
横浜にはレンガを貼りつけた建物がたくさんありますが、その筆頭格はなんといっても「赤レンガ倉庫」でしょう。 他にも開港記念会館、生糸検査所などが有名ですよね。 そう思ってレンガを使った構造物をいろいろと思い出していくと、出てくるのはすべて建築物です。 建物の壁に貼られているという姿なのです。 ところが最近、擁壁に積み上げられた赤レンガというのを、しばしば見かけるようになりました。 といっても、新しいモノではなく、何十年前なのかよく分かりませんが、壁の中に組み込まれている姿を発見するようになったのです。 最初は、横浜ヘリテイジに関わっておられる女性建築家からの情報提供で2年前に知りました。 それが、これです。 ![]() 場所は中区本郷町。 昔からある住宅地の中です。 その一画で建物解体&新築工事が始まったころ、彼女がこんな壁を発見したのでした。 ![]() さっそく資料館の学芸員に連絡したそうです。 専門家の意見では、こんなのは珍しいとのことで、私にも情報が伝わってきたというわけです。 これを見てしまってからは、古い道を歩いていると、ついつい壁に目がいくようになってしまいました。 もちろんブラフ積みには興味があって注意してみているのですが、それに加えてこんな擁壁まで守備範囲に入ってしまったのです。 ![]() そして今年、中区簑沢でこれを発見しました。 なんと、斜め積み! ![]() その後、彼女から教えていただいたのがこれ。 場所は中区西之谷町です。 ちょっと分かりにくいかもしれませんが…… ![]() よ~く見ると、コンクリートで塗り固められている擁壁の内部に斜め積みのレンガが見えますよね。 ![]() こちらは山手駅の裏。 この道は何度も通っているのに、今まで全く気がつきませんでした…。 これを発見した時は、嬉しかったですねぇ。 ![]() なんと! 斜め積みのレンガが隠されていたのです。 じっと眺めると見えてくるでしょ。 これらはいったい何なのでしょうか。 発見された斜め積みレンガの所在地に注目したいと思います。 中区の本郷町、簑沢、西之谷町、そして大和町。 すべて山手の丘を囲む周囲の町なのです。 ここからは想像ですが、関東大震災で被害を受けた山手の洋館から発生した廃棄レンガ、これらが丘の下の日本人町に運び込まれ、擁壁を補修する際の材料になったのではないでしょうか。 ユックリ観察すれば、もっと発見できるかもしれませんね。 参考にレンガの積み方について、リンクを貼っておきます。 こちら・・・イギリス積み・フランス積み ほかにもオランダ積みというのもあるそうです。 ![]() |
若い人は伝統ガテン職に興味は持っても、始発で仕事に向かい、帰りの電車に乗るのが憚られるほどの仕事はしてくれませんね。
レンガ職人が減っているのですか。
そのうちレンガ模様の壁紙になりそうですね。