英国の清教徒革命は単なる階級闘争とは異質な革命である。
極めて宗教色が強い。
国王派vs議会派の内戦だが、議会派の中でも、長老派、独立派、平等派あるいは水平派などがあり、
それぞれは政治的党派というより、宗派に近い。
教科書には、ほとんど載らないが「第五王国派」と呼ばれるグループがあった。
一時は議会の半分を占める勢力を誇り、クロムウェル政権発足の支持基盤の一つとなる。
「第五王国」とは聖書のダニエル書の予言に基づく名称だ。
ダニエル書には世界を牛耳る帝国の興亡の予言が書かれている。
君臨する帝国を象徴する4つの獣が次々と登場し、続いて第五番目の王国が神の王国となると「第五王国派」は解釈した。
ライオンで象徴される第一王国は、ダニエルが存命中に君臨した新バビロニア(ネブカドネザル王朝のカルデア)である。
ネブカドネザルによって、エルサレムは滅亡し、生き残ったユダヤ人は皆、
バビロンへ連れて行かれた。
そのバビロンの都市は壮大な城壁で囲まれ、古代7不思議の一つ空中庭園があった。
新バビロニアは古代オリエントで覇者となった。
第二王国は熊で象徴されるメディア人とペルシャ人の連合王国である。
アケメネス朝ペルシアのキュロス大王のとき、新バビロニアを征服している。
当初、ペルシャはメディア王国を宗主国とする小国だった。
だが、メディア王アステュアゲスは凶悪な王で、メディア人からも嫌われていた。
ついにメディア軍の一部が反乱を起こす。
反乱軍はペルシア王キュロスに協力を頼み、キュロスも一緒にメディア王追放戦争に参加した。
こうして新たなメディア王国が誕生するが、ペルシア王国と同君連合を形成する。
やがてペルシア人の方が目立っていくので、通常、アケメネス朝ペルシアと表記し、
メディアの名前は、ほとんど無視されているが、
ダニエルの時代には、メディア人が主力だったので、
第二王国は「メディア人とペルシア人の王国」とダニエル書で記述される。
第三王国は豹のような獣で、大きな角を持ち、ペルシアを速いスピードで征服する。
大きな角はマケドニアのアレクサンドロス大王を意味する。
若い野望を抱くアレクサンドロスは、あれよあれよの間にペルシア帝国旧領を全て征服し、
巨大帝国が誕生した。
だが、わずか32歳で病死してしまう。
大きな角が折れ、角が4つになった。
「第三王国」は4つのヘレニズム国家に分裂しながらも、存続する。
「第三王国」は国家としては複数存続する形になるわけだ。
ギリシャ語が広い地域で公用語となる。
最後のヘレニズム国家であるプトレマイオス朝エジプトをローマが征服した。
そう、明らかにローマが「第四王国」となるわけだ。
ダニエル書では十本の角を持つ恐ろしい獣として象徴している。
ローマも東西に分裂し、西ローマの方が早く消滅する。
十本の角はローマ帝国から派生するヨーロッパ列強国を表すと考えるのが妥当だろう。
「第五王国派」の人々は「第四王国」にローマカトリック法王を含めた。
そして、カトリック教会はキリスト教を自称しているが、
実際は悪魔に仕える反キリスト勢力だと断じたのだった。
まもなく、こうした「第四王国」は、全て神の王国によって滅ぼされなければならない。
こともあろうに、彼らは神によって“第五王国”に選ばれたのは英国であると信じたのだった。
この信条は貧富の拡大により疲弊した農民たちに大きな夢を与えた。
英国社会は神の王国として変革し、社会構造を改革しなければならない。
「聖者の王国」となるべきなのだ。
そして第五王国たる新英国が第四王国勢力を滅ぼし、地上に世界平和を築くことになる。
「第五王国」の具体的なイメージは不明だが、民衆の多くにかなり影響を及ぼしたらしい。
クロムウェルが政権を手中にできたのも第五王国派の支持が大きかった。
だが、実際の政治では夢想的な「第五王国」イメージにそぐわない。
議会派内部は対立し混乱する一方、財政は逼迫し、しかも反革命派の反撃にも対応しなければならない。
クロムウェルは第五王国派と手を切る。
そして第五王国派を弾圧、取り締まることとなった。
「第五王国派」内部でも穏健派から過激派までいろいろで、統一されてはいなかった。
まもなく幹部の多くが処刑され、歴史の舞台から「第五王国派」は消滅する。
なるほど、「第五王国派」は途方もないことを信じ込んでいた。
小さな島国でしかない英国が神の王国になるだなんて!
だいたい、こんなちっぽけな島国が世界支配できるまでになるわけないじゃないか!!
