今月半ば、Rくんが交通事故で亡くなりました。
彼の死を知ったのは昼休憩中、
ニュースを見ていたデイケア時代の同僚からの連絡でした。
彼は、私が精神科デイケア勤務時代の通所メンバーで、
私の精神科看護への考え方に大きく影響を与えた人でした。
当時、私は精神科看護についていろいろと考えることが多くなっていました。
精神科デイケアに勤務したことをきっかけに、
病棟勤務していた時とは違う何かを感じており、
でも、それをきちんと言葉にすることができず、
でも、今までの私の考えていることには違和感を感じている、
そんな日々を送っていました。
Rくんはすでに社会復帰を果たし、仕事に就いていました。
3ヶ月に1回受診を兼ねてデイケアに顔を出しては
スタッフやメンバーとしゃべって、息抜きをして帰って行きました。
なので、彼に会うのは年に数回でした。
デイケアで心理教育に取り組んでいたある日、
いつものようにひょっこりと彼が現れました。
ふと、私は彼に質問をしたのです。
『ねぇ、Rくんはなんで2度と入院しなくてすんでるの?』
ちなみに、彼は隔離室で1ヶ月混乱を極め、その後安定し退院したのですが、
再入院することなく数年経過していました。
そして、デイケア→バイト→パート勤務→就職(正社員)と前進していました。
デイケアには入院を繰り返すメンバーもいましたし、
デイケアから一歩出ることができないメンバーも多くいました。
だから、私にとってもお手本である彼に、聞いてみたかったのです。
すると、彼は言いました。
「chunkさんたち病院の人が、オレらを治すんじゃないんよ。
オレらが自分で病気を治すんよ。
オレら精神科だけに限らず病気を持ってる人間も、病院の医者や看護師も
そこんところを勘違いしちゃダメなんよ。」
と言ったのです。
面食らっている私に、さらに彼はこう続けました。
「病気になったのはオレら自身のせいではないと思ってるよ。
でもねぇ、病気になってしまったからには、
自分の病気をコントロールしなきゃいけないし、
自分の病気に責任を持たなきゃいけないんだよ。
病院の医者や看護師はその治し方を知っている専門家なんだから、
その知識をオレらが教えてもらって、自己コントロールするべきなんよ。」
彼の言葉は、衝撃でした。
本当に鳥肌が立つほど感動したし、嬉しかったし、
彼が言うところの勘違いをしていた自分がいたことも事実で、
まさに私が悩んでいたことの120%の答えでした。
彼の言葉は今も私の看護を考えるときの基本です。
2ヶ月前の10月、市内の本屋で偶然彼に出会いました。
彼はヘルパーの資格を取るために頑張っている真っ最中でした。
さらには介護福祉士の資格を取りたいと話してくれたのです。
さらにさかのぼること半年前のこと。
私がデイケアを離れてからも時々病棟に顔を見せに来てくれていた彼が、
「ちょっと目指してみようと思うことができてね。
今は内緒。
ちゃんと形になったら報告するから。
でもねぇ、それはあんたの言葉がきっかけなんだよね。」
と、照れながら話してくれました。
私が彼に何を言ったのかも今となってはわかりませんが、
その目指していたものが何だったのかも分かり、応援していた矢先の訃報でした。
そして、彼が見据えた未来は、
『介護施設職員』と報道されたTVの情報で
形になりつつあったのだということも知ったのです。
本当に、本当に残念でなりません。
そして、もうあの人懐っこい彼に会えないことが寂しくてなりません。
彼は私に大きな影響を与えてくれた人です。
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ニュースを見ていたデイケア時代の同僚からの連絡でした。
彼は、私が精神科デイケア勤務時代の通所メンバーで、
私の精神科看護への考え方に大きく影響を与えた人でした。
当時、私は精神科看護についていろいろと考えることが多くなっていました。
精神科デイケアに勤務したことをきっかけに、
病棟勤務していた時とは違う何かを感じており、
でも、それをきちんと言葉にすることができず、
でも、今までの私の考えていることには違和感を感じている、
そんな日々を送っていました。
Rくんはすでに社会復帰を果たし、仕事に就いていました。
3ヶ月に1回受診を兼ねてデイケアに顔を出しては
スタッフやメンバーとしゃべって、息抜きをして帰って行きました。
なので、彼に会うのは年に数回でした。
デイケアで心理教育に取り組んでいたある日、
いつものようにひょっこりと彼が現れました。
ふと、私は彼に質問をしたのです。
『ねぇ、Rくんはなんで2度と入院しなくてすんでるの?』
ちなみに、彼は隔離室で1ヶ月混乱を極め、その後安定し退院したのですが、
再入院することなく数年経過していました。
そして、デイケア→バイト→パート勤務→就職(正社員)と前進していました。
デイケアには入院を繰り返すメンバーもいましたし、
デイケアから一歩出ることができないメンバーも多くいました。
だから、私にとってもお手本である彼に、聞いてみたかったのです。
すると、彼は言いました。
「chunkさんたち病院の人が、オレらを治すんじゃないんよ。
オレらが自分で病気を治すんよ。
オレら精神科だけに限らず病気を持ってる人間も、病院の医者や看護師も
そこんところを勘違いしちゃダメなんよ。」
と言ったのです。
面食らっている私に、さらに彼はこう続けました。
「病気になったのはオレら自身のせいではないと思ってるよ。
でもねぇ、病気になってしまったからには、
自分の病気をコントロールしなきゃいけないし、
自分の病気に責任を持たなきゃいけないんだよ。
病院の医者や看護師はその治し方を知っている専門家なんだから、
その知識をオレらが教えてもらって、自己コントロールするべきなんよ。」
彼の言葉は、衝撃でした。
本当に鳥肌が立つほど感動したし、嬉しかったし、
彼が言うところの勘違いをしていた自分がいたことも事実で、
まさに私が悩んでいたことの120%の答えでした。
彼の言葉は今も私の看護を考えるときの基本です。
2ヶ月前の10月、市内の本屋で偶然彼に出会いました。
彼はヘルパーの資格を取るために頑張っている真っ最中でした。
さらには介護福祉士の資格を取りたいと話してくれたのです。
さらにさかのぼること半年前のこと。
私がデイケアを離れてからも時々病棟に顔を見せに来てくれていた彼が、
「ちょっと目指してみようと思うことができてね。
今は内緒。
ちゃんと形になったら報告するから。
でもねぇ、それはあんたの言葉がきっかけなんだよね。」
と、照れながら話してくれました。
私が彼に何を言ったのかも今となってはわかりませんが、
その目指していたものが何だったのかも分かり、応援していた矢先の訃報でした。
そして、彼が見据えた未来は、
『介護施設職員』と報道されたTVの情報で
形になりつつあったのだということも知ったのです。
本当に、本当に残念でなりません。
そして、もうあの人懐っこい彼に会えないことが寂しくてなりません。
彼は私に大きな影響を与えてくれた人です。
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その彼が言っていること、とても的を得ていて自己管理することの重要性をしっかりと語っているところ、やっていることは同じでもそこにある考え方が全く違っている!! すごいですね。
貴重なひとだったんですね。
ご冥福を祈ります。
今、看護師やってます。
うまく言えませんが、
ためになりました。
ありがとうございます。
コメントありがとうございます。
自分の考えをしっかり持つとは、こういうことなのだと改めて思います。
>グランパさん
読んでいただき、ありがとうございます。
同じ看護師とのこと、
患者さんから学ばせてもらいながら、日々精進していきたいですね。