4日間の会議で出て来たのはこの人事のみだけど、それを李相哲氏に解説して頂きました!
https://youtu.be/YPj4JBWqI00
【新年スペシャル②】金正恩は何のために組織を大きく変えたか?(2020.1.2)より
今回の北朝鮮全体会議で何が決まったか
4項目に渡って議論している。
1千人もの人たちが4日間に渡って、一体何を話したか。
妙な点 金正恩が6時間に渡って独演した。喋りとおした。
李相哲氏が最も注目した点は人事を大幅に改変した事。新しい事をやるんだというのがこの人事から読み解ける。
朝鮮労働党中央委員会第7期第5回目全体会議 広報
今回の人事で外務大臣の
李容浩(リ・ヨンホ)さんの名前が何処にも出ていない。
昨年の9月New Yorkで我々の委員長は太平洋上で水爆実験をやるんだという事迄言った人で、トランプさんを犬に例えて、犬は吠えても列車は行くと言った人で、彼の英語は完璧であった。北朝鮮の中でも本当に実務派の外交官で、この人が対米外交の中心として今後アメリカに対峙していくと思われていた。
しかし例のハノイ会談で中心的に活躍したのが、この李容浩と女性の
崔善姫(チェソンヒ)ね。何度がこの番組で紹介して、顔も出ましたけど。元通訳の。彼女は6者協議の時も通訳を務めていて、金正恩一家とも家族ぐるみの付き合いで、お父さんは金正日がオジサン、オジサンと呼んでいた第一世代の抗日パルセゾンの功労者であった。この人も居ない。
もう1人外交で1番重要な役割を果たしてきたと思われる
李洙墉(リスヨン)朝鮮労働党国際部長の名前も今回無いです。この李洙墉が居る国際部というのは、北朝鮮の権力構造は基本的には、内閣に所属する各省…省庁ね。外務省、経済省とか財務省とかそういうものがあるけれども、その他に、党の下にまだ、部というモノがあり、そこに国際部があり、この国際部は外務省を指導する立場である。
又、外交路線を牛耳る立場にある非常に重要なポストであるにも関わらず、その李洙墉国際部長もこの中に居ない。(因みに金正恩氏の最側近とも称されていた)
又、この写真の中に
金与正(キムヨジョン)の写真が無いですね。但し、記事を読むと○○委員会第一副部長に任命とあります。
でも妙なのは、元々第一副部長だったんですよ。それを再任したという事はこれは李相哲氏の個人的見解ではあるが、今迄は宣伝部を統括する責任者だったのを今回はもっと大事な組織指導部。
北朝鮮を動かすのは組織指導部と宣伝扇動部…宣伝扇動部はメディアを通して人々の洗脳とか結束の仕事をする部門で、組織指導部というのは、労働党の幹部とかを監視して、必要あらば査察して、登用したり粛清したりする権利があって、組織人事とか全部牛耳る部署。組織指導部というのは、昔から朝鮮労働委員会の次に大事なモノとされてきた。
金日成時代はズーッと自分の弟に任していた。次からは金正日がそれを兼任していた。金正恩時代にきて、組織指導部長を最初の頃は任命していなかったけれども、恐らく今回金与正がその地位について、管理する立場になったのでは。つまり
公私共に金与正がNO.2になったという事であろう。これが今回の組織改編の目玉だろう。
彼は元空軍司令官で、その後核開発に専念して、以来、革新的な核エンジンを開発したりすると、その成果を祝う場所に、この人は必ず居るんだが、多分それがかわれて、今回この人は政治局委員になった。政治局委員っていうのは、だいたい13名位いたんですよ。
北朝鮮の組織構図というのは、一番上に委員長が居て、その下に常務委員会。そこに4名。その下に政治局委員会というのがあって、それが13名。時代によって数に変動はあるけれども。その下に未だ、広報委員というのが18名前後居る。
去年は政治局委員が18名で、その中の一人だった。その中で、金正恩が核開発や武力建設に更に拍車をかけているという話だった。
焚火を炊いて話し合いをしていた時の軍人。この人が今度、政治局広報委員に昇格した。
この人はロシア大使で、ロシアから時折強いメッセージを金正恩の代弁として送っていた。そういう人が政治局に戻って広報委員になっている。この人が恐らく李洙墉の代わりになるだろう。
この人が人民武力長(人民軍の幹部)に…。人民武力長は実は毎年コロコロ変わっている。
こういう人事があって、外国が注目していた、今迄北朝鮮の経済を陣頭指揮していた〇〇〇、彼がね28日から会議に1回も顔を出していなかったが、31日の最後の記念写真を撮った時に、車椅子に乗って出て来た。
ところが27日には彼があるセメント工場を視察する映像があって、その時は立って歩いていた。だから視察先から会議に間に合うように急いでいた時に交通事故にあったんじゃないかと言われている。いずれにしても彼が当初は粛清されていたという話がある。
今回党の重要幹部の三分の二が入れ替わった。特徴は若返り。自分の話を聞く人に入れ替えた。又、経済官僚も大幅に入れ替えた。
日本とかの民主主義自由主義の国であれば、首相が、或いは大統領が内閣改造として人事を大きく入れ替えるのは普通であるが、北朝鮮という社会主義の国では、それは有り得ない。これは何か政変が起こった場合という位。
ここ迄やっているという事は、何か軍人とか人民の動揺がかなり拡がっていて、この際全部人事を入れ替える事によって、規律をより厳しくして、若い人で新しい道を行って正面突破していくと言う事なのかなと李相哲さんは考えておられる。
金正恩の過去7年間の統治スタイルを見ると、あまりにも人事異動が激し過ぎる。又、大勢の幹部を粛清してきた。今迄軍と外交…外務省は金日成時代も金正日時代もあまり変わらなかった。人民武力長だって何年も一人の人が担当していたし。
それなのに、金正恩になって軍は毎年殆どのトップが入れ替わるし、外務省は専門知識が必要なのに、今迄外務省の人たちを大勢粛清して、中には外国によく知られている国連大使の〇〇〇という人が居るだけれども、彼も処刑されてると言われている。
それから他にもハノイ会談の失敗の責任をとらせて、通訳やった女の子を政治犯収容所に送ったって言われています。日本との交渉に出て行った
金聖恵(キム・ソンヘ)という女性、局長級の。彼女も政治犯収容所に送って。
スペイン大使だった〇〇〇という人は、一時処刑されたという情報もあったけれども、処刑迄はなかったが、地方に追放されている。
他に外務省の課長以上の幹部を4名一気に処刑したという情報も確認された。
こんな滅茶苦茶をしていて、これで国が持つのか、普通なら考えにくい事である。まだまだ、この新人事を分析する必要があるが、取り敢えず、注目すべき点は、李容浩が居らず、金与正が組織指導部に行ったであろう事、そして軍幹部が全部入れ替わったという事。
まだまだ金正恩政権は安定していないという印象は拭えないとは李相哲学氏の弁。
※名前がキチンと聞き取れなかった方々、或いは聞き取ったつもりでも、ネットで検索しても全く引っ掛からない人のお名前は〇〇〇とさせて頂きました。