おとにきく
たか(可)しの浜のあだ(多)波は(八)
かけ(希)じやそで(轉)の
ぬれ(連)もこそ(所)す
れ(連)
噂に名高い高師の浜にいたずらに立つ波は決して我が身にはかけません、袖がぬれてしまうでしょうから。
あなたのことは、かねて心の浮いた気の変わりやすい人だという噂をきいていますから、何といいよられても承知いたしません。
あとでつらい目にあって、涙で袖をぬらすような憂き目を見ることになりましょうから。
作者は祐子内親王家紀伊(ゆうしないしんのうけのきい)
金塊和歌集 恋下 469
紙 清書用手漉き料紙 ゆうか 本楮紙うす具引き 半懐紙二分の一 栢美
筆 いたち 宝研堂
墨 まつかぜ 呉竹