アメリカと日本のユーモアのセンスはかなりの違いがあります。アメリカ人のユーモアは何かと言うと皮肉です。英語の駄洒落とかオヤジギャグもありますが、アメリカ人が言ったら「さむい冗談だね」と言われるだけです。その一方、アメリカ人が面白いと思う冗談は日本人が分からないことが多いようです。たとえば、予想外なもの、あるいはすぐには分からないがじっくり考えてから「なるほど!」とぴんとくる瞬間に一番笑い出します。特に人気があるのはザ・ファー・サイドというアメリカの「1コマ漫画」です。困った事態に追いこまれたキャラクター、起こりそうにもない事件、人間のように振る舞う動物などを描いているコミックストリップが多いです。こういった「ありそうもない」シチュエーションがアメリカ人にとって非常に面白いです。
「冷酷にやっちまったに決まってるじゃん、バーカ!俺は爬虫類だぞ?!」
上の漫画を見ると、最初はわけが分からないかもしれません。これは駄洒落っぽい冗談で、よく考えると「冷酷」と「冷血動物」の言葉をかけています。それが「なるほど!」と分かると、笑いをもたらします。
もうひとつのザ・ファー・サイドのコミックを見ましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/92/128d048c4f43ad3357363e2b5fdfb86c.jpg?random=213d8eca4ac0b2b8b81efa1afe90953c)
窓に「ペットショップ」と書いてありますが、この漫画の中で、重要な点は魚です。「ピラニア」です。そして猫を見ると、木製の義足が見えます。
状況を描くだけで、それから読者に自分で考えてもらうということが面白いのです。冗談のおちを説明すると、効果が完全になくなります。そうすると、もし日本の漫才がアメリカにもあるとしたら、ボケのばかばかしい話は受けますが、突っ込み役の人は「邪魔!」とみんなに思われるかもしれません。