしのぶ草が生えるほど、皇居も荒れ果ててしまった。
そのしのぶ草という名につけても、花のように栄えた昔がなつかしくしのばれる。
がそれは、もはやしのんでもしのんでもしのびきれない遠い昔の御代のことなのだ。

作者は順徳院(じゅんとくいん)
後鳥羽天皇の第三皇子

続後撰集 雑下 1205

紙 楮紙 三色上下隅ボカシ砂子振 半懐紙二分の一 

筆 寒梅 栢美

墨 茶墨 無名 古梅園

百人一首、一応終了しました

百人一首99 人も惜し 人も恨めし あぢきなく 世を思ふゆゑに もの思ふ身は

2011年07月08日 13時35分44秒 | 百人一首
人もをしひとも
うらめしあぢきな
く よをおもふゆゑ
に もの思ふみは

世の中のこと(天下国家の前途)を憂えて、いろいろと思いにふける今の自分にとっては、惜しく思う人もあり、恨めしく思う人もある。
わずか4歳で位につかれた後鳥羽院が33歳の折り北条氏の専横する世を憤って詠まれた歌です。

作者は後鳥羽院(ごとばいん)

続後撰集 雑中 1202

紙 練習用料紙 雲母振り きらら 半懐紙二分の一 

筆 寒梅 栢美

墨 茶墨 無名 古梅園

百人一首98 風そよぐ ならの小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける

2011年06月22日 12時12分22秒 | 百人一首
風そよぐ
ならのをがはの夕ぐれは
みそぎぞ
夏のしるし
なりける

風がそよそよと楢の葉に吹いている、この奈良の小川の夕暮れは、秋の訪れを感じさせるが、六月祓のみそぎだけが、夏であることのしるしなのだ。

作者は従二位家隆(じゅにいいえたか)
藤原家隆
新勅撰和歌集 夏 192

紙 練習料紙 きらら 雲母振り 半懐紙二分の一 

百人一首96 花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり

2011年06月22日 12時06分41秒 | 百人一首
はなさそふ
嵐のにはの雪な
らで ふりゆくものは
わがみなりけり

花を誘って散らす嵐の吹く庭は、雪のように花が降りくるが、実は雪ではなく、真に古りゆくものは、この我が身なのだった。

作者は入道前太政大臣(にゅうどうさきのだいじょうだいじん)
藤原公経んつね(ふじわらのきんつね)定家の義弟

新勅撰集 雑一 1052

紙 練習料紙 きらら 雲母振り 半懐紙二分の一 

百人一首95 おほけなく うき世の民に おほふかな わがたつそまに 墨染の袖

2011年06月22日 12時00分00秒 | 百人一首
おほけなく
うき世のたみに
おほふかなわがたつ
そまに すみぞめ
のそで

身のほどもわきまえず、私はつらいこの世を生きる人々におおいかけることだ。この比叡の山に住み始めたばかりの私のこの黒染めの袖を。

作者は前大僧正慈円(さきのだいそうじょうじえん)

千載和歌集 雑中 1137

紙 楮紙 三色上下隅ボカシ砂子振 半懐紙二分の一 

筆 寒梅 栢美

墨 茶墨 無名 古梅園

百人一首94 み吉野の 山の秋風 さ夜ふけて ふるさと寒く 衣うつなり

2011年06月15日 22時58分48秒 | 百人一首
みよしのゝ
山の秋風さよふけて
ふるさとさむく こ
ろも うつなり

吉野の山の秋風が夜ふけて吹きわたり、古京である吉野の里は寒く、寒々と衣を打つ音が聞こえてくる。

作者は参議雅経(さんぎまさつね)
藤原雅経(ふじわらのまさつね)

新古今和歌集 秋下 483

紙 楮紙 三色上下隅ボカシ砂子振 半懐紙二分の一 

筆 寒梅 栢美

墨 茶墨 無名 古梅園

百人一首97 来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ

2011年06月15日 22時41分56秒 | 百人一首
来ぬ人を
まつほ(本)の浦の夕なぎ
に(耳)焼くやもしほ(本)の
身もこが(可)れ(連)つゝ

いくら待っても来ない人を待ち続け、松帆の浦の夕なぎのころに焼く藻塩のように、私の身もずっと恋いこがれていることだ

作者は権中納言定家(ごんちゅうなごんさだいえ)
藤原俊成の子で定家(ていか)
新勅撰集 恋三 849

紙 もみがみ風練習料紙 雲母振り きらら 半懐紙二分の一 栢美

筆 寒梅 栢美

墨 茶墨 無名 古梅園

百人一首93 世の中は 常にもがもな 渚こぐ あまの小舟の 綱手かなしも

2011年05月23日 11時41分20秒 | 百人一首
世の中はつねに
もがもなゝなぎさこぐ
あまのをふねの
つなでかなし


この世の中は、永遠に変わらないでほしいものだなあ。
この渚を漕いでゆく漁師の、小舟に引き綱をつけて引くさまに、身にしみて心動かされることだ。

作者は鎌倉右大臣(かまくらのうだいじん)
鎌倉幕府三代将軍源実朝(みなもとのさねとも)

