報われる時

簡単な手術を受けた。
簡単というのは、時間が短いという意味だ。
診察してもらうと、即座に「手術しましょう」と言われ、ちょっとたじろいだ。
ドクターは、「私、得意です」と仰る。
実は長い間、気にしてはいたものの、どうにもならないと諦めていた。
こんなに簡単に治るなら、もっと早くに知り、処置したかった。

局部麻酔がかなり痛くて、以前、整形外科で受けた処置を思い出す。
その時は、本当に麻酔かけたの？と思うくらい、注射もその後の処置も激痛を伴った。
今思い返すと、効いてなかったんじゃないのかと疑いたくなる。
でも、今回は違った。
途中で注射の痛みは消えた。

手術が始まると、なぜか、顎がガクガク震えだした。
ドクター曰く、「緊張してるんじゃないの？」
でも、私的にはそうでもなかった。
麻酔のせいかと思ったが、聞かずにおいた。

手術は意外と長く感じたが、おそらく、10分～20分くらいだったと思う。
来週抜糸すれば、それで終わりらしい。
これまでの時間が悔やまれる。

麻酔が切れると、多少の痛みを感じる。
頭痛も少し。
痛み止めも入っていたが、薬はできるだけ飲まないようにしている。
我慢できない痛みではない。

ドクターの「保険に入っていれば、降りるよ」の言葉に、かすかに色めき立った。
何しろ、今まで一度も生命保険の給付金の請求をしたことがない。
長年、加入しているが、今回が初めてだ。
ただ、もう1箇所手術するかもしれないので、請求はまとめてすることにした。

これで多少、報われるのかな。