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お仕事(精神科看護)日記

精神科看護歴20年以上が経過しました。
なのに、なぜか現在訪問看護に在籍中!

とっさの判断って

2011年06月06日 | 精神科看護
深夜勤務中のこと。

夜中2時。
詰所で記録していたところ、グラグラグラグラ・・・・・
地震でした。

すぐにTVで震度を確認したところ、震度4。
隣町は震度3~4と出ていましたが、私の町は速報上には出てこなかったので、
かなり弱いものだったのでしょう。


私の生息地は地震が少ない地域なので、
こうして稀に揺れると、やっぱり一瞬行動が止まります。

今回は数10秒で止まりましたが、
その間、いろいろなことが頭をよぎりました。


このまま揺れがひどくなったら、まず何からしたらいい?

揺れがひどいと電子錠は自動開錠になるんだろうか?

そうしたら、まず隔離室の開錠をしなきゃ。

薬でぐっすり寝込んでいる患者さんを、起こさなきゃ。
(この地震に気づいた患者さんは、ちょうど覚醒していた1名だけでした。)

いや、起きてくれるんだろうか…?


なんだか、そんなことが次々と頭の中をよぎりました。
相方も同じことを考えていたようです。


日頃の訓練といえば、防火訓練のみ。
実際に地震が起きたら、どうしたらいいんだろう?
震災以降、病棟でもいろいろと考えたのに、
やっぱりいざとなると、『え~っと…』と考えているんですよね。

今回一瞬に頭をよぎった疑問の中で、明らかな答えが見つからなかったのは、
真夜中、睡眠薬を飲んでぐっすり寝込んでしまっている患者さんを
どうやって避難させるの?ってこと。

もしも、真夜中に震災が起きたら、昼間の震災より初動が遅れてしまう。
ましてや、今の病棟は4階。
高齢化している上に、睡眠薬で脱力している患者さんを
真夜中の真っ暗な中、どうやって避難させる?


深夜勤務での出来事でした。


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ナースコールの理由

2011年05月09日 | 精神科看護
以前、同僚が入院したとき、
『Nsコールを押すのをためらう』と話していました。
理由は、【ここの看護師が忙しそにしてるから】でした。
同業者ゆえの遠慮と言いましょうか。
よほどのことでない限りは押しにくく、
ギリギリまで痛みを我慢した結果、耐えられず押したと話していました。


ところで、
精神科の患者さんのNsコールって、よその病院ではどんな内容なんでしょうか?
うちの病棟(全個室の閉鎖病棟です)のNsコールは、ホントさまざまです。


『ポータブルトイレに便が出ました。替えてください』
『蒸しタオルをください』
『頭が痛いので薬持ってきて』

このあたりは一般病院もあまり変わりませんよね。

『今、下(階下)に私の子供と夫が来ていると連絡があったので、
 入り口(施錠中の病棟入り口)を開けてください』
深夜3時のNsコールです。
この方は携帯電話などの連絡ツールを何も所持されていません。
もちろん、そのような連絡は病棟にもありません。

このあたりになると精神科的な内容ですよね。

『chunkさんの小さい頃の写真、ちょうだい』
いや、あげないし。
そもそもなんで必要?

『時計回りの反対は何回り?』
もはや、クイズの出題だし。


そして、今日の夕方のNsコール。
『今日でこの世は終わりますっ!!!』

だから、どうしろと?(笑)


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感情労働

2011年03月06日 | 精神科看護
先日、患者さんに顔面を殴られました。


過去スタッフを叩いたことはありません。
今回がおそらく初めてだったんじゃないかと思います。
だから、私もビックリでしたが、
患者さんも一瞬動きが止まっていましたから。



患者さんの病状は、かなり進んでしまっています。
それでも、本人なりに一生懸命自己を維持しようとしています。
本人に病識があるのかは不明です。
ただ、普段の言動を見ていると
精神疾患であることを認めたくないとは思っているようです。
入院時より統合失調症の症状だけではなく、別の病状も見え隠れしており、
周囲を振り回す傾向があまりに強いため
スタッフから陰性感情を強く持たれてしまっています。


今回のことは、
そんな患者さんへの対応中に起きたことでした。

この患者さんの病状から
病棟では必ず2名以上で対応することにしています。
この時も私1人ではなく、他にも2名スタッフがいました。
また、ホールでの対応中だったので他にも数名スタッフがいました。


殴られた瞬間、
何が起こったのかわからず、痛みを感じて顔を押さえるまでに
少し間があったように思います。
患者さんも1発殴った後は、そこに立ち尽くしていました。
その後、周りのスタッフに取り押さえられ、
しばらく暴れていましたが、
最後は「死んでやる!!!」と捨て台詞を残して帰室していきました。

そして、その後はというと、
1日中何事もなかったかのように過ごされていました。

まぁ、崩壊しつつある患者さんってそんなもんですよね。



こういう患者さんの病状や心情、いろんな状況を考えると
これも仕方ない、と思うんです。
だから、殴られたことは痛いし、腹も立つんですが
そのことを責める気持ちにはなれないのも本当です。

だけど、
殴られた後というのは、いろんな感情が渦巻いてしまうんです。

特に今回は課長不在の日で、
私が病棟責任者として対応中のできごとでした。
殴られた瞬間、スタッフが動揺したのはもちろん、
陰性感情も剥き出しになってしまってましたし、
それは、患者さんにとっても決していいことではありません。

殴られたにも関わらず、
状況をなぜか冷静に判断し対応をしている私がいました。
今ここで感情的になるのは非常にまずい、と
どこか客観的に自分を見ているような感じでした。
スタッフの怒りもその後鎮火し、通常業務に戻りました。


