さびしさ(佐)に(二)
やど(登)を立ちいで(天)ゝ
なが(可)むれ(連)ば いづこも
おな(那)じ 秋の夕暮
あまりにさびしいので、家を出て、あたりを眺めてみたが、どこも同じように寂しい秋の夕暮れであるよ。
作者は良〓法師(りょうぜんほうし)
後拾遺和歌集 秋上
紙 清書用手漉き料紙 ゆうか 本楮紙うす具引き 半懐紙二分の一 栢美
筆 あかつき 〓古堂
墨 まつかぜ 呉竹
秋の夕暮れと言えば三夕(さんせき)の歌として三首が知られていますね
さびしさはその色としもなかりけり 真木立つ山の秋の夕暮れ…寂蓮法師
心なき身にも哀れは知られけり 鴫立つ沢の秋の夕暮…西行法師
見渡せば花も紅葉もなかりけり 浦の苫屋の秋の夕暮…藤原定家