本日は晴天なり

誰しも人生「毎日が晴天なり」とは行かないものです。「本日は晴天なり。明日はわからないけどね」という気持ちを込めました。

Every Person Is Different

2006年01月21日 11時48分06秒 | 洋画・海外ドラマ
私の好きなアメリカのシリーズドラマに「Sex and the City」というのがあります。
主人公はニューヨークに住む30代、リッチでシングル、おしゃれなキャリアウーマンという共通項を持つ4人組。4人は一緒にランチをしながら、お互いのどんなプライベートなことでもあからさまに話し合う仲です。
4人はそれぞれニューヨークでのシングルライフの中で、恋愛や仕事を楽しみながらも、いろいろな経験をします。

以下は、最近見た(と言っても見るのはもう2ラウンド目なんですが)お話し。

4人のうちの超のつく靴好きのコラムニストであるキャリーが、最近3人目の子供が産まれたかつてのキャリアウーマンの友人の出産お祝いのホームパーティにプレゼントを持って出かけます。
すると、友人の妹がキャリーを出迎え、子供にバイ菌が移るから、玄関のところで靴を脱ぐようにと要求します。
キャリーは仕方なく玄関のところで靴を脱ぐのですが、しばらくして帰ろうとすると、靴がなくなっています。
なんと言っても485ドルもするマノロ・ブラニクというブランドの高級シューズ。それを友人に訴えると、友人は先に帰った友達が間違ってしまったのかも知れない、靴を貸すから今日はこのまま帰るように、と言います。

しかし、その後キャリーが友人に電話をしても靴が見つかる気配はない、それどころか、その友人はキャリーにそんな高価な靴を買うのは馬鹿馬鹿しい無駄遣いである、自分たちには子供にいろいろお金をかけなければいけない「本当の人生」があるのに、と説教をします。

そう言われてもキャリーは釈然としません。それじゃ、子供にではなく靴に満たされた自分の人生は「本当の人生」ではないのか?

キャリーは自問しながらエッセイに記します。

「私たちが子供だった頃、マーロ・トーマスはお互いの違いを認め合おうと歌った。でも、私たちは成長するとそれぞれ違う曲を歌う。お互いの選択を称えあわず、評価する。
認め合うということはただの子供じみた考え方に過ぎないのか?それともそもそも初めから存在していたのか?私たちはいつからお互いの自由を認めなくなったのだろう。」

結局考えた末、キャリーは友人の留守電に、「私は今度結婚することにしました。相手は私。結婚お祝いに欲しい品物の登録をしたのでよろしくね。」とメッセージを残し、なくなってしまった靴と同じものをプレゼントとしてもらうことに成功します。

とてもよくできた話であると感心しました。

わが身に振り返れば、私が結婚したのはつい最近で、30代独身のキャリアウーマンの寂しさや世間からのプレッシャーなど、キャリーたちの気持ちはよく分かります。でもその代わり、20代で結婚し早くに子供ができた人の気持ちはよく分からないかも知れない、その代わりその人たちには30代独身のキャリアウーマンの気持ちはよく分からないだろう。

みんな自分と違う立場の人間のことは良く理解できないことが多いものであります。
だからときには自分には理解できない人たちのことを批判してしまったり、批判した人から反撃を受けたり。
でも人とはみなそういう失敗を繰り返し、ぶつかりながら学んでいくものなのだ、だからただ失敗を恐れていても仕方ないことなのだ、と思い、ふと気が楽になったのでした。