ところが、やはりこんな状況はツケがあとからやってくると言いましょうか。
すべてが落ち着いた頃、
私自身の気持ちが落ち着かなくなってしまったのです。
殴られたことへの怒りや、
また殴られるのではないかと、他の患者さんまでもが怖かったり、
殴られずに済む方法があったんじゃなかろうかという自責の思いや
それを打ち消してみたり…。
本当にいろんな思いがグルグルと回り始めました。

とうとう気持ちを抑えられなくなり、看護部長室へ。
看護部長にそんな私の精神療法をしてもらい、落ち着くことができました。
そして、この日スタッフからもずいぶん精神的フォローをしてもらい、
本当に周囲に救われた1日でした。


殴られることによって受ける精神的なダメージは、
きっと周囲が思っている以上なんだと思います。
だからこそ、きちんと周囲に思いを発することのできる風土を
私たちが作らなければならないのだと改めて思います。


看護部長とも話したのですが、
殴られたのがスタッフでなくて良かったよね、と。
守ってあげられなかった、という思いになるよりは、
殴られたのは自分で良かった、と。


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あるがままに

2008年04月15日 | 精神科看護
この数日、あるメンバーとの関わりの中で、
私自身、いろいろな思いを抱くことがありました。

そのメンバーというのが、先日看護学校に合格したAくん。


彼は入学後すぐから、10歳も年の離れた子たちとの関わり方が見えず、
苦しんでいました

この2年間は、彼にとって自分の病気のことを理解してくれている人に囲まれた、
彼曰く『守られた環境』での生活でした。

そこから踏み出した一歩は、本当に大きな一歩だったと思います。
その一歩によって、Aくんが苦しむこともわかっていたことでした。
そして数日後。
案の定、苦しんでいる彼がいました


そんな彼がこの数日求めていたのは、
「自分を理解してくれる人が側にいてくれること」でした。


確かに、自分自身を理解してくれる人が側にいれば、
これほど心強いことはありません。
私も、そんな理解者に救われたことは1度や2度ではありません。
だけど、人は同じ場所に居続けることはできません。
何かしら環境の変化を迎え、その中で適応していかなければなりません。
しかも、必ずしもそこに理解者がいるわけでもありません。

理解者を得るには、自身の労力と時間も必要だと思うのです。


そんな彼が、わずか数日で見事復活を果たしました
きっかけは、自身の労力と友人との時間の共有でした。


Aくんは、自分が病気であることを友人に告白しました。
その告白を前向きに受け止めてくれた友人と時間を過ごし、
互いが同じ立場に立たされていること、
病気は関係なく、
抱く思いは同じであること、
その友人が頑張ろうとしていることを知り、
自分の思いが甘えであること、
そして自分もまた、明日から頑張ろうと思えたのでした。


彼の大きな成長の一歩を感じた瞬間でもあり、
私こそが自分の無力さを感じた瞬間でもありました



人は他の誰かになれるはずもなく、自分であり続けるしかありません。
だけど、ありのままの自分を認めることは、とても難しいことでもあります。
そこには、自己否定の感情もあるだろうし。。。
だからといって、自分を否定したり、卑下することは、
私と友人でいてくれる人、
私を必要としてくれる人、
そういった周囲の人に対して失礼なことだと思うのです。

ありのままの自分を見せられず、自分を取り繕ってしまうのは仕方の無いこと。
それでも、私は私のままでいいんだと誰かに認めてもらえたら、
自分を前向きに受け入れられるきっかけになるのかも知れません。


そんなことを、何となくぼんやりとだけど、考え続けた数日でした。

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持つべきものは

2008年03月16日 | 精神科看護
先週の話になりますが。
『夜の主任会』がありました。
昼間、正式な『主任会』が行われた夜、毎度飲み会をするわけですが、
その夜の会に参加してきました。


うちは、1つの病棟に、看護課長・病棟係長・主任の3役がいます。
その主任が数回/年ほど集まり、
各自病棟での1年間の取り組みについて話し合い、
主任同士の横のつながりを持つようにしています。

私は現在リハビリ部所属のため、この『主任会』には出席していませんが、
今後、精神科デイケアと重度認知症デイケアに関して、
主任会でローテーションすることが病院の方針で決定しているため、
いずれ私も看護部(病棟勤務)に戻ることになります。
なので、互いの情報交換のため、夜の会だけは継続参加しています。

で、私はそのローテーション第1号になります。
そのため、主任会メンバーにはまだデイケア経験者がおらず、
勤務年数が長くなればなるほど話が合わなくなっているのも事実で、
何となく気が向かないままの参加となりました


参加すると案の定、話題は昼間の『主任会』の延長になり、
話についていけません
何となく引き気味な気分で黙々と食べていたところ、
そのうち話題は精神科デイケアのことに。


今年度、私の勝手な目標ではあったんですが、
「今年は、院内の職員に対して営業をしよう
と言い続け、
折に触れては院内で精デイの今年度の取り組みを紹介してきました。

その取り組みについてが話題となり、主任たちから
「あんた、よぉ、頑張っとるじゃん
との言葉をもらうことができたのです。


営業をすると言いながらも、
じゃあ、どれくらい精デイの取り組みが伝わったのかも分からずにいたため、
この言葉は、本当に嬉しい言葉でした

私が精デイに異動が決まった際、主任たちが一斉に言った言葉が、
「絶対、精デイだけは行きたくない」でした。
えぇ、もちろん私もそう思ってましたし

しかし、この日主任たちが言った言葉は、
「大変そうだから行きたくないのは変わらないんだけど、
 でも、行ってみてもいいかなぁと思えるようになった」
でした。
この1年半、手探りながらも何とかやってきたことへの、
何よりの評価の言葉でした


そして、地域ケアを目指す必要性も、主任それぞれが感じていることも分かり、
明日への元気をもらえたひとときでした

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