新勅撰集 き旅 525

紙 楮紙 三色上下隅ボカシ砂子振 半懐紙二分の一 

筆 極品 金蘭 小 翠祥園

墨 茶墨 無名 古梅園

百人一首92 わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね かわく間もなし

2011年05月17日 10時50分17秒 | 百人一首
わがそでは
潮干に見えぬ
沖の石の人こそし
らね乾く間もな


私の袖は、引き潮の時にも海中に隠れて見えない沖の石のように、人は知らないだろうが、涙に濡れて乾く間もない。

作者は二条院讃岐(にじょういんのさぬき)
二条院に仕えていた讃岐のことで、官女の一人

千載和歌集 恋二 760

紙 楮紙 三色上下隅ボカシ砂子振 半懐紙二分の一 

筆 寒梅 栢美

墨 茶墨 無名 古梅園

百人一首91 きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む

2011年04月25日 21時48分12秒 | 百人一首
きりゞゝす
鳴くや霜夜の
さむしろに
ころもかたしき
ひとりかもね


こおろぎの鳴いている、霜のおりる寒い夜に、名前まで寒そうなさむしろという敷物に片方の袖を敷いて、寂しく一人寝するのかなあ。

作者は後京極摂政前太政大臣(ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだいじん)

新古今和歌集 秋下 518

紙 楮紙 三色上下隅ボカシ砂子振 半懐紙二分の一 

筆 佳品 面相 小 榮豊齋

墨 松花 呉竹

百人一首90 見せばやな 雄島のあまの 袖だにも ぬれにぞぬれし 色はかはらず

2011年04月11日 21時27分07秒 | 百人一首
みせばやな
雄島のあまのそで
だにも ぬれにぞぬ
れし 色はかは
らず


この私の血の涙で色の変わった袖をお見せしたいものですよ、あの雄島の漁夫の袖でさえ、濡れに濡れたとしても色までは変わりませんのに。

作者は殷富門院大輔(いんぷもんいんのたいふ)

千載集 恋四 886

紙 楮紙 三色上下隅ボカシ砂子振 半懐紙二分の一 

筆 佳品 面相 小 榮豊齋

墨 松花 呉竹

百人一首89 玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの よわりもぞする

2011年04月11日 21時24分02秒 | 百人一首
玉のをよ たえ
なばたえね
ながらへば
しのぶる
ことの
よわり
もぞする


わが命よ、絶えてしまうのならば絶えてしまえ。
このまま生きながらえているならば、堪えしのぶ心が弱まると困るから。

作者は式子内親王(しょくしないしんのう)

新古今集 恋一 1034

紙 三色上下隅ボカシ 本楮紙 半懐紙二分の一 鳴鳳堂

筆 うつせみ はくび
墨 松花 呉竹

百人一首88 難波江の 芦のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき

2011年03月25日 21時58分14秒 | 百人一首
難波江の
あしのかりねの
一夜ゆ江ゑ 身をつく
してや こひわたる
べき

難波の入り江の蘆の刈り根の一節ではないが、ただ一夜の短い旅の仮寝のために、あの澪標のようにこの身をささげ尽してひたすら恋い続けなければならないのでしょうか。

作者は皇嘉門院別当(こうかもんいんのべっとう)

千載集 恋三 807

紙 清書用手漉き料紙 ゆうか 本楮紙うす具引き 半懐紙二分の一 栢美

筆 浮草二号 一休園 
墨 松花 呉竹

百人一首87 村雨の露もまだひぬ 真木の葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ

2011年03月13日 23時23分03秒 | 百人一首
むらさめの
露もまだひぬ
真木の葉にきり
たちのぼる 秋の夕
ぐれ

降り過ぎていった村雨の露もまだ乾いていない真木の葉のあたりに、霧がほの白くわきあがってくる秋の夕暮れであるよ。

作者は寂蓮法師(じゃくれんほうし)

新古今集 秋下 491

紙 清書用手漉き料紙 ゆうか 本楮紙うす具引き 半懐紙二分の一 栢美

筆 浮草 二号 コリンスキー 一休園

墨 松花 呉竹

百人一首86 嘆けとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな

2011年03月03日 17時21分35秒 | 百人一首
なげ(介)ゝとて
月やはものを(越)おもは(八)
す(春)る かこちがほ(本)なる
わ(王)がなみ(三)だ(多)か(可)な(那)

嘆けといって月が私にもの思いをさせるのだろうか、いやそうではない、つれない恋人ゆえである。
それなのに、月のせにして、かこつけがましくこぼれ落ちるわが涙であるよ。


作者は西行法師(さいぎょうほうし)

千載集 恋五 929

紙 清書用手漉き料紙 ゆうか 本楮紙うす具引き 半懐紙二分の一 栢美

墨 松花 呉竹