ハングル;教え、そして学ぶ

日々ハングル(韓国、朝鮮語)を教えながら感じること、韓国ドラマでみる名言。

「あんぽん」を読んで

2012-05-31 22:27:23 | Weblog
最近「あんぽん」孫正義伝を読みました。

孫さんが在日であり、帰化するとき先に奥さんに孫という苗字にさせ、日本人にも孫という名前があるではないか、という前例を作り、本名のまま帰化したという話は知っていましたが、なぜそこまでしたのかという熱い想いを知ることが出来た。

本名で事業をすると決めて反対にあったとき、こういったという。

「何10万人といる在日韓国人が、日本で就職や結婚や、それこそお金を借りる時差別を受けている。でも在日韓国人であろうが、日本人と同じだけの正義感があって、能力がある。それを自分が事業で成功して、証明しなきゃならないと思ったんです。これからの在日の若者に、それを背中でしめさなきゃいけないのに、おれが本名を隠してこそこそやったんじゃ、意味がないじゃないか、アメリカにいった目的が達成できないじゃないか。後からあの事業を興したのは、実は孫でしたといったって、……」
(在日韓国人―在日コリアン)

本名と通名、昔からあることで、また、昔ほどでは無くなってきていますが、在日コリアンにはいつも悩みの種なのですが、孫さんがここまで思っていたとは…

この本に出てくる孫さんのお父さんは2世ですが、孫三憲さんの話は情の厚い一世を彷彿させ、ひきつけられ、またその一族たちの話に驚かされます。
著者がいうように面白い本であり、孫一族の「血と骨の物語」であると思われますが、この本で不覚の涙を流した感動の場面がありました。(続く)