古代イスラエルの王となるダビデが少年の頃、
巨人戦士ゴリアテを倒す聖書物語は欧米人にとってなじみの深いものだろう。
この逸話は信仰の厚いダビデの勇気と、
神を嘲って武力に頼る暴虐なゴリアテの決闘の結末から、
信仰の大切さを学ぶ教訓として語られる。
この逸話に関する聖書の記述をよく読むと、
軍事技術の変化が背景にあることも伺えるのが面白い。
古代イスラエル人はペリシテ人との戦闘に破れ、その支配下におかれてしまった。
ペリシテ人は鉄の精製に長じ、強力な武器を製造することができた。
さらに厳しい訓練を施した専門の戦士を養成する。
重量級の鎧兜や槍、大盾といった、重厚長大な武装で、敵陣に突っ込み、全てをなぎ倒す。
例えば、サムエル上17章によると、ゴリアテは少年時代から戦士として訓練を受け、
両肩に胴の投槍を装備した鎧の重さは5千シェケル(数十キロ)、
槍は鉄製で機織工の巻き棒のようで、6百シェケルの重さで
アニメの巨大ロボットみたいな形だが、
大盾を持つことはできず、
別に大盾を持つ専門が同伴する。
そして完全防御体制+巨大槍+武芸の達人という破壊力で、敵を粉砕する。
イスラエル人を支配下に置いたペリシテ人は、
イスラエル人が鍛冶屋になることを禁じた。(サムエル上13章)
武器の製造技術を独占するためである。
米国が占領下の日本の航空機開発を禁じたのと同様だ。
イスラエル人は鋤や鎌のような平和目的の道具ですら、
ペリシテ人に頼んで砥いでもらわねばならなかった。
イスラエルが王政を組織し、ペリシテ人に抵抗するようになる頃、
農民出身の少年ダビデは、羊飼いをしていた。
両陣営が対峙する中で、ゴリアテが進み出て、イスラエル軍に対し、
自分と決闘するように挑発する。
イスラエル兵は皆恐れて、挑戦に答える者がいなかった。
ダビデはまだ少年だったが、怒りに燃え、ゴリアテに自分が立ち向かうと言い出す。
そこで、イスラエル王サウルは、ダビデに鎧を着させようとする。
鎧も剣も未経験のダビデは、結局、それらの武具を取り外す。
身軽になったダビデは、羊飼いが使い慣れた石投げと滑らかな川石を持って、
ゴリアテに対峙した。
結果は、ゴリアテの完全防御体制の中の唯一の穴である眉間に、
ダビデの投石が命中し、勝負がついた。
重武装 vs 軽武装 の戦いと見ることができる。
結果は予想外の飛び道具を持った軽武装が勝利した。
同じような出来事は歴史上、幾度も繰り返される。
侍軍団を百姓出身の徴兵軍団が勝利したり、
巨砲を誇る戦艦大和を航空機軍団が沈めたり、
巨大企業を小さなベンチャー企業が市場競争で倒したり・・・・。
ダビデとゴリアテの物語は、こうした小が大を倒す最初の例としても、面白い。
巨人戦士ゴリアテを倒す聖書物語は欧米人にとってなじみの深いものだろう。
この逸話は信仰の厚いダビデの勇気と、
神を嘲って武力に頼る暴虐なゴリアテの決闘の結末から、
信仰の大切さを学ぶ教訓として語られる。
この逸話に関する聖書の記述をよく読むと、
軍事技術の変化が背景にあることも伺えるのが面白い。
古代イスラエル人はペリシテ人との戦闘に破れ、その支配下におかれてしまった。
ペリシテ人は鉄の精製に長じ、強力な武器を製造することができた。
さらに厳しい訓練を施した専門の戦士を養成する。
重量級の鎧兜や槍、大盾といった、重厚長大な武装で、敵陣に突っ込み、全てをなぎ倒す。
例えば、サムエル上17章によると、ゴリアテは少年時代から戦士として訓練を受け、
両肩に胴の投槍を装備した鎧の重さは5千シェケル(数十キロ)、
槍は鉄製で機織工の巻き棒のようで、6百シェケルの重さで
アニメの巨大ロボットみたいな形だが、
大盾を持つことはできず、
別に大盾を持つ専門が同伴する。
そして完全防御体制+巨大槍+武芸の達人という破壊力で、敵を粉砕する。
イスラエル人を支配下に置いたペリシテ人は、
イスラエル人が鍛冶屋になることを禁じた。(サムエル上13章)
武器の製造技術を独占するためである。
米国が占領下の日本の航空機開発を禁じたのと同様だ。
イスラエル人は鋤や鎌のような平和目的の道具ですら、
ペリシテ人に頼んで砥いでもらわねばならなかった。
イスラエルが王政を組織し、ペリシテ人に抵抗するようになる頃、
農民出身の少年ダビデは、羊飼いをしていた。
両陣営が対峙する中で、ゴリアテが進み出て、イスラエル軍に対し、
自分と決闘するように挑発する。
イスラエル兵は皆恐れて、挑戦に答える者がいなかった。
ダビデはまだ少年だったが、怒りに燃え、ゴリアテに自分が立ち向かうと言い出す。
そこで、イスラエル王サウルは、ダビデに鎧を着させようとする。
鎧も剣も未経験のダビデは、結局、それらの武具を取り外す。
身軽になったダビデは、羊飼いが使い慣れた石投げと滑らかな川石を持って、
ゴリアテに対峙した。
結果は、ゴリアテの完全防御体制の中の唯一の穴である眉間に、
ダビデの投石が命中し、勝負がついた。
重武装 vs 軽武装 の戦いと見ることができる。
結果は予想外の飛び道具を持った軽武装が勝利した。
同じような出来事は歴史上、幾度も繰り返される。
侍軍団を百姓出身の徴兵軍団が勝利したり、
巨砲を誇る戦艦大和を航空機軍団が沈めたり、
巨大企業を小さなベンチャー企業が市場競争で倒したり・・・・。
ダビデとゴリアテの物語は、こうした小が大を倒す最初の例としても、面白い。
軍事技術の変化が背景にある、という記述は興味深いです。
イスラエル人を支配下に置いたペリシテ人は、イスラエル人が鍛冶屋になることを禁じたという旧約聖書の内容がそれを伺えるということですね。
「サムソンとデリラ」もそうですが、イスラエル人とペリシテ人との争いは旧約聖書におおく記述されているのでしょうか。
いらっしゃいませ。
ペリシテ人については、
聖書の士師記、サムエル記などに多く記述しています。
歴史的にはフィリスティア人とか、パラストゥとかいう表記もあります。
パレスティナがペリシテ人の土地という意味であることは有名ですね。
但し今のパレスティナ人はアラブ人で、古代ペリシテ人と直接関係はありません。
正確な民族系統は確定していなかったと思います。
アブラハムからダビデの時代まで、
極めて強力な民族として、登場します。
統一国家を形成したことはありませんが、ガザ、アシュドド、アシュケロン、ガト、エクロンといった都市国家群が連帯していました。
古代都市遺跡の発掘が進んでいるようで、聖書の記述を裏付けるものとして注目できるでしょう。
サムソン、なかなか魅力あるキャラクタですよね。
誰よりも強いが、女に弱い。
ダビデとその子ソロモンに関係しては、書いてみたいこともあるので、そのうち投稿するかもしれません。