中華街ランチ探偵団「酔華」

中華料理店の密集する横浜中華街。最近はなかなかランチに行けないのだが、少しずつ更新していきます。

B級グルメの食べ過ぎに注意(N0.18)  ~リンゴの巻~

2007年11月20日 | B級グルメの食べ過ぎに注意

 太平洋無着陸横断飛行がもたらしたリチャードデリシャス

太平洋無着陸横断に初挑戦、そして失敗
 大正末期から昭和初期、世界は冒険飛行のラッシュを迎えた。時代はそろそろキナ臭くなるころである。いずれ起こるであろう大戦に備えて、防空意識を高めるという目的もあったのかもしれない。

 欧米では、アメリカ大陸無着陸横断飛行や世界一周飛行に続き、昭和2年にはリンドバーグが大西洋無着陸飛行に成功している。こうなると「次は太平洋!」というのが自然の流れだ。アメリカや日本の会社がスポンサーとなり懸賞金も付いた。

 昭和5年、この冒険に挑む2人の男が、横浜港に降り立った。アメリカ・ワシントン州タコマ市出身のブロムリー中尉とゲッティ航空士だ。彼らは根岸湾にそそぐ堀割川河口の市電埋立地で愛機「タコマ号」を組み立て、8月19日、初の太平洋無着陸横断飛行に向けて飛び立った。

 しかし、この埋立地からでは滑走距離が短く、燃料を満載にして飛び上がることができず、2人は新たな離陸地点として青森県淋代海岸(現三沢市)を選んだ。平坦で長大な地形が適していたのである。何回か失敗したのち、9月14日、とうとう浮上に成功し北太平洋を目指して飛び去って行った。

 ところが運悪くアリューシャン列島付近で乱気流に遭遇。さらに排気管も故障。やむなく引き返し、下北半島に不時着することに。横浜から始まった冒険飛行の夢は、ここで挫折してしまった。

2組目が現れる
 翌年の夏、アレンとモイルという2人の青年がやって来た。彼らは立川で保管されていた「タコマ号」に大幅な改造を加えて、「クラシナマッジ号」と名前を付け、ブロムリーらと同様に、青森県淋代海岸から離陸した。
 しかし、彼らを待ちうけていたのは、タコマ号と同じような状況だった。なんとタンクから燃料が漏れ出し、おまけに暴風雨の中に突っ込んでしまったのである。

 すでに太平洋の半分は超えていたはずだが、ここでやむなく「無着陸」を断念。近くの無人島に不時着した。
 数日間は海鳥や貝で餓えをしのいだ。機体の修理を終えた彼らは、その後、ソロモンビーチ、フェアバンクスを経て、10月6日の夕方、とうとうタコマ市へ到着することができた。青森を離陸してから1か月が経過していた。
 「無着陸」ではないが、ともかく太平洋横断に成功した第一号となるはずだった…

早周り世界一周を諦めた3組目が成功
 そんなアレン・モイル組がタコマ市へ到着する2日前に、やはり青森県淋代海岸から離陸した飛行機があった。パングボーンとハーンドンの操縦する「ビードル号」である。アクロバット飛行のパイロットと、大富豪の息子という2人連れで、早回り世界一周に挑んでいたのだが、途中で記録樹立が難しくなったことを知り、狙いを「太平洋無着陸横断一番乗り」に切り替えてきたのだ。

 彼らは離陸後、空気抵抗を小さくするため機外に出て車輪を切り捨てたり、翼に付着した氷を落としたりと、決死の覚悟で飛行を続けた。商売でやってきた曲芸飛行が、ここで生かされたのである。
 淋代海岸を離陸してから41時間後の10月6日朝、ワシントン州ウェナッチ市に胴体着陸した。くしくも、島伝いのクラシナマッジ号がタコマ市に到着した日と同じであった。しかし、着陸はこちらの方が数時間早かったし、なんといっても「無着陸」という輝かしい記録が付いていた。

青森県に贈られたリチャードデリシャス
 翌年の昭和7年、ウェナッチ市より青森県りんご試験場へ、リチャードデリシャスの苗木が贈られてきた。
 淋代海岸から飛び立った飛行家たちには、機内で食べられるようにと、弁当に添えて青森産のリンゴが提供されていたのだが、そのときの村民の好意に対するお礼ということだった。

 これが、日本におけるデリシャス系リンゴの「始め」だと考えられる。以後、日本でもリチャードデリシャスが栽培されるようになったが、現代では「リチャード」はおろか、「ゴールデン」さえ見かけなくなった。淋しい限りである。

 ニュートンが引力の存在を知るきっかけとなったリンゴ。その引力に逆らって飛ぶ飛行機。その飛行機が取り持つ縁で贈られてきたリンゴ。不思議な因縁を感じさせる果物である。

本日のお勧め(その1)
「カルフール」のアップルパイ(630円)


 開港道の日本大通側にある小さな喫茶店兼レストラン。昼はランチ目当ての近隣会社員たちで賑わっている。座席数は20席ほどだろうか。その8割以上は女性で埋まっている。
 カレーライス、ハヤシライス、スパゲッティなどのセットのほか、ここの名物である焼きたてパイを食べているお客も多い。
 
 今日、お勧めするのは定番の「アップルパイ」だ。比較する物差しがないので分かりにくいと思うが、これは結構な高さのあるパイなのである。
 下の方から、まさに「舌」のように突き出しているのはアップルだ。パイの下に敷かれているのはクリーム。


 運ばれてきたアップルパイを、一気に突き崩す。表面はサクサクで、アッというまにペシャンコになった。空気が何層にも入っているんだろうね。フカフカだった。
 中から甘く仕上げられたリンゴがはみ出てきた。これらをクリームをからませて食べると、口中一杯にシアワセが訪れる。

 なんて美味しいんだろう! うま~~~~~~い!
 次は超お勧めのパンプキンを食べてみたい。

【参考】
カルフールのカレーライス

本日のお勧め(その2)
「an apple」の天然酵母パン

 食パンだけではなく、こういった調理パンもある。これはウィンナーロール。なかなか美味しい。
 酵母はリンゴから作っているので、店名が「アン・アップル」なのだ。











媽祖小路の外れにある「an apple」 リンゴを使った天然酵母使用





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1 コメント

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アップルのパン (クラルス)
2007-12-13 20:52:58
年末にはアップルさんのパンをまとめ買いします。
天然酵母パンって、噛むほどに美味しいですね。

大勝パーマのあとの餃子やさん、台北で食べたような棒餃子の店だったらいいなぁ。

酔華さんも台湾に行ってみてください。
きっと気に入りますよ!
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