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お仕事(精神科看護)日記

精神科看護歴20年以上が経過しました。
なのに、なぜか現在訪問看護に在籍中!

暴力

2006年06月17日 | 精神科看護
今回、夜勤を組んだスタッフとの話から。

彼は現在CVPPPの院内講師を1年近く務めています。
(CVPPP=包括的暴力防止プログラム)
その彼と深夜の時間、暴力についての話になりました。

私は過去、患者さんから大きな暴力を2度受けています。

1度目に受けたときは、私が対応している最中に
他スタッフに心無い横やりの言葉を入れられたために、
その怒りの矛先が私に向いてしまいました。
言葉を投げかけられた瞬間、
患者さんの表情が大きく変わったのをいまだにはっきりと覚えています。
『ヤバイ』と思ったのと同時に、患者さんからの蹴りが入りました。

明らかなスタッフの言葉のまずさ。
しかし、スタッフ本人はそのまずさに気づいていません。
患者さんはこの暴力行為のため、閉鎖病棟へ転棟となりました。
私は自分が受けた痛みとショックに向き合うのが精一杯で、
患者さんをかばうこともできず、
いまだにその時の気持ちは不消化のまま残っています。

そして、私が蹴りを入れられるに至った言葉を投げかけたスタッフは、
唯一私を心配して声をかけてくれた主任にまで、
『あぁ、それくらい大丈夫、大丈夫』
と、横やりをいれてくる始末
明らかに私たちスタッフが悪いと分かっていただけに、
暴力を受けた自分を責め、
あのとき、もっとどうにかできたのでは?と責め、
痛みやショックも隠さなきゃいけない気持ちになってしまいました。


でも、2度目の暴力を受けたとき、
そうではないということを実感しました。
3人での対応中に、攻撃の的は男性スタッフよりも私へ。
いきなり下から振り上げられた拳は、私の顔面に入ってしまいました。

この日、私は責任者でした。
そして、周囲のスタッフにずいぶんと精神的に救ってもらいました。
すぐにDrを呼んで診察依頼してくれたり、
患者さんへの対応はもちろん、
私へのフォローもずいぶんとしてもらいました。
何より嬉しかったのは、
『痛かっただろう?この暴力は、あんたが悪いわけじゃないから』
という言葉でした
もちろん、患者さんが悪いわけでもない。
この言葉に、私の気持ちは本当に救われました。

暴力を受けると、体の受けるダメージより
精神的ダメージのほうが非常に大きいんですよね。
痛みはいずれ消えるんです。
だけど、痛みを受けた瞬間に感じた恐怖は消えないんですよ。
だから、いまだに
患者さんが怒鳴り始めたり、暴力に至りそうな雰囲気になると、
やっぱり暴力を受けた時の恐怖がよぎるし、
膝もガクガクし始めてしまいますよ

でも、患者さんが怖いんじゃない、
患者さんが事情はどうあれ、
暴力行為に至ってしまう瞬間が怖いんです。
そして、その暴力の引き金が私たちスタッフにないだろうか、
と問い続けています。

そして、やはり暴力を受けたときには、
きちんと精神的フォローを受ける体制をとっておくべきだと思います。
『あんたが悪いんじゃない』と私が声をかけてもらえたように、暴力に遭ってしまったスタッフが、何より自分自身が悪かったと責めてしまうことのないように…。
一晩中、暴力のあれこれを話しましたが、
私自身、とても実りある話ができたし、
その役目が今は自分たち役付きにあるということも改めて認識しました。


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巻き込まれ

2006年06月08日 | 精神科看護
ボーダーの患者さんが先週から入院しています。
やっぱり周囲を振り回そうと日々画策していますねぇ…
ただし、そのへんはスタッフも心得ているので、
今のところは特に巻き込まれているスタッフもいません。
私たちもその日の受け持ち分担の際、
巻き込まれそうなスタッフには担当をつけないようにしています。
でも、病棟内外の患者さんが振り回され始めているので
ちょっと問題ありかなぁ…

