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お仕事(精神科看護)日記

精神科看護歴20年以上が経過しました。
なのに、なぜか現在訪問看護に在籍中!

桜咲く

2012年04月05日 | 実習指導
先日、うちの病棟で実習をした学生たちが、
病棟を訪ねてきてくれました。


精神科実習は、附属の病院などでは行えない分野なので
たいていの看護学校で院外実習の形をとっていると思います。
なので、
私たちは実習を終えた学生とはその後出会う機会がないのが現状です。

そんな中で、今回片道2時間もかかる道のりを
わざわざ無事国家試験に合格したと報告に来てくれたのです。
本当に嬉しかったですねぇ。
彼女たちが合格できたことも嬉しかったし、
何より、顔を見せにきてくれた彼女たちの気持ちが嬉しかったです。


この学生たちは、昨年4月にうちの病棟に実習に来ました。
特別優秀な学生だったわけでもなく、
反対に、先生から先々を心配されている学生がいたくらいでした。
だけど、私が過去振り返った中で、
1番いい実習指導をすることができた、と
非常に満足感を感じて終えることができた学生たちでした。


私が感じていたように、
彼女たちにも感じるところがあったようで、
今回の再会の機会を作ってくれました。



うちの看護部長が学生に言います。
『りっぱな看護師にならなくていいから、
 素敵な看護師になってくださいね。』
と。

4月から看護師になられた皆さん、
素敵な看護師さん目指して頑張ってくださいね。

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今どきの事情 その2

2011年06月19日 | 実習指導
精神看護実習にやってくる学生は、
ペプロウが考案したプロセスレコードという記録を書きます。
自分が体験した場面を再構成し、振り返り、
自己理解を深めることを目的としています。

私も学生時代、精神科実習で毎日1例ずつ書かされましたよ。
その頃は、なんでこんなものを書かされるんだ?!と思っていましたね。

でもこの記録は、学生の自己概念を揺さぶってしまうから、という理由で
最近は取り入れない学校もあると聞きました。



今回、このプロセスレコードを用いたカンファレンスが
学生が変わる大きなきっかけとなったのです。


実習開始から1週間目。
2日間に渡って、学生のプロセスレコードを使った
カンファレンスを行いました。

学生は、自分がどういう姿勢で人と向き合っていたのかに気づき、
精神疾患をもつ患者をどう見ていたのかに気づき、
患者を理解するために、学習不足であったことを自覚し、
コミュニケーションに見られる自分の傾向を知り…
それぞれに気づきがあったようです。


私の指導は厳しいです。
そんな私がプロセスレコードを使ってつつくんですから、
学生にしてみればずいぶんと苦しい状況に追い込まれていると思います。
この時も泣かせてしまいましたしねぇ。
傍から見れば、完全に『いじめ』と一緒でしょうねぇ…。


ところが、
その日以降、学生の言動が大きく変化していきました。

大きな声で挨拶をきちんとするようになり、
詰所にいる時間が減り、あまり詰所に帰ってこなくなりました。
それまで詰所で聞こえていた学生のおしゃべりは、
周囲のスタッフにお礼やことわりを言う声に変わり、
よく質問している姿を見かけるようになりました。
詰所や病棟内で聞こえてくる言葉もとても丁寧になり、
何より、学生の表情が生き生きとしてきたのです。

その変化は病棟スタッフ皆が認めていました。

看護過程の展開もそれぞれが計画立案・実施に入りましたが、
指導をすると、「精神科、難しいです~」と叫びながらも
より個別性のあるものに修正されていきました。

担当患者ともいい関係を作れたようです。

そんな学生の様子を見て、とても嬉しかったです。


学生に最後の日、個人面談をしました。
その中で「あなたの行動の変化のきっかけは?」と問うと、
カンファレンスがきっかけだとそれぞれが答えました。
カンファレンスを通して、
精神科に興味を持ち、患者さんに興味を持ち、
知りたい、理解したいと思ったことが、
その後の彼女たちの行動に大きく影響したのだと分かりました。

