終わったぜよ…
食器を泥から出して、洗う班。
二階から家具をロープで下ろす班に別れる。
貴重品ってさ、その人にとっての貴重品ってあるから慎重にしなくちゃいけない。
思い出がなくなるのが一番悲しい。
「割れたお皿とか、壊れたものはどうなるの？」
と震災直後に次男に泣かれた事を思い出した。
スコップ団はみんな優しい奴等だから、無意味に明るいし、自分たち自身が被災したという事実すら忘れるほどに能天気だからやれている。
胸が潰れそうになるけど、団員が明るいから、俺は助かるわい。
なので、団長はいいところ見せなきゃいけねぇわけ。
男には意地がある。
引っ越し先の二階の屋根に上がり、
「ラウンドガール♪」
と言いながらタケチンがニヤニヤと一人で持ってきた本棚を引っ張りあげる。
軽々持ってきたし、タケチンが一人で持ち上げられるなら、片手で十分だと強がる。
実際は右手はサッシを掴んでないと落ちるから片手しかなかったんだね！
滑るし。
写真は左手一本で本棚を持ち上げ、依頼主から、
「人間離れしてる…」
と称賛された俺です。
毎日毎日スコップ作業やらブッシッシ運んでればこうなるわ。
かっこいい写真なので是非とも待受にしたらいいよ！
撮ったのは雄大。
彼はブランド品等のリサイクル(買取り)をする会社の社長です。
【ブランドジャック】も宜しく！
あ～
左の背中が痛い。
オッサン無理し過ぎ。
真珠のネックレスが出てきたから、丁寧に洗った。
泥を取ると、すごく綺麗になった。
なんだか、それが切なかった。