この患者さん、
病状による家族エピソードはもちろんあるんですが、
今回の入院に至るまでに、他のHPでのエピソードがいろいろあり、
医療者不信が前提にあるようです。
そのため、こちらを試そうとする言動が多々見られています。

そんな中、この患者さんに
昨日からなぜか胸を触られるようになりました
まぁ、同性なので問題はないんですが、
今朝も対応中にいきなり触ってくるし
理由は特になさそうなんですがねぇ。

それらの行動がいきなり始まったのでおかしいなぁと思っていると、
今度は詰所に泣きながらやってきて、
他の男性患者さんから嫌なことやセクハラまがいのことを言われたと
ポロポロ涙をこぼして訴えます
まぁ、それはそれとしてえらく冷静に聞いてるんですが。

『おかしい』と感じたことは私の中から拭えないんですよね。
朝のミーティングでその話をして、
触ってくることについても他の女性スタッフに聞きましたが、
そんなことはされていないとのこと。
もしかすると、標的になりかけてるかなぁ…

ちなみに、このタイプの患者さんにはいつも良くも悪くも
標的にされてしまいます…


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吸精鬼?

2006年06月06日 | 日記
アルコール治療目的の患者さんが入院しました。

この患者さん、入院予約は半月前に入っていたんですが、
今日の入院になるまでの間、
頻繁に病棟へ質問の電話をかけてきていました。
これがなぜかタイミングよく、いつも私が対応
電話そのものはいっこうに構わないんですが、
質問の仕方や内容から、ちょっと敬遠したいなぁ…と思っていました。

ところが、今朝出勤して受け持ちの割り振りを見ると、
今日は私がアルコール患者さん全員の担当。
つまりは入院も受けろと…
避けたかったのになぁ…


で、やってきましたよ、患者さんが。
聞いていた話や電話応対した時と違い、
ベースに双極性をもっていることが分かりました。
しかも、躁状態のほうが主症状のようす。
一目合った瞬間からその口は止まることを知らず
話を聞いているだけなのに、
こっちの精気をすべて吸い取られてしまうほどのハイテンション…
担当となったDr共々、
診察終了時にはがっくり肩を落としてしまいましたよ

その後は入院時オリエンテーションなどを一通り行い、
荷物チェックもさせてもらい、
セクハラまがいの言葉にも笑顔でさらりとかわしていたら、
とうとう残りのパワーをも吸い取られ
さすがに、最後には他の人に対応を代わってもらいました。

担当NsとなったAくん、かわいそうに…と思いつつ、
こんな時ばかりは自分が担当にならなくて良かったと
ホッとしてしまいました
ごめんなさい

ちなみに準夜への申し送りでは、
『常にビール3本くらい飲んで陽気になってる人』
と送っておきました


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2006年06月02日 | 日記
先日、患者さんの身体的急変がありました。

私は点呼のため患者さんの部屋を回っていました。
Aさんの部屋を回った際、あまりにぐっすり眠っていたため、
一歩足を踏み入れたところで、部屋を後にしました。
その10分後、偶然課長が部屋周りをして
Aさんがコーヒー残渣用の吐物を嘔吐しているのを発見しました

実は、Aさんの部屋を後にしたとき、
一瞬、何か後ろ髪引かれるような感じがして不思議に思い、
振り返ったにもかかわらず、
私は、そのまま部屋を出てしまったのです。

今となっては私が見回ったとき、
Aさんがすでに急変していたのかどうかは分かりません。
だけど、あの瞬間感じた違和感をなぜもっと信じなかったんだろう…
数日経った今でも、あの時感じたあの感覚を思い出してしまうため
その度に、そう悔いている自分がいるのです。

看護師が患者急変時に感じる『勘』は、
決して第六感ではなく、
日頃の観察とその時の観察による瞬時の判断だと聞いたことがあります。
その話を聞いて納得していただけに、
いまだ、軽い後悔の念から放せずにいるのかも知れません

ちなみに、Aさんは処置後、市内の医療機関に救急搬送。
緊急オペとなりましたが、オペも無事終了しています


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