これって、【内発的動機付け】ってやつですよね。


『学ぶことは変わることだ』
実習指導者研修を受けた時、指導教官から言われた言葉です。
学べば自ずと変わっていくし、変わらずにはいられないのだと。

でも、私が以前上司から言われて嬉しかった言葉は、
『お前はちゃんと力を持ってて、今までそれを発揮できていなかっただけ。
 人ってそんなに簡単には変われない。
 でも、それまでと違うというのなら、それは変わったんじゃなくて
 ちゃんと持っていた力を発揮することができるようになったんだ。』と。

学生もちゃんと学ぶ姿勢を持っていたんだと思うんです。
それを発揮する環境を提供できるか、できないかは、
彼女たちを取り巻く環境によるのかも知れません。



私たち実習指導者は、たった2週間とはいえ、
1年後には同じフィールドに立つ子を育てる立場にあります。
新卒でうちの病院(精神科病院)に就職を希望する子はあまりいません。
それでも私は、一緒に働きたいと思える子を育てたいなぁと思うんです。
病院は違っても、看護師という同じフィールドに立つ子は、
一緒に働きたいと思える魅力ある看護師であってほしいと思うんです。

だから、実習指導は手を抜くわけにはいかないんです。


実習を終える時、学生から嬉しい言葉をもらいました。
『手厚い指導をいただき、ありがとうございました。』
私の2週間の思いが報われた言葉でした。
私のほうこそ、ありがとう。


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今どきの事情

2011年06月11日 | 実習指導
うちの病院では看護学校からの精神看護実習を受け入れています。

現在は、2つめのグループが病棟にきています。
今年度は月1で実習グループがやってくる予定で、
この前、やっと4月の実習評価を終えて提出したと思ったのに、
もう、2つ目の実習グループがきちゃった、という感じです。


私が実習指導に携わるようになったのは10年前。
ここ5~6年は、精神科病棟勤務から離れていたこともあり、
実習指導からは遠のいていました。
昨年、今の病棟に配属になって久々に実習指導についています。

ところが、今回の実習グループには
ちょっと驚いていることがありまして。
今どきの学生ってまとめてはいけないのですが、
何だか様子が変わってしまっているんですね。

挨拶がきちんとできない。

言葉遣いがすぐに『タメ口』になる。

報告すべきことが報告できない。

提出物がきちんと出せない。

・・・・・。


10年前、実習指導研修を受けた当時も、
『今時の若者事情』なんてことを研修で聞きましたが、
その頃とはまた違ってしまったんだなぁなんて感じています。

ただ、前回やってきたグループは、そんなことはありませんでした。
ということは、学校が違うから学校の風土なのかなぁ・・・?

今回の学生たちは、実習の初めに
「精神看護が全ての看護の基本だということを聞いたので、
 実習の中できちんと学びたい」
と言いました。

でも、彼女たちの実習態度には、
どうなの?と思わずにいられないのです。

それは病棟スタッフも感じているようで、
「今回の学生さんは態度が悪いね」
「今回の学生さんは一生懸命さが感じられないなぁ」
「今回の学生さんは、なんで患者さんに対して上から目線なんだろう?」

普段、実習指導にはスタッフにも関わってもらっています。
でも、ここまでスタッフから苦情が出ることって
今までなかったことなんですよねぇ…。

スタッフと同じことを私も感じており、
言葉遣いや態度については注意したのですが、全く効果なし。


効果がないって、どういうことなんだろう?????

私の中でもよく分からなくなってしまってて。
どうしたもんかなぁと困っていました。



そんな時、あるTV番組にヒントをもらいました。

NHKの『仕事ハッケン伝』という番組をご存知でしょうか?
この日の放送は、鈴木亜美がユニクロに勤務し、
与えられたミッションをクリアしていくという内容でした。

初めは、何が何だか分からないという表情だった彼女が、
与えられた仕事の意味を理解し、
自分の中で考える方向性を見つけだしたときに、
ガラリと表情が変わっていったんです。

その過程を見ていて、ふと、学生のことが頭を過ぎったんですよね。
学生ももしかすると変わることができるのでは、と。
実習の意味を理解し、精神看護について考えることができたら
その態度は自ずと変わっていくのではないか。

それなら、私のすべきことは、彼女たちにその機会を作ること。

少し、指導の方向性が見えた瞬間でした。


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終わりよければ

2005年06月24日 | 実習指導
【6/23 日勤】

今日で実習も終了です
この実習では自分でも非常に大きな学びがあり、
指導者として学生に何をどう伝えたらいいのか、が明確になった実習でした。

今年度、学校側から実習目標として提示されたのは
 ①対象(患者)の理解
 ②看護師の役割
 ③自己理解
の3点で、特に③を力を入れてほしいとのことでした。

自己理解って?って思うんですが、
『己を知らずして、他者を理解することは不可能である』
というわけで、日々学生は記録を通して自己分析をさせられるのです。

何が嬉しくて、初対面の指導者に自分の内面をさらけ出さなきゃならないのか
と思いますよ、ホント
その上、心理とか勉強してないただの臨床指導者にその自己分析指導を任されるんだから、
恐ろしいことこの上ないですよね。
だって、私の指導1つによって、
学生自身の自己概念が大きく傷つくことだってあるんですから。
そんなのは、無理に精神科でなくたって、
学校で先生たちが日々指導すればいいじゃんって思うんですけどねぇ。
なぜか、精神科でこの自己理解を課題にされちゃうんですよね


ところで先日、患者さんに「来ないで」と言われた学生さんですが、
今回1番いい実習をしてくれましたねぇ
実は学校側から、問題とまではいかないものの、
“気になる実習態度を示す子”として聞かされていました。
私が関わって受けた印象は、“ちょっと斜に構える子だなぁ”でした。
そのへんがこの学生さんの損をしている部分なのかも知れません。

ところが、患者さんと日々向き合う中で、
患者さんにも私たち指導者にも、本当に素直に向き合うようになっていきました。
表情もよくなり、記録にも本音を書いてくるようになりました。
自分自身とも素直に向き合う勇気を持ってくれたのが、いい学びにつながったようです

実習最後に、
「『chunkさんのようになりたい』と学生が言っていた」と先生から聞かされました。
そんなふうに言ってもらえたのは初めてで、嬉しくて涙がでましたねぇ
指導者として、最高の褒め言葉をもらいましたよ

ほっと

2005年06月14日 | 実習指導
【6/10 深夜明け】

昨日、学生の1人が急に泣きだしてしまいました
理由は、患者さんから「来ないで」と言われたことが発端でした。

この学生Aさん、実習初日から他の学生とはちょっと違う反応を見せていました。
たいていの学生は、精神科に対する先入観やイメージというものを持ってきます。
今では精神科患者による事件など、メディアが報じるものも少なくありません。
また、実習前には必ず講義を終えています。
そうすると、何らかのイメージというものは持ってしまうんですが、
Aさんは「イメージとか先入観とか持っていない」と答えました。
ただし、『分からない』という言葉を連発していました。
そんな彼女が気にはなる存在だったんですけどね。

Aさんは患者さんから「来ないで」と言われたことで、内心かなりショックを受けていました。
が、その気持ちに蓋をして、実習を続けようとしたところ、
気持ちの押しつぶしによる歪みができてしまったようで、
詰め所から1歩も離れることができなくなり、結果大泣きすることになってしまったのでした。
そのことに関しては、彼女と面接をするなどして気持ちのフォローはできたようでした。

そして今日、深夜を終えて帰ろうと思っていたら、
Aさんが嬉しそうな顔をして声をかけてきました。
「患者さんが昨日はごめんねって言ってくれたんです
と、患者さんと上手く関われたことを報告してくれました。

昨日は、今日は
日々、一喜一憂しながら学んでいるようです。
そんな彼女を見て、私がほっと安堵したのは言うまでもありません。