私の仕事の一部は「カウンセリング担当者」、つまり「PA」ですが、木金に東京へ出張に行ってきました。出張っていうか、PAのためのカウンセリング研修でした。
ニュースにも出たので日本人はもう誰でも知っていると思いますが、ALT(つまり外国人)は皆逃げちゃったような状態でした。親戚や親友など、だれもいないのが一番不安だったからじゃないかと思います。
ただ、本当にみんなが逃げたわけじゃない…残っているJETの人はまだまだたくさんいます。でも日本に残ったからといって、不安はないわけじゃありません。なので、当時、怖がっている外国人がたくさんいました。私達PA自身が怖くても、怖がっているALT達のカウンセリングをしなければいけませんでした。(正直、当時はすごくイヤでしたが、自分のことを考える暇がなかったことで逆に自分の不安を忘れられたかもしれません。イヤなのはイヤですけど。)
それで、日本人から見ると、情けないかもしれませんが、東北地方から遠い県に住んでいるALTでも、逃げたりしていた人も数人いたみたいです。一番遠かったのは富山県でしたっけ?
とにかく、研修に行って、一つのワークショップでは、ただ皆は自分の大震災の時の経験を語り合いました。「結果」のようなものが出なかったし、あまりにも圧倒的で、勉強になったこともあったとは言えませんでした。
しかし、私にとっては心が癒やされました。PAとして苦労していたのは私だけじゃないって、こういう風に思っていたのは私だけじゃないって、周りの怖がっている外国人(友達を含めて)が自分じゃなくなったのは私だけじゃないって、大震災のせいで友人関係が崩れたのは私だけじゃないって、私は一人じゃないとよくわかりました。日本人と違う悩みもあったと思いますが、研修で集まった外国人の話を聞いたら、孤独感がおさまって安心しました。
もちろん、宮城県や岩手県など、東北に住んでいるPAの人達も出席しました。とても大変な目にあって、今でも仕事の代わりに毎日ボランティア活動を続けるしかない人もいれば、例えば宮城県の一番西の方にいて大変なことが起きているさえ分からなかった人もいました。津波でJETプログラムで来ていた2人のALTが亡くなりましたが、PAとしてその1人の女性の遺体の身元を確認しなければならなかった人も研修に来ていました。とても信じられない悲劇です…
まあ、そんなにうまくいきませんけど。来月新しいALTの人達がいよいよ来日します。来日するけど、ずっと向こうのニュースを見てきたので実情がよくわからなくて、恐る恐る来るわけです。なので同じことが最初から起きるのが怖いです。実際に両親が来日を反対している人も来ます。もし来てから両親のしつこい命令を我慢できなくなったらどんなにややこしいことになるか…
とにかく、まだ私のほうからも「栃木県が安全だよぉ」というEメールを送っています。今のところ、みんなはだいたい聞いてくれているみたいです。