
だんだん暖かくなってきた。先日の昼休みなど、ワイシャツ姿で中華街を歩いているサラリーマンも見られたほどだった。 春が近い。 そんな日はママチャリを飛ばして埠頭まで行き、港の雰囲気とともに港の定食を味わってみるのもいい。 そこで今日ご紹介するのは山下埠頭でのランチだ。 山下公園の前の道を真っ直ぐ新山下方面に向かうと堀川に架かる橋が見えてくる。これをこのまま進むと小港・本牧へと至るのだが、今回はこの橋を渡らず左折する。 ものの数十メートル行った先に広がる広大なエリアが山下埠頭である。構内に入ってすぐ目に付くのが山下ふ頭厚生センターの青いビル。ここには今日ご紹介する「波止場食堂」の他に、中華店・給食センター・理容所・海員生協売店・厚生年金基金・診療所、そしてこれらを運営する主体である「横浜港湾福利厚生協会」の事務所がある。 ![]() ショーケースの向かい側には“日替わり定食”の見本。Aランチが550円、Bランチは500円だ。今日の“日替わり”はイマイチ食指が動かず、いろいろ迷った末に選んだのは「豚汁定食」、450円! ![]() さすがにアジフライは小さめだが、コロッケなんかはいかにも食堂って感じの味わい。ジャガイモがホコホコしていて、それなりに美味しい。有名レストランには及ばないが、B級グルメっぽいコロッケが気に入った。 食べながらフロアを見回し観察する。食堂はかなり広く、150人くらいは収容できるだろうか。お客さんの大半は作業服、事務服を着ている。おそらく埠頭で働く人たちなのだろう。 そんな中に背広姿の会社員や、半袖Tシャツのトラック運転手、そして私のようなヨレヨレの服を着たおじさんも混じっている。 ここは港で働く人々の福利厚生施設ではあるが、誰でも入って食べることができるのだ。食堂の窓から殺風景な埠頭の風景を見ながらランチをいただくのも、また楽しい。未訪の方にはぜひ一度体験をお勧めする。 全面禁煙だから、タバコの煙が嫌いな方でも安心して食事ができるよ。 ![]() ![]() ![]() 一昨年、運営する会社が解散し、その存続が危ぶまれていた氷川丸。しかし昨年、「日本郵船」が買い取り、リニューアルして間もなく再オープンすることになった。 ![]() ![]() 入口横の自動販売機で食券を買って、厨房前面を取り仕切る元気なお姉さんに渡すと、代わりに番号札をくれる。料理はかなり早く出てくるので、その辺に立って待っていよう。 「9番の方~! 番号札9番の方~!!」 「3番の方~、3番ラーメンの方~!」 「7番、7番の方~!」 とてつもなく大きな声のお姉さんだ。いかにも港の食堂で働く“肝っ玉かあさん”という雰囲気。いや、まだ若いから“肝っ玉姉さん”と言うべきか。 こんな大声で取り仕切っているから非常に分かりやすい。 ところが先日、いつまで経っても料理が出てこないのか、厨房の前にず~っと立ち続けている外国人たちがいた。 お姉さんの声は大きくて、多少耳が遠くなった私たちおじさんでも、いま何番が呼ばれているのかはよく分かる。 でも、この外国人たちは日本語自体が分からなかったんだね。 しばらくして、お姉さんが気づいた。 「あんた達、言葉が分からなかったんだ~」 なかなかいい感じの食堂である。 ![]() エビは個数こそあるが、冷凍物らしくプリプリ感がなく、イマイチだった。ほかのお客さんが食べているのを見ると、豚キムチが多いようだ。もしかしたらお勧めなのかもね。 ![]() サンマーメンといえば横浜が発祥の地。ここから県内各地に伝わり、今では神奈川名物ともいわれるほどの存在になっている。 しかし、不思議なことに、こんなウマイ麺が全国各地に広がらなかった。フォッサマグナから西にはまったくないという話も聞く。そして北はどうなのだろうか。北海道で食べたという人に出会ったこともない。限られた地域限定の麺なのである。 よく分からないことはもう一つある。発祥の「店」だ。中華街の「聘珍楼」とか、伊勢佐木町の「養成軒」だとか、いやいや伊勢佐木でも「玉泉亭」だとか、はたまた麦田の「奇珍」だという人もいる。その「奇珍」の経営者は、昔中華街にあった「平安閣」説を採る。 それからサンマーメンを漢字で書く場合の表記の仕方。どうやら「生馬麺」「生碼麺」とあるようだ。 ウィキペディア(Wikipedia)によると、生碼とは“生きのよい具材(碼)の意味”。「馬」は「碼」の当て字である。三種類の具(モヤシ、豚肉、ターサイ)を使ったので三馬麺としたとの説も。と書いてある。 一方、「奇珍」の経営者の説ではこうだ。「碼」とは中国語で「埠頭」のこと。だから「埠頭で生まれた麺」という意味になる。この麺は、寒い埠頭で働く荷役作業員たちの体が温まるように、モヤシを中心とした野菜を炒めたものを片栗粉でトロミをつけて麺の上に乗せたのが始まりというのだ。 具体的な史料は何もないが、私はこの説を採りたい。なんたって横浜らしいではないか。 そんなことを考えながら、山下埠頭の波止場食堂(中華店)でサンマーメンをいただいた。埠頭で働く人に提供しているだけあって、かなりのボリュームである。具材は豚肉、モヤシ、ニラ、玉ネギ、ニンジン、キクラゲと多彩だ。スープの味も、一応サンマーメンのものに仕上がっている。 しかし、なによりも一番の味付けは、埠頭ならではの雰囲気。サンマーメンの由来を思い出しながら、港湾で働く人々と一緒に食べるランチは格別であった。 ![]() 「ハマる横浜中華街」ランチ情報はコチラ⇒ ![]() |
やっぱり安いなぁ (〃⌒ー⌒〃)
そぉーいえば“波止場食堂”って本牧にもありますよね
この食堂の前は何回も通ったことはあるのですが入ったことはありませんでした。一度行ってみたいと思います!
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ここのサンマーメン、ぜひ味わってみてください。ミナトの味がします。
◇MANTAさん
始めまして~。ようこそ、いらっしゃいました。
この食堂の前は、何度も通っているんですね。ならば、ぜひとも一食。私なんか、そんな簡単に食べにいけませんから…。
ミナトの味のサンマ-麺、食べてみたくなります。
ここは仕事場から近いんではないでしょうか。
暖かくなってきたので、散歩がてら食べに行ってみることをお薦めします。
料理へのコメント真摯にうけとめました。なにせ500円以下で料理を提供するので、材料、中々思うような物が使えないんですよ。。。ご勘弁いただきたい。。。そのぶん愛情一杯、元気一杯に料理をつくっていますので、またどうぞご来店ください。