ところが、歴史は不思議だ。
「第五王国派」の期待とは異なるだろうが、
大英帝国は本当に日の沈まない史上最強の大帝国になってしまうのだから。
米国を含めたアングロサクソンこそが、ダニエル書の第五王国に違いない。
但し、神の王国というより、悪魔の帝国に近い気がするが・・。
おかげで、日本の子供たちまでも、英語を学ばねばならぬ。
第六王国はまだ来ないのか。
英語学習の苦しみから、我らを解放してくれ~~~~
極めて宗教色が強い。
国王派vs議会派の内戦だが、議会派の中でも、長老派、独立派、平等派あるいは水平派などがあり、
それぞれは政治的党派というより、宗派に近い。
教科書には、ほとんど載らないが「第五王国派」と呼ばれるグループがあった。
一時は議会の半分を占める勢力を誇り、クロムウェル政権発足の支持基盤の一つとなる。
「第五王国」とは聖書のダニエル書の予言に基づく名称だ。
ダニエル書には世界を牛耳る帝国の興亡の予言が書かれている。
君臨する帝国を象徴する4つの獣が次々と登場し、続いて第五番目の王国が神の王国となると「第五王国派」は解釈した。
ライオンで象徴される第一王国は、ダニエルが存命中に君臨した新バビロニア(ネブカドネザル王朝のカルデア)である。
ネブカドネザルによって、エルサレムは滅亡し、生き残ったユダヤ人は皆、
バビロンへ連れて行かれた。
そのバビロンの都市は壮大な城壁で囲まれ、古代7不思議の一つ空中庭園があった。
新バビロニアは古代オリエントで覇者となった。
第二王国は熊で象徴されるメディア人とペルシャ人の連合王国である。
アケメネス朝ペルシアのキュロス大王のとき、新バビロニアを征服している。
当初、ペルシャはメディア王国を宗主国とする小国だった。
だが、メディア王アステュアゲスは凶悪な王で、メディア人からも嫌われていた。
ついにメディア軍の一部が反乱を起こす。
反乱軍はペルシア王キュロスに協力を頼み、キュロスも一緒にメディア王追放戦争に参加した。
こうして新たなメディア王国が誕生するが、ペルシア王国と同君連合を形成する。
やがてペルシア人の方が目立っていくので、通常、アケメネス朝ペルシアと表記し、
メディアの名前は、ほとんど無視されているが、
ダニエルの時代には、メディア人が主力だったので、
第二王国は「メディア人とペルシア人の王国」とダニエル書で記述される。
第三王国は豹のような獣で、大きな角を持ち、ペルシアを速いスピードで征服する。
大きな角はマケドニアのアレクサンドロス大王を意味する。
若い野望を抱くアレクサンドロスは、あれよあれよの間にペルシア帝国旧領を全て征服し、
巨大帝国が誕生した。
だが、わずか32歳で病死してしまう。
大きな角が折れ、角が4つになった。
「第三王国」は4つのヘレニズム国家に分裂しながらも、存続する。
「第三王国」は国家としては複数存続する形になるわけだ。
ギリシャ語が広い地域で公用語となる。
最後のヘレニズム国家であるプトレマイオス朝エジプトをローマが征服した。
そう、明らかにローマが「第四王国」となるわけだ。
ダニエル書では十本の角を持つ恐ろしい獣として象徴している。
ローマも東西に分裂し、西ローマの方が早く消滅する。
十本の角はローマ帝国から派生するヨーロッパ列強国を表すと考えるのが妥当だろう。
「第五王国派」の人々は「第四王国」にローマカトリック法王を含めた。
そして、カトリック教会はキリスト教を自称しているが、
実際は悪魔に仕える反キリスト勢力だと断じたのだった。
まもなく、こうした「第四王国」は、全て神の王国によって滅ぼされなければならない。
こともあろうに、彼らは神によって“第五王国”に選ばれたのは英国であると信じたのだった。
この信条は貧富の拡大により疲弊した農民たちに大きな夢を与えた。
英国社会は神の王国として変革し、社会構造を改革しなければならない。
「聖者の王国」となるべきなのだ。
そして第五王国たる新英国が第四王国勢力を滅ぼし、地上に世界平和を築くことになる。
「第五王国」の具体的なイメージは不明だが、民衆の多くにかなり影響を及ぼしたらしい。
クロムウェルが政権を手中にできたのも第五王国派の支持が大きかった。
だが、実際の政治では夢想的な「第五王国」イメージにそぐわない。
議会派内部は対立し混乱する一方、財政は逼迫し、しかも反革命派の反撃にも対応しなければならない。
クロムウェルは第五王国派と手を切る。
そして第五王国派を弾圧、取り締まることとなった。
「第五王国派」内部でも穏健派から過激派までいろいろで、統一されてはいなかった。
まもなく幹部の多くが処刑され、歴史の舞台から「第五王国派」は消滅する。
なるほど、「第五王国派」は途方もないことを信じ込んでいた。
小さな島国でしかない英国が神の王国になるだなんて!
だいたい、こんなちっぽけな島国が世界支配できるまでになるわけないじゃないか!!
ところが、歴史は不思議だ。
「第五王国派」の期待とは異なるだろうが、
大英帝国は本当に日の沈まない史上最強の大帝国になってしまうのだから。
米国を含めたアングロサクソンこそが、ダニエル書の第五王国に違いない。
但し、神の王国というより、悪魔の帝国に近い気がするが・・。
おかげで、日本の子供たちまでも、英語を学ばねばならぬ。
第六王国はまだ来ないのか。
英語学習の苦しみから、我らを解放してくれ